キングオブコント2024追記①
このnoteではお笑いの日全体の感想と審査員の審査を考察していこうと思う。
お笑いの日感想
のっけから山内のジョンソン終了いじりが見れたのが面白かったし嬉しかった。個人的にはみちおの暴力も面白い。
キングオブコンジョー
煽りVに出川の炊飯ジャー頭突きを始め、リンカーンやお笑いアカデミー賞の映像が使われていたことから、完全にそういった流れの人達が考えた企画というのがよく分かる。ファーストステージの阿鼻叫喚はそんなに面白くなかったが、きっちりやってるきしたかの高野が面白かった。セカンドステージではただずっと立たされるだけのカゲヤマ益田とシンデレラボーイいぬ有馬がキーマンに。ファイナルステージはワンチャンスをものにしたモグライダー芝とかまいたちの芝いじりにジョンソン風味を感じた。そして、いぬ有馬に競り勝って優勝したヒコロヒーはそりゃ売れるわなと。
ラヴィット!
昨年はつかみ-1グランプリで大いにお笑いの日を盛り上げたラヴィット!。今年は芸人2人が漫才開始時にお互い相方を知った状態で漫才をする、「出会い頭-1グランプリ」を開催。しかし、この大会は初視聴だったが、煽りVで感じられた本来の面白さは、奇人ボケ芸人達のやりたい放題によって失われた印象。でも、生放送らしい別ベクトルの面白さはあった。ただ、それが一番感じられたのは、濱家がドッキリ的に急遽やらされた爆笑問題太田との漫才中とやらされることが決まった瞬間だったことは否めないが。
最強スポーツ男子決定戦
お笑い番組でないのになんでコラボするのかという意見や休憩タイムとも目されていた企画。正直あの番組の流れでやることになったんだろうなとは容易に連想出来た。第一競技で勝っちゃうみちお、その後氷水に落ちるみちおと第二競技のアタックの熱戦が面白かった。後は安村(山内)のどう考えても無理な安心ポーズでの即負け。
ザ・ベストワン
これまでのガチネタ披露からコラボネタ披露に変更。MCとしてKOC直前に頑張ったかまいたち×水田×山添、ジョンソンの悪い部分が存分にでたニューヨーク×見取り図盛山、しっかり形にしてきたナイツ×ウエストランド、往年のゲームセンターネタでラストに鶴瓶を巻き込んだダチョウ倶楽部×ミキ。まぁ昨年までのコラボネタ企画としてやるのでも良かったはずなのに、ベストワンのタイトルを冠してやったのは鶴瓶と今田を入れて豪華さを出したかったんでしょうね。
ラスト10分は濱家が可哀想な企画過ぎた。スタッフに恨まれでもあんのか?
第一部総括
昨年までのお笑いの日前半とは異なる流れの
番組と化していた印象。正直同じ企画でMCダウンタウンだった場合、より面白くはなったかもしれないが、それでも昨年までの方が分かりやすく面白かっただろうとは思う。良くも悪くもネタが軸過ぎる構成を見直し、わちゃわちゃバラエティをやりたかったのだろうが、生放送で形にするのは難しいと改めて。ちなみに、X(Twitter)で「ジョンソンのスタッフが作ってんのかってぐらい面白くない」という意見もあったが、テレビ番組表を確認すると分かるのだが、今回のお笑いの日第一部の主要スタッフはジョンソンのスタッフです。もう多くは書きませんが、ジョンソンがダメだった理由の深淵を覗きたい方はお笑いの日第一部を見たら全てが分かります。マジで悔しい。
キングオブコント
30分拡大したことで全体的な進行に余裕が出来て良かったと思う。また、感想noteにも書いたが、浜ちゃんが会場の空気をなんとかしようとするのは理解出来るのだが、審査コメントは全員にきっちり聞いた上でボケて欲しいかな。しかもそれを何回も何回もやっててさすがに。
それに対してヤフコメで時間調整のためにやってるみたいな意見あったけど、時間調整したいならまだ聞いていない人に聞けばエエやん。ダウンタウン自体は悪くないけどなんでもかんでもダウンタウンの言動にイエスしか言わない人間がダウンタウンの評価を下げている可能性を考慮して欲しい。まぁ考慮してたらノーも言えるか。
審査員考察
例年は各審査員ごとの考察と相関係数を紹介していたが、今年はそれ以外にも冬季五輪式採点と続投審査員採点の結果も記させていただく。
各審査員採点考察
まずは、毎年恒例の各審査員採点の考察から。
※カッコ内は実際の順位。
飯塚悟志
ファーストステージ
1 ファイヤーサンダー 98点(1位)
2 シティホテル3号室 97点(5位)
3 ロングコートダディ 96点(2位タイ)
4 ラブレターズ 95点(2位タイ)
4 cacao 95点(7位タイ)
6 ダンビラムーチョ 93点(6位)
6 コットン 93点(9位)
8 や団 92点(4位)
8 ニッポンの社長 92点(7位タイ)
10 隣人 91点(10位)
ファイナルステージ
1 ファイヤーサンダー 94点(3位)
2 ラブレターズ 93点(1位)
3 ロングコートダディ 92点(2位)
二本合計
1 ファイヤーサンダー 192点(3位)
2 ロングコートダディ 188点(2位)
2 ラブレターズ 188点(1位)
ファースト点差 7点
キングオブコント優勝から15年、今大会はついに審査委員長の席に座ることに。今回の5名の中で唯一自身の上位3組評価に異なる点数をつけ、点差も最大となる7点。自身の好みの面で賛否両論となっているものの、長としての覚悟が感じられる審査だった。ファーストでは、ファイサンを最高評価しシティホテルも高評価。cacaoやコットンも高評価気味だった中で、過去2年高評価のや団と昨年高評価のニッ社が低評価。ファイナルはファイサン最高評価のロコディ最低評価。二本合計ではファイサンを圧倒的に評価していた。
小峠英二
ファーストステージ
1 ラブレターズ 96点(2位タイ)
1 や団 96点(4位)
1 ニッポンの社長 96点(7位タイ)
4 シティホテル3号室 95点(5位)
4 cacao 95点(7位タイ)
6 ファイヤーサンダー 94点(1位)
6 ロングコートダディ 94点(2位タイ)
8 ダンビラムーチョ 93点(6位)
8 コットン 93点(9位)
10 隣人 92点(10位)
ファイナルステージ
1 ファイヤーサンダー 95点(3位)
2 ラブレターズ 94点(1位)
3 ロングコートダディ 93点(2位)
二本合計
1 ラブレターズ 190点(1位)
2 ファイヤーサンダー 189点(3位)
3 ロングコートダディ 187点(2位)
ファースト点差 4点
ファーストでは飯塚とは真逆でや団とニッ社を最高評価。ラブレターズも最高評価。飯塚同様、シティホテルとcacaoも高評価気味。その一方でダンビラは低評価気味で、ファイサンロコディは明らかに低評価だった。ファイナルは逆に飯塚同様ファイサン最高評価でロコディ最低評価。二本合計ではラブレターズを最高評価した形に。またファースト点差4点は小峠史上最小。
秋山竜次
ファーストステージ
1 や団 96点(4位)
2 ダンビラムーチョ 95点(6位)
2 ニッポンの社長 95点(7位タイ)
4 ファイヤーサンダー 94点(1位)
4 ロングコートダディ 94点(2位タイ)
4 ラブレターズ 94点(2位タイ)
4 シティホテル3号室 94点(5位)
8 cacao 93点(7位タイ)
8 コットン 93点(9位)
10 隣人 92点(10位)
ファイナルステージ
1 ロングコートダディ 96点(2位)
2 ラブレターズ 95点(1位)
3 ファイヤーサンダー 93点(3位)
二本合計
1 ロングコートダディ 190点(2位)
2 ラブレターズ 189点(1位)
3 ファイヤーサンダー 187点(3位)
ファースト点差 4点
ファーストでの最高評価はや団。ダンビラ・ニッ社の馬鹿馬鹿しい系を高評価はイメージ通り。一方でファーストトップ3は全組94点で低評価気味だった。ファイナルでは飯塚小峠とは異なりロコディ最高評価のファイサン最低評価。二本合計ではファイナルの評価通りの評価となった。
山内健司
ファーストステージ
1 ファイヤーサンダー 95点(1位)
1 ロングコートダディ 95点(2位タイ)
1 ラブレターズ 95点(2位タイ)
4 や団 94点(4位)
4 ダンビラムーチョ 94点(6位)
6 ニッポンの社長 93点(7位タイ)
7 シティホテル3号室 92点(5位)
8 cacao 91点(7位タイ)
8 コットン 91点(9位)
8 隣人 91点(10位)
ファイナルステージ
1 ラブレターズ 96点(1位)
2 ロングコートダディ 95点(2位)
3 ファイヤーサンダー 94点(3位)
二本合計
1 ラブレターズ 191点(1位)
2 ロングコートダディ 190点(2位)
3 ファイヤーサンダー 189点(3位)
ファースト点差 4点
ファーストはトップ3の3組を最高評価。基本的には順位通りの審査だったが、強いて言うならダンビラ高評価気味のシティホテル・cacao低評価気味だった。ファイナルは唯一のラブレターズ最高評価で、最低評価はファイサン。二本合計は秋山同様ファイナルの評価通りの評価となった。
じろう
ファーストステージ
1 ロングコートダディ 96点(2位タイ)
1 や団 96点(4位)
3 ファイヤーサンダー 95点(1位)
3 ラブレターズ 95点(2位タイ)
5 ダンビラムーチョ 94点(6位)
5 cacao 94点(7位タイ)
7 シティホテル3号室 93点(5位)
8 ニッポンの社長 92点(7位タイ)
8 隣人 92点(10位)
10 コットン 91点(9位)
ファイナルステージ
1 ロングコートダディ 95点(2位)
2 ラブレターズ 94点(1位)
3 ファイヤーサンダー 93点(3位)
二本合計
1 ロングコートダディ 191点(2位)
2 ラブレターズ 189点(1位)
3 ファイヤーサンダー 188点(3位)
ファースト点差 5点
優勝から10年、ついに審査員に就任。ファーストではロコディ・や団を最高評価。ファイサン・ラブレターズは3位タイ。中位ではダンビラ・cacao高評価気味のシティホテル・ニッ社低評価気味だった。隣人を唯一最低評価はせず、コットンを最低評価。ファイナルは秋山同様ロコディ最高評価のファイサン最低評価。二本合計も同様だった。
各審査員採点総括
まずは、各審査員の好みというか個性が浮き彫りとなった採点という印象。興味深い結果もたくさん存在した。
ちなみに、ファイナルステージと二本合計の割れ方は
ファイナルステージ
ラブレターズ→山内
ロコディ→秋山・じろう
ファイサン→飯塚・小峠
二本合計
ラブレターズ→小峠・山内
ロコディ→秋山・じろう
ファイサン→飯塚
となっていた。M-1方式の場合では、ロコディとファイサンが二票づつ入っている。この場合ファーストの点差が高いファイサンの優勝となる。二本合計の場合は、ラブレターズとロコディが二票づつ。唯一ファイサンの飯塚は2組の二本合計が同点なので、どのように評価するかで優勝者は変わる。
今年のキングオブコントはルールが違えば誰がキングが違うかった可能性があるぐらいの大接戦だった。しかも3組全部に優勝の可能性があるパターンは史上初。
ただ、二本合計点数で争われるキングオブコントのルールでは、3組の中で単独の最低評価をファーストの飯塚からしか貰わなかったラブレターズに分があったということ。つまり、大きく嫌われることなくまんべんなく高評価を得たことがラブレターズ優勝の要因と言えるだろう。
冬季五輪式採点
まず、冬季五輪式採点というのは、審査員がつけた点数のうち、最高点と最低点を除くという採点方法のこと。
過去のKOCの冬季五輪式採点noteもありますので気になった方はこちらも是非。
ただ、この冬季五輪式採点のデメリットは、KOCの場合審査員は5名なのでこの場合は3名の採点しか反映されなくなってしまうこと、さらにそもそも点数の幅や基準点が異なる人が存在する場合、その人の点数ばかりが省かれることなどが存在する。後者に関しての具体的な事例はR-1 2022,2023のバカリズムが当てはまる。
ということで、説明はこのぐらいにして、早速採点結果を書いていこう。
※カッコ内は500点満点換算での点数と実際順位。
ファーストステージ
1 や団 286点(477点)(4位)
2 ロングコートダディ 285点(475点)(2位タイ)
3 ラブレターズ 285点(475点)(2位タイ)
4 ファイヤーサンダー 284点(473点)(1位)
5 シティホテル3号室 282点(470点)(5位)
6 cacao 282点(470点)(7位タイ)
7 ダンビラムーチョ 281点(468点)(6位)
8 ニッポンの社長 280点(467点)(8位)
9 コットン 277点(462点)(9位)
10 隣人 275点(458点)(10位)
ファイナルステージ
1 ラブレターズ 283点(472点)(1位)
2 ロングコートダディ 283点(472点)(2位)
3 ファイヤーサンダー 281点(468点)(3位)
二本合計
1 ラブレターズ 568点(947点)(1位)
1 ロングコートダディ 568点(947点)(2位)
3 ファイヤーサンダー 565点(942点)(3位)
※同点の場合はより多くの審査員が高い点をつけた組が上位扱いとなっています。
はい。なるほど。特筆すべきはファーストステージ。実際4位のや団が1位で実際1位のファイサンが4位に。これに関しては飯塚の評価が実際の結果に大きな影響をもたらしたことが浮き彫りになるが、大事なのは、冬季五輪式採点1位の組が3位以内に入っていない、実際1位の組が冬季五輪式採点上位3位以内に入っていないのは両方とも冬季五輪式採点史上初であるということ。この結果から1点の重みが段違いとなっていることが伺える。その他の順位はcacaoとダンビラが入れ替わる形に。cacaoの上昇は山内低評価が要因だろう。ファイナルは順位通り。二本合計ではラブレターズとロコディが完全なる同点となった。
続投審査員採点
まず、続投審査員採点というのは、昨年から続投した審査員4名(飯塚・小峠・秋山・山内)の採点を表す。
この採点を調査する理由としては、今回の審査では、松ちゃんがいればという意見も見受けられるが、じろうがいなければどのように変化していたかという観点を調査することでじろうが審査員を務めてくれたことのありがたみを再認識する、2021~2023の3年間と同条件で調査出来るため過去の審査との比較を行うことが出来る点が挙げられる。
というわけで、採点結果はこちら。
※カッコ内は500点満点換算での点数と実際順位。
ファーストステージ
1 ファイヤーサンダー 381点(476点)(1位)
2 ラブレターズ 380点(475点)(2位タイ)
3 ロングコートダディ 379点(474点)(2位タイ)
4 や団 378点(473点)(4位)
5 シティホテル3号室 378点(473点)(5位)
6 ニッポンの社長 376点(470点)(7位タイ)
7 ダンビラムーチョ 375点(469点)(6位)
8 cacao 374点(468点)(7位タイ)
9 コットン 370点(463点)(9位)
10 隣人 366点(458点)(10位)
ファイナルステージ
1 ラブレターズ 378点(473点)(1位)
2 ロングコートダディ 376点(470点)(2位)
2 ファイヤーサンダー 376点(470点)(3位)
二本合計
1 ラブレターズ 758点(948点)(1位)
2 ファイヤーサンダー 757点(947点)(3位)
3 ロングコートダディ 756点(944点)(2位)
ファーストでは、順位はラブレターズが単独2位になり、ニッ社とダンビラが入れ替わった。点数は3点以上の増減は無し。ファイナルではロコディとファイサンが同率2位に。二本合計ではファイサンとロコディの順位が入れ替わった。
この結果から、じろうはロコディを高く評価していたことが改めて認識出来る。
また、続投審査員のみの場合でもファースト上位3組は変わらず。これは4人が初審査員を務めた2021年以来の出来事である。ちなみに、2022年はコットン→ネルソンズ、2023年はニッ社→ファイサンという形に変更となっている。(コットンは2位タイ→4位でネルソンズは4位→3位)
相関係数
最後はこちらも毎年恒例の相関係数調査。
まずは、個人的採点と各審査員との相関係数。今年は絶対評価採点と相対評価採点の2パターンでの相関係数を調査した。では、結果はこちら。
絶対評価採点
飯塚 0.521
小峠 0.529
秋山 0.440
山内 0.362
じろう 0.563
相対評価採点
飯塚 0.509
小峠 0.589
秋山 0.454
山内 0.528
じろう 0.529
絶対評価採点で一番近かったのはじろう。続投審査員内では小峠で、一番遠かったのは2年連続で山内。ただ、過去3年よりも相関係数の値が低下している。
相対評価採点では小峠と一番近く、秋山と一番遠かった。絶対評価では一番遠かった山内は限りなく2位に近い3位に。
また、審査員同士の相関係数は
飯塚小峠 0.246
飯塚秋山 -0.188
飯塚山内 0.167
飯塚じろう 0.318
小峠秋山 0.281
小峠山内 0.174
小峠じろう 0.266
秋山山内 0.620
秋山じろう 0.537
山内じろう 0.694
トップ3は山内じろう、秋山山内、秋山じろう。見事に吉本ライン3通りが相関係数のトップ3を占めた。ワーストは飯塚秋山。また、この組み合わせはKOC相関係数10年目にして史上初の相関係数マイナスを記録した。
ここまでのまとめ
今回のnoteでは、様々な指標を用いて審査員の考察を行った。今回の審査に対して様々な意見があるが、それに対する自分の考えや来年以降のKOCへの提案などを書くと、あまりにも長いnoteになるので、そちらは追記②で述べます。皆さん、そちらも是非ご覧ください。