キングオブコント2024感想
ラブレターズの優勝で幕を閉じたキングオブコント2024。今回のnoteでは、各ネタの感想を書いていこうと思う。
オープニング
ファイナリスト紹介後にCMを挟んで、恒例となったラップオープニング。各コンビやトリオのラップ内に含まれた言葉を組み合わせると「コントの最高到達点へ」という言葉が完成するギミックが素晴らしい。じろうが加わり若返った審査員たちに対する暴君浜田の下りを経てファーストステージスタート。
ファーストステージ
グループ名横の点数は個人的な採点。カッコ内の点数は89~97点内での相対的評価の場合につける点数。
① ロングコートダディ 94点(95点)
2年ぶり3度目の決勝進出。
上から目線で嫌な人間な言動をとる兎で手堅くウケを取り、花言葉等で応戦する堂前の言動で更なるウケをもぎとる。ただ分かりやすい爆発ポイントが1つ欲しいなという印象を持っていたところで、車に轢かれそうな所を助けられた堂前の「まだ、マイナスです」という一言が今大会で一ニを争うぐらい面白かった。兎と堂前の両方の良さが出ている良いコントだと思った。
② ダンビラムーチョ 92点(91点)
決勝初進出。
ダンビラ感満載の馬鹿馬鹿しい設定。四発太鼓という大枠が独自性に溢れてて面白かったのはもちろん、紙芝居や音響への態度など本人達が終わってると評した細部も素晴らしかったと感じた。個人的にはリンゴ飴の下りがめちゃくちゃツボ。こういう馬鹿馬鹿しさ満載のコントも決勝の舞台で見れるのがキングオブコントの幅広さを表している。
③ シティホテル3号室 93点(93点)
決勝初進出。
通販番組でしつこく値段を下げさせようとする司会者と拒否する販売者。一見司会者がヤバい奴と思わせておいて、全て台本だったことが判明すると本当は販売者がヤバい奴だったことが判明するという見る側を見事に裏切ってくるこの設定が素晴らしい。秋山の言うように後半にもう一展開欲しいとは感じたが、設定の面白さを引き出すにはこの形がベストのようにも感じる。
④ や団 94点(94点)
3年連続3度目の決勝進出。
より男臭くより泥臭くという言葉にぴったりのコント。3人のキャラがしっかりと確立されていて、一つ一つの下りで笑いをもぎとるこの感じがや団らしさ全開で面白い。個人的には肛門に突っ込んだ指でビンタされてからの「臭っせぇ~」が馬鹿馬鹿し過ぎて大好き。汚い下りもあってハマらない人もいるのは仕方ないが、それも含めてや団なので自分は気にはならなかった。
⑤ コットン 92点(90点)
2年ぶり2度目の決勝進出。
演技が上手い子供という設定で素早く掴む。だが、このコントの肝となる部分は人形劇に対するきょんの反応なのだろうけど、人形劇自体でウケを狙いに行く場面がノイズになってしまった印象。具体的に言うと特にACの下り。感情が昂って耐えきれなくなったきょんが劇に乱入し、防犯ブザーを鳴らされる終盤の展開はとても面白かったが、全体的になんかもったいないと感じた。
⑥ニッポンの社長 94点(96点)
5年連続5度目の決勝進出。
ケツの声が小さいだけでもう面白いのズルい。そして、監督が「声小さいねん!」と言ってケツをバットで殴った瞬間にめちゃくちゃ笑った。その後ベンチや水飲み場もボコボコ破壊する下りやケツの語りパートで畳み掛ける下りもただゲラゲラ笑える面白いコントだった。ただ、見終わった瞬間に敗退やろなぁとは思った。案の定敗退となったが、今大会で一番笑ったのはこのコント。
⑦ ファイヤーサンダー 95点(97点)
2年連続2度目の決勝進出。
これが噂の毒舌散歩か。例えツッコミをした人が全員例えられた通りの犯罪をしていたという設定の時点でめちゃくちゃ面白い。その後の警察も知らない情報まで予知出来る下りや、訪れた刑事の闇まで暴いてしまう展開、近未来の犯罪も分かることで難を逃れるオチまで完璧。個人的には、刑事に面白くないと言われるのも納得出来るぐらいに犯罪以外のツッコミは弱いのが、細部へのこだわりを感じられた。
⑧ cacao 93点(92点)
決勝初進出。
部員が2人しかおらず、グラウンドも使えないので部室で練習する野球部という設定から、監督を含めて部屋練がめっちゃ上手くなったという展開に舵を切るのが面白いなと感じた。後半3人が目まぐるしく動いて部屋練する下りが自分のツボに入ってしまってずっと笑っていた。9人で部屋練したいというセリフも面白い。ただ、その後の展開を求められるのもハマラない人がいるのも仕方ない。
⑨ 隣人 91点(89点)
2年連続2回目の決勝進出。
2年連続チンパンジーネタで勝負したのもあって明転の時点でクスクス笑いがおきてた。独特な世界観やパソコンで打ち込む言葉が面白かったことを踏まえても、じろうの言うように基本的に笑いの取り方が平坦で、終盤まで大きな展開が無かったところが、今大会を勝ち抜くには厳しいなと感じた。終盤の誕生日を祝う展開もハネきらずもったいなかった。
⑩ ラブレターズ 93点(94点)
2年連続5度目の決勝進出。
煽りVでの言葉通り、感動的な要素を全面に押し出した切り札的なネタで勝負。他の人が言っていた「感動の中に笑いがある」という感想がぴったり当てはまるコントだった。どんぐりを闇雲に撒き散らしているのではなく、しっかりと理由がある上でそうなっているからこそ面白い。1組だけ面白いのベクトルが異なるブルーオーシャンで戦ったことが勝ち抜けた要因なのだと思った。
ファイナルステージ
① ラブレターズ 92点(92点)
ファイナルステージ初進出。
いきなりナンパしようとする外国人がヤバい奴と思いきや、ジュビロ磐田ファン坊主女の方のヤバさがどんどん露になる流れは笑いは裏切りを体現していて面白かった。個人的には「日本語上手ですねが先じゃないかなー!」が好き。正直ごちゃごちゃし過ぎていて自分の好みからは外れるが、ファイナル3組の中で一番自分たちが面白いと思うものを全面に押し出してフルスイングしたのが効を奏したのだろう。
② ロングコートダディ 93点(93点)
ファイナルステージ初進出。
1本目とは打って変わってきっちりとセットを組んだコント。「一撃でこんなに伝わるとは」というワードセンスや「ウグォケ!=やめて!」という絶妙なすれ違い方など、言語の違いをここまで笑いの手段として料理出来るところに凄さを感じた。ただ、コント中に兎が全く出てこないところやところどころチョコプラ感があるところが減点対象になるのも否めない上で、ファイナル3組で一番笑ったので他2組より上の点数をつけた。
③ ファイヤーサンダー 92点(92点)
ファイナルステージ初進出。
ネットでよく見る「こうなったら◯◯してやるよ」から着想したと感じるコント。設定の切り口は十二分に良かったが、優勝を決めるラストのネタとしては全体的に決定打に欠けるという印象を持ってしまった。展開もきっちりと作られていて決して悪くないコントだが、1本目レベルの爆発が見られなかったところが敗因かなと。個人的には暗転前のこてつの一言で「8分の1」が好きだったが、全部そのレベルの一言が欲しかった。
個人的な順位
ファーストステージ
1 ファイヤーサンダー
2 ニッポンの社長
3 ロングコートダディ
4 や団
5 ラブレターズ
6 シティホテル3号室
7 cacao
8 ダンビラムーチョ
9 コットン
10 隣人
ファイナルステージ
1 ロングコートダディ
2 ファイヤーサンダー
3 ラブレターズ
二本合計
1 ファイヤーサンダー
2 ロングコートダディ
3 ラブレターズ
こうして並べるとファーストステージでめっちゃ面白かったけど、シティホテルが6位でcacaoが7位になるのか。また、実際順位と一番離れて高評価だったニッ社は、自分が声デカイ野球好きだからかもしれないと感じた。
総括
今年も面白かった!全組このレベルで面白いコントを見せてくれるキングオブコントは改めて最高の賞レースだなと。
今回ラブレターズが優勝したのは、2本目の感想にも書いたが、自分たちが面白いと思う芯の部分が一番分かるコントを披露したからだと思う。自分の好みとは少し異なるが、優勝には全く異論が無い。(1本目終了直後に好みを抜きにしてファイナル行きそうと感覚的に思ったし)優勝に対して批判的な意見も見受けられるが、今回審査員を務めたキング達は優勝後も面白いコントを見せ続けて評価を勝ち取っているんで、ラブレターズもそうなれるように沢山のいろんな面白いコントを見せて欲しい。
そして、世間では審査員批判で持ちきりだが、松ちゃんがいなくなった途端に文句言い出すのなぁ。ただ、今年はレベルの高さに加えて空気階段ビスブラサルゴリラのようにずば抜けて面白かった組がいなかったことが、こういう審査結果になった原因だと思う。好みをぶち抜くだけの圧倒的面白さを持つ組が昨年まで3年連続でいたのが奇跡なだけ。多分KOCに限らず賞レースの結果が審査員ごとの好みで割れる流れは続くだろうし、そんな中、圧倒的面白さで文句無しの優勝をする組がまた現れることを楽しみにしてます。後浜ちゃんの2周目3周目審査コメント振り、まだ1周も聞いていない人がいるのにしようとするのだけ止めてね!!
最後に