ヒーローになれない私は男性ブランコに救われた
※一応配信終了後に公開してますが、6月に行われた男性ブランコの単独のコントの内容に言及してる箇所があるので(というか後半はほぼそれ)知りたくない方は読まないことをおすすめします!
私には高校の頃から世界一尊敬しているヒーローがいる。
きっかけはたまたま父親が観てたサッカーの日本代表の試合だ。
そこに中村憲剛という、ひょろっとした選手が出てた。
当時、海外サッカーをちょろっと観るぐらいで全くJリーグに詳しくなかった私は、「え、この人細っ!こんな体型でサッカーやれるの??」とちょっとした懐疑心が芽生えていた。
しかし、その試合で彼はほぼ全ての攻撃の形を作り、アシストも記録するなどその試合に関してはまさしく中心人物だった。言ってみれば私は全くサッカーを見る目が無かったのだ。
その見た目とプレーのギャップに惹かれ彼のことを色々調べていくうちに、人間性にも心を掴まれた。
大学まで無名だったり、プロになってからもあと一歩まではいくものの未冠が続いたり(当時)となかなか不遇な人生を送ってきた人であり、だからこそチームメイトやスタッフの方々、サポーター、ご家族への感謝を常に口にする人。そんな風に私には映った。
当時私は周りの人との関係がうまくいかなくて学校も休みがちだったし、休日も人と同じ空間にいるのが怖いからどこにも出かけない、引きこもりのような生活を送っていた。
そんな私が、あの日努力に努力を重ねて今川崎フロンターレというクラブ、引いてはJリーグの顔になってる選手がいることを知り、「この人みたいにがむしゃらに頑張りたい」と思った。
そして、徐々にではあるが外に出て人と交流するようになり、大学も一番行きたい大学の学部に入れ、卒論では彼が重要視していたことの一つであるJリーグのクラブの地域密着について書き、高評価をいただいた。
今私が社会生活が送れるのは間違いなく中村憲剛のおかげだと思っている。
しかし現在、社会人として頑張れば頑張るほど辛くなる毎日が続いている。
仕事から帰っても何かミスは無かったか考えて落ち着けないし、せっかくの休みも次の出勤のことを考えて憂鬱になっている。
中村憲剛みたいになりたいのにどこかで
「サボりたい、頑張りたくない、あの人は上手いことサボってるのに気づかれてない…」など負の感情が渦巻いているし、実際に仮病で休んだこともある。
私はヒーローにはなれないんだと気付いてしまった。
そんなモヤモヤが続いてた時に、男性ブランコのコントライブ『トコトコGOGOタツノオトシGO』を配信で観た。
その中に浦井さん演じる小橋さんという家電量販店の店員さんが出てくる。この小橋さんは子どもの頃に憧れてたヒーローになれないという悩みを抱えていた。
これを観た時の衝撃ったらなかった。
私のことやん、なんて思った。
小橋さんは平井さん演じるタジマさんに話を聞いてもらい、心がちょっと軽くなり気合いを入れて仕事をする、というのがライブの筋になっている(ここら辺の構成大好きです)。
ヒーローになれない自分を受け入れつつも、トコトコ頑張るヒーローに憧れ続ける。
そんな小橋さんを観て、
「そっか、ヒーローになれなくてもいいんだ。中村憲剛はヒーローだけど、私は中村憲剛じゃない。頑張りすぎずに、自分のペースでトコトコ歩こう」と思えた。
タジマさんと話して心が軽くなった小橋さんを観て私は心が軽くなった。
なので、面白いのは大前提なんだけどこんなホッと穏やかな気持ちにさせてくれるものを見せてくれて、男性ブランコには感謝の気持ちでいっぱいです。タジマさんがまたいいんだよなあ。
他のコントも面白かった。