見出し画像

抜け駆けは許さない

学生時代、試験勉強をしていなくて焦っている時
「俺もしてない」
「私も!」
と言われたらとても安心しませんでしたか?

マラソン大会で
「ゆっくり走ろうよ」
「そうだね、一緒に走ろう。順位なんて気にせず」
と仲間がいるとホッとしませんでしたか?

ところが勉強していないと言ってた奴が
実は前日徹夜で勉強していたらしく高点数を取ったり

ダルそうでやる気なさそうな顔をしていた奴が
よーいドンと共に快走し、上位入賞を果たしたり

そんな時、成績や順位の悪かった奴らは
勉強したり快走した奴をまるで裏切り者呼ばわり。

だけど・・・ホントは分かっている。
勉強しなかった自分が悪い、手を抜いて走った自分が悪い、と。

これ、お笑い芸人の世界でも言えるんです。
売れてない奴らは売れてない同士で群れる。
そしてお互い傷をなめ合いながら
「がんばろうぜ」
と言いながら心の中で思う。
「抜け駆けするなよ」
・・・と。

ある地下ライブ出身の芸人が
テレビ制作者の目に留まり、
地上波の全国番組への出演が決まった時の話。

「やったな」
「チャンスじゃないか」
「がんばれよ」
同じ地下芸人仲間はそう声をかけるが、
2割は本心で応援しているが
8割は・・・嫉妬と妬みでできている。

「がんばれよ」と言いながら
「滑ってしまえ」と願ったり

「チャンスじゃないか」と言いながら
「なんで俺じゃなくてお前なんだよ」と妬んだり

その地下芸人。全国放送でネタを披露したが
残念ながらダダスベり。
チャンスを掴み取ることができませんでした。

「いやぁ、俺は面白いと思ったけどなぁ」
「全国放送出れただけでもすごいよ」

8割の芸人仲間が、高いテンションで励ますのでありました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?