ラリー遠田

作家・お笑い評論家。『松本人志とお笑いとテレビ』『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』『教養としての平成お笑い史』『とんねるずと『めちゃイケ』の終わり〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』など著書16冊。『AERA dot.』『文春オンライン』『東洋経済オンライン』などで執筆。

ラリー遠田

作家・お笑い評論家。『松本人志とお笑いとテレビ』『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』『教養としての平成お笑い史』『とんねるずと『めちゃイケ』の終わり〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』など著書16冊。『AERA dot.』『文春オンライン』『東洋経済オンライン』などで執筆。

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  • お笑い賞レース感想

    お笑い賞レースの感想記事をまとめました。

  • 『M-1グランプリ2023』3回戦おすすめ芸人

    『M-1グランプリ2023』3回戦で惜しくも敗れてしまった芸人の中から、個人的なおすすめを紹介しています。

  • サウナと私

    サウナに対する個人的な考えをまとめています。

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ラリー遠田プロフィール

ラリー遠田(らりー・とおだ) 作家・ライター、お笑い評論家。 1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。専攻は哲学。 テレビ番組制作会社勤務を経て、フリーライターに。在野のお笑い評論家として、テレビやお笑いに関する取材、執筆、イベント主催など、多岐にわたる活動を行っている。 お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。 『松本人志とお笑いとテレビ』(中公新書ラクレ)、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)、『教養としての平成お笑い

    • 『NHK紅白歌合戦』歴代出場芸人一覧を作ってみた

      『NHK紅白歌合戦』に出場したことがある芸人ってどのぐらいいるんだろうというのが気になったので、自分で調べてリストを作ってみました。 ●注意点 ・『NHK紅白歌合戦』の公式ホームページの情報を自分の目でチェックしてまとめただけなので、見落としがあるかもしれません。 ・ユニット名に芸人としての名前の表記がない場合、括弧書きでそれを加えています。 ・特別企画枠などの出場者は含まれていません。 ・「芸人」の定義は深く考えず「自分が芸人だと思う人」としています。 ●思ったこと ・

      • みなみかわ単独ライブ「よかれ」

        みなみかわ単独ライブ「よかれ」を配信で見ました。面白かったです。 今のみなみかわさんが単独ライブでネタをやるというのは、実は結構難しいことなのではないかと思います。なぜなら、テレビなどのメディアで活躍する機会が増えてきて、そこでのキャラクターがお客さんにも広く知れ渡っているからです。 この状態で、いわゆる正統派のしっかりしたコントや漫談をやっても、見る側には「みなみかわに求めているものはこれじゃないんだよな…」と思われてしまう可能性があります。 だからといって、すでに知

        • ラリー遠田著『松本人志とお笑いとテレビ』関連記事まとめ(随時更新)

          私、ラリー遠田の著書『松本人志とお笑いとテレビ』が10月に刊行されました。この本の一部を抜粋したウェブ記事や、この本を取り上げていただいている紹介記事、書評記事などを以下にまとめした。(今後も随時更新します) ・11/6付『日刊ゲンダイ』の書評欄で私の新刊が紹介されました。 ・11/9付『毎日新聞』の書評欄で私の著書が紹介されました。 ●抜粋記事 東洋経済オンライン ・「大学お笑い」出身芸人の増加で変わる業界勢力図 日刊SPA! ・「一発屋芸人」が減った3つの理由。テ

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        記事

          気球に乗ってどこまでも

          とある問題について最近思うこと。どこを見ても観測気球みたいな記事、観測気球みたいなコメントばかり。どんだけ気球あげてんだよ。カッパドキアかよ。

          気球に乗ってどこまでも

          2024/12/20「お笑いの話ができる地下BAR【M-1直前大忘年会SP】」

          フリーライター・お笑い評論家のラリー遠田です。10月に『松本人志とお笑いとテレビ』(中公新書ラクレ)という本を出版しました。 そんな私が、12月20日の19:00~23:30に新宿の「ビキニマシーン」というBARで一日店長イベントをやることになりました。一晩だけ貸し切りでBARを営業して、来ていただいたお客さんと話をしたりします。過去に何度かやっているイベントです。 基本的にはお笑いの話をしたい人が集まるというコンセプトですが、トークテーマに厳しい縛りがあるわけじゃないの

          2024/12/20「お笑いの話ができる地下BAR【M-1直前大忘年会SP】」

          99.9%の人が松本人志問題を語る資格がないと思う理由

          松本人志さんの件で、いろいろな人がいろいろな立場からいろいろな意見を述べていますが、個人的には「まずは記事を読んだら?」と思います。松本人志さんの性加害疑惑に関する記事は『週刊文春』で7週にわたって掲載されました。 松本人志問題についてあれこれ言っている人のうち、この7本の記事を全部読んだ人はどのくらいいるのでしょうか。私の推測ですが、おそらく0.01%もいないのではないでしょうか。 7週にわたる記事の中では、複数の告発者による性加害疑惑が取り上げられています。そのうちの

          99.9%の人が松本人志問題を語る資格がないと思う理由

          高比良くるま『漫才過剰考察』

          令和ロマン・高比良くるま著『漫才過剰考察』を読みました。ものすごく面白かったです。ちょっと見たことがない種類のオリジナルな芸人本でした。 一般的に、お笑いに関する分析や考察をまとめた本は、文章が固くなりがちなんですよね。たとえ芸人が書いたものであってもそうなるのが普通です。ナイツ・塙宣之さんの『言い訳』、かもめんたる・岩崎う大さんの『偽りなきコントの世界』、NON STYLE・石田明さんの『答え合わせ』なども、基本的には真面目な語り口で書かれています。 それはそれで問題な

          高比良くるま『漫才過剰考察』

          石田明『答え合わせ』

          NON STYLE・石田明さんの著書『答え合わせ』を読みました。面白かったです。 石田さんが近年いろいろなところで語られていた漫才論、M-1論の集大成のような内容。漫才とは何かという話から始まり、今の漫才というジャンル全体の見取り図が描かれています。 漫才の定義、漫才を「しゃべくり」「漫才コント」「コント漫才」の三種類に分けて考える理由、漫才で小道具を使うことの是非、関東と関西の漫才の違い、M-1で歌ネタが評価されにくい理由、大学お笑い出身者の特徴など、漫才に関してよく語

          石田明『答え合わせ』

          松本人志M-1審査員復帰の可能性は?

          松本人志さんが訴訟を取り下げたことで、芸能活動を再開するのではないか、テレビに出るようになるのではないか、ひょっとしたら今年のM-1で審査員として電撃復帰するのではないか、などと噂されたりしています。 私は何の情報も持っていないので、現時点での個人的な推測に過ぎませんが、今年のM-1審査員をやることはおそらくないんじゃないかな、と思っています。なぜなら、影響が大きすぎるから。 松本さんがそこで復帰すると、その部分にばかり世間の注目が集まることになる。M-1の主役は出場する

          松本人志M-1審査員復帰の可能性は?

          石井てる美の大統領選

          アメリカ大統領選の結果に日本一振り回されている芸人といえば、石井てる美さんです。 2016年の大統領選の時期には、大統領候補のヒラリー・クリントンのものまねでプチブレーク。自腹でニューヨークに飛び、ヒラリーの歴史的な敗北を目の当たりにすることになりました。 そして今年、石井さんは満を持して大統領候補のカマラ・ハリスのものまねを解禁しました。 しかし、結果はまたしても敗北。「ドナルド・トランプに二度敗れた女」は、世界広しと言えども石井てる美ただ1人でしょう。 どちらのケ

          石井てる美の大統領選

          地方営業で手を抜く芸人

          「地方営業で手を抜く芸人・手を抜かない芸人」の話がXで盛り上がっていたので、この件に関して少し。 私の知る限り、ライブや営業で生で見るプロの芸人さんは、ほぼ例外なく全力ですさまじいパフォーマンスを見せてくれます。こちらがメディアを通して漠然とイメージしている感じよりも10倍ぐらいすごい。わざわざ人前に立って面白いことをやって不特定多数の人を笑わせてお金をもらう仕事に従事している人の底力は半端なものではないのです。 そもそも、一般人がプロの芸を見て、それが手を抜いたものなの

          地方営業で手を抜く芸人

          最強新コンビ決定戦THEゴールデンコンビ

          Amazonプライム・ビデオの『ゴールデンコンビ』を見ました。なかなか面白かったです。年末年始に地上波で放送される大型バラエティ特番みたいな雰囲気で、気楽に見ていられる感じが良かった。 即席コンビで即興コントをやるという触れ込みだったので、『ドリームマッチ』的なものを想像していたんですが、実際には1つ1つのネタや回答の尺が短くて、大喜利に近い感じ。「『ドリームマッチ』の別バージョン」というよりは「『千原ジュニアの座王』の豪華版」というのが実態に近かったです。 これを見なが

          最強新コンビ決定戦THEゴールデンコンビ

          ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ

          『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』見ました。めちゃくちゃ面白かったです。3作目にして最高傑作。1作目、2作目は配信で見ていて、3作目は劇場で見たので、そのバイアスがかかっている部分があるとはいえ、それを差し引いても、この作品はすごかった。 何がすごかったのかを一言で言うと、今回の敵役である冬村かえで(池松壮亮)の存在感。この人の人物造形がすばらしすぎて、作品全体のトーンが過去作とは少し変わっていました。 『ベイビーわるきゅーれ』シリーズは、基本的には「日常系殺し屋アク

          ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ

          失敗したから批判されている

          「容姿いじり」の問題が出るたびに思うことがあります。結局のところ、現状では容姿いじりそのものが全面的に許されないということにはなっていません。証拠はいくらでも挙げられます。バラエティ番組で芸人同士で容姿いじりをして笑い合っている場面はここ最近だけでも何十回も何百回も見ていますが、その99%が世間で何の問題にもなっていません。 問題になるのはどういうときかというと、容姿いじりが失敗したときです。失敗してあんまり笑いにならなかったとき、嫌な感じに見えるときに「容姿いじりは良くな

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          顔ファンよりKWS

          「顔ファン」という言葉があんまり好きじゃないです。なぜかというと、実際に起こっていることの本質を曖昧にするようなところがあるから。顔ファンというのは一種の蔑称なので、本当は「顔ファン」の定義に当てはまりそうな人でも、自分が顔ファンであると認めることはあんまりない。「私はこの芸人の顔が好きなわけじゃなくて、面白いと思って応援しているだけだから」などと言うことが多い気がします。 (ちなみに「顔ファンが悪い」とは思っていないです。「顔ファン」に限らず、何をどういうふうに楽しむのか

          顔ファンよりKWS