40年目の反省リスト(26)2014~16年
2013年5月から再び愛知県民になった。28年ぶりだ。
東京中日スポーツの連載が終了した2007年以降ずっと、毎月赤字続きの中での帰郷。英断というより、都落ちと言った方がしっくりくる。
言い訳じみるが、データで原稿をメール入稿する今の時代、もう漫画家の所在地は関係ないだろう。そう考えたのもある。出版社が集まる東京に自らが住む必要も無いと思ったのだ。
もっとも、数少ない仕事の一つ「月刊グラン」の原稿がデータ入稿になったのは、そのずーっと先の2021年からなのだが。
帰郷後もジタバタし続けた。
戻ってすぐの頃はもう、マンガ仕事だ文字仕事だ言っておれず、やれそうな仕事を全部試すことにした。その中から、絵がかかわった仕事をピックアップしてみる。
・Walker47(KADOKAWA)
2014年4月からスタートした、ネットの地域ニュースサイト。全国の地域編集長がローカルな話題のネット記事を公開するというもので、私は愛知県稲沢市の地域編集長になり、月に数本ずつ地元の話題を記事にするかたわら、時々「いなざわ魂」というタイトルのご当地ネタ4コマを描いてあげていた。現在noteでも公開中。
・Walker plus(KADOKAWA)
その「Walker47」の支払いシステムが1年であっさり瓦解。編集長制度を残したまま、2015年「Walker plus」に吸収合併。何が変わったかというと、報酬がヒトケタ減った。それでも変わらず記事書きは続けた。
地元ネタ4コマの方は「なごやか3県隊」と模様替えして、稲沢市から東海3県を対象にしたネタを始めた。こちらも現在noteで公開中。
他に、「なごや東海まとめて絵ンタメ!」という地元に関係したイラストルポなんかも始めた。noteでも逐一公開して、とりわけ名古屋が舞台の映画「ビリギャル」のイラストルポは多くの方に見て頂けた。
しかし「Walker plus」でも地域編集長制は2年しかもたず、結局2016年いっぱいで終了。最後の1年など全体方針まで変わる迷走ぶりで、マンガやイラストが描けなくなり、不本意ながら終了。4コマは合計2年ほど続けたか。
・新生 大須演芸場にて作品展示&物販
2015年10月から新体制で再開した名古屋・大須演芸場へ、日本落画家協会のメンバーとして談判。イラストの場内展示とグッズの物販をお願いすることができた。同時に、2016年の演芸場カレンダー(1枚のポスター型)に私の「落語歌留多」が使われることになった。
残念ながら物販は客層の違いから振るわず、2020年のコロナ禍の時期に終了したが、場内展示の方は現在も継続させてもらっている。
日本落画家協会関連(寄席描き展ほか)の活動は後日まとめて。
・中日新聞夕刊で演芸ルポ記事
2016年1月から、中日新聞夕刊にて演芸観覧ルポ「笑う日々」を連載スタート。月イチの掲載で、2017年3月まで。
中日新聞本紙の仕事は、2002年に清水義範先生の連載(夕刊)のイラストマンガを担当させてもらって以来。
若手芸人のライブから、米朝一門会や「志村魂」まで、いろいろ観て回った。中日劇場での公演は編集部にチケットを手配してもらえたので、無料で楽しめたのがよい思い出。
・似顔絵講座講師
清洲カルチャーセンターにて、月2回の「似顔絵講座」の講師もした。自分に向かないのはわかってたんだけどね。こちらも2017年3月まで担当。そのあと同じ年の11月から、アピタ稲沢東店の一角でも似顔絵の講師をしたが、こちらは全然人が集まらず自然消滅。
今思うと、生活の糧になったのは演芸ルポだけだった。
たしかこの頃から、クラウドソーシングサイトで仕事探しを始めたと思う。
その他、居住地と関係なく頂いた書籍のお仕事も。
・「新さんまさん論」と「メリハリ速歩」
2016年、またまたこう書房から書籍のお仕事。しかも立て続けに2冊。
「新さんまさん論」は表紙と本文の、明石家さんまさんの似顔絵を3点ほど。そのうちの1点を、デザイナーさんがキレイに整えてドアップの表紙にしてくださった。
こちらはストレッチの図解イラスト中心。ギャグ無し。タイトルが長いのでいつも「メリハリ速歩」とだけ記している。
ほぼ全部の案件が2017年まで食い込んでいるのに、今回のくくりは2016年で区切ることにした。理由は次回。本日はここまで。
(第26回・了)