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M-1グランプリ2024感想
令和ロマンの優勝及び大会史上初の連覇で幕を閉じたM-1グランプリ2024。今回のnoteでは、そんなM-1グランプリ2024の決勝戦及び敗者復活戦の感想を述べていこうと思う。
敗者復活戦
カオスに入り乱れていた昨年と比べると、盛り上がりは大人しかった印象。最初の3組はもっと後ならばまだ良かったかもしれないけど、準決勝順位を考慮した上での順番だから仕方ない。金魚番長とインディアンスはメインのコントインスタイルではないスタイル戦ったのが効を奏したように見えた。ブロック勝ち抜き組以外では、馬鹿馬鹿しさに振り切ったダンビラムーチョ、男性ブランコ、スタミナパンが面白かった。後滝音とオズワルドもいつも通り面白かった。
3組全てに票が入り、決戦投票の末、敗者復活枠を勝ち取ったのはマユリカ!正直個人的には明確にハネたポイントがなかったのでそこまで刺さらなかった。
オープニング
20年間の名場面が一挙に流れ、その間に歴代ファイナリストの直筆の思いが挟まる熱い演出。川島と吉田の言葉は面白かったし、粗品の「年上を全員ぶっ潰せた夢の舞台」はあの立場でぶち抜いて勝った霜降りだからこそ言える言葉で熱かった。そしてラストは紳助の直筆メッセージ!賛否両論あるのも頷けるが、個人的には創設者としてコメントを残しただけなのでまぁ良いでしょうと思った。
CMを挟んで予選の煽りVへ。モグライダー敗退をとりあげてた。今年の俺おもはトム・ブラウンの漫才中の後ろ姿!コンビは史上初。なんか良かった。
審査員紹介は礼二と大吉が笑いを挟んだところに経験者の余裕を感じられた。こういう人がいてくれると緊張感が緩和されるのでありがたい。
ファーストラウンド
※横は個人的な採点。カッコ内は88~97点の場合での個人的な採点。
① 令和ロマン 95点(97点)
2年連続2回目の決勝進出。
まさかの2年連続トップバッター。終わらせましょうで掴んでウケも取りつつ丁寧な導入から、子供を渡邉(渡邊?)という名字にしたいという設定がまず面白い。学校あるあるで共感の笑いも取るし、保護者会で漫才したいの流れで熱量あるしゃべくりまで見せてくれる。和田をきっちり回収するオチも含め、トップで完全に場を掴む漫才を披露したのは流石王者。
(後、名前をりんたろうにすることで同じ渡邉がいてもより後ろになるようにしている細かさも良かった。)
② ヤーレンズ 93点(93点)
2年連続2回目の決勝進出。
こちらは始めましょうで掴む。今年もテンポが良く一つ一つが面白い。個人的には立ってるお米に座れ新米のくせにのところがめっちゃ好き。しょんぼりする下りがもう少し爆発していれば点も更に伸びたのでは。審査員は中盤以降の伸び悩みを指摘していたが、正直昨年の1本目も終盤伸び悩んでたし、それは去年のハードルやこちら側が見慣れたという部分が大きいと感じた。
③ 真空ジェシカ 94点(95点)
4年連続4回目の決勝進出。
権利のない川北の終わらせましょうで掴む。トングを使わない2人、薬指を横から立てる、Tver、個人経営のチェーン店など、例年同様いや、例年以上にセンスを感じられる下りが満載。それなのに今年の都知事選、出口が近そうだ、仮想中華と終盤更にもう一段階面白くなるのがえげつない。これで最終決戦にいけないならもうダメだと思うほど面白かった。
④ 敗者復活組 91点(90点)
敗者復活戦を勝ち上がったのは、2年連続2回目の決勝進出のマユリカ。
キモーニングセットを軸に一定レベルのウケは取っていたが、一定のレベルで賞レースにチューニングしてらしさは出てなかったかも。それが下げところに思われ点も伸び悩んだと思われる。若林の言うように、綺麗に積み上がったものを最後ぶっ壊すぐらいまで行く方が高得点を取れる可能性は出てきそう。ただ、昨年と同じくらいには十分面白かった。
⑤ ダイタク 92点(91点)
決勝初進出。
お馴染みの伝家の宝刀で掴む。双子要素を存分に活かしたヒーローインタビュー。漫才の上手さは卓越しており何分でも見れる安定感はあったものの、逆に言うと畳み掛けだったり爆発ポイントだったりはなかったかなという印象を受けた。中盤以降、締めの一言で余計なことを言う流れからの「言うな」ツッコミは、親父のボーリングネタが大好きな自分には結構刺さった。
⑥ ジョックロック 92点(92点)
決勝初進出。
1ボケ目のマイナンバーカードはめちゃくちゃ面白かった。序盤はその流れに乗って独自のスタイルがハマりそうな雰囲気はあったが、終盤に進むにつれて伸び悩んだ印象。あのスタイルをフリにする展開を終盤で作るか、それともテンポを縮めて畳み掛けるかということをすれば、もう少し点数が伸びたように感じる。しかし、それをすることは早く飽きられるリスクもあるからなぁ。
⑦ バッテリィズ 95点(96点)
決勝初進出。
名前書いたら受かる高校に名前書き忘れて落ちたというアホを伝える掴みが上手くいったことで、エースのキャラが受け入れられたのが大きい。ライト兄弟への守備下手そう、ガリレオやガガーリンへの細そうすぎるなどアホ独自の角度から放たれる偏見や、全部聞こえてたのにー!などのパワーワードもバチバチにハマってたし面白かった。賢さを武器にする令和真空と真逆の属性だったのも追い風になったと思われる。
⑧ ママタルト 88点(88点)
決勝初進出。
せりあがってくる時が笑いのピークだった。何度も転がったり、髪を痛めつけたりと肥満は身を削ったが、費用対効果は良くはなかったかな。礼二の言うように檜原のツッコミが目立ちすぎているのは気になるポイント。ライブシーンではそれでも良いかもしれないが、M-1を勝ち抜くにはもう少しボケを立たせた方が効果的だと思った。後、決勝で本家のまーちゃんごめんねが見れて満足。
⑨ エバース 94点(94点)
決勝初進出。
流石に末締めだろで一気にエバースの空気に。舌打ちからの都市開発か…や好きな男を待ってる女くらい顔見たら分かるわ!が男らしさを見せたがりな町田らしさ全開で面白かった。なんで飲食店縦なんだよという設定ボケや、女町田みたいな奴がいるかもしれないという話の展開も、非常に自分が好きなタイプのエバースっぽさが出てたし、評価されて嬉しい。
⑩ トム・ブラウン 93点(92点)
6年ぶり2回目の決勝進出。
6年越しに掴みでウケただけで嬉しい。みちおの挨拶から並々ならぬ気合いを感じられた。設定からは想像もつかない方向性へ展開していくその馬鹿馬鹿しさがツボに入りまくってめちゃくちゃ笑った。1発目で死んでるのに銃2発打つのとかもう耐えられない。しかし、昨年の敗者復活戦ほど会場との一体感を築けてはいなかったし、終盤みちおのスタミナ切れが笑いにならないレベルだったのが惜しい。
最終決戦
① 真空ジェシカ 94点(94点)
最終決戦初進出。
代名詞?のともはるさーん!で掴む。ピアノがでかくなっていくアンジェラ・アキのライブというとんでも設定からやりたい放題やってるのにきっちり面白く出来るのがすごい。静かすぎて隣の長渕がうっすら聞こえるのところは今大会で一番面白かった。このネタやる俺たちカッケーじゃなくて本気で面白いと思うネタで後悔なく優勝しに来たように感じられたのが嬉しかった。
② 令和ロマン 94点(95点)
2年連続2回目の最終決戦進出。
コントイン前に素早く掴んで空気を制圧。コントイン後は、序盤こそ低調だったものの、いきなり銃で打つところやギリギリまで報告しない家来で手堅くウケ、2.5次元過ぎる敵役が現れてからの熊猿ケムリ覚醒、くるまが歌い出す展開は理想的な爆発。2連覇を狙う最終決戦に披露するネタとしては完璧に近いネタで面白かった。この勝負強さこそが令和ロマンの強みだと再確認。
③ バッテリィズ 93点(93点)
最終決戦初進出。
世界遺産という題材でもエースのアホさは健在。なんで知らん人の墓参りいかなアカンねん!やおじいちゃんもおもちゃいっぱい買ってくれたから偉いやろ!が面白かった。しかし最後の大仙公園の下りで、公園で喜ぶエースとお墓であることを隠したい寺家のやり取りが、令和ロマンほど会場を沸かせられなかったのが勝負の分かれ目。1本目と比べられた上でのハードルを超えてはなかった。
個人的な順位
ファーストラウンド
1 令和ロマン
2 バッテリィズ
3 真空ジェシカ
4 エバース
5 ヤーレンズ
6 トム・ブラウン
7 ジョックロック
8 ダイタク
9 マユリカ
10 ママタルト
最終決戦
1 令和ロマン
2 真空ジェシカ
3 バッテリィズ
総合
1 令和ロマン
2 真空ジェシカ
3 バッテリィズ
ファーストラウンドはダイタク8位!?自分で評価したことを言うのはあれだけど、今年はレベル高かったと胸を張って言えます。
総合でもバッテリィズが3位なのは、個人的に真空ジェシカの2本目が刺さったことが原因。別にバッテリィズの2本目も全然悪くなかった。
総括
面白かった!めっちゃ面白かった!とにかく面白かった!これに尽きる。
M-1グランプリ2024決勝戦!最高のネタ、最高の審査員、最高の展開!いつだってM-1には夢があることを証明してくれる大会でした!10年20年経ってくるまと粗品が審査員になるまでは絶対に続いて欲しい!
決勝戦直後の下書き投稿。改めてM-1が夢のある大会で良かった。
大幅に変更された審査員も素晴らしい審査。それぞれの点数やコメントは、独自性がありつつも大衆も納得させる絶妙なバランス。この9名で来年以降もお願いしたいぐらい良かった。(富澤が帰ってくるなら今回の9名+富澤の10名が良さげ)それはそれとして、絶対将来粗品とくるまの審査員は見たいけどな!
ファーストラウンドの順番も完璧。令和ロマンヤーレンズと続いた時はおいおいとなったが、その後ここまで来たら的に真空ジェシカが出て、一回落ち着きたいタイミングで敗者復活組、地味にダイタクとジョックロックも逆よりかはこの順番が正解だし、そろそろ爆発を欲するタイミングでバッテリィズで爆発し、爆発直後のママタルト、9番手エバースが大健闘も真空ジェシカに届かず、トリはラストイヤーのトム・ブラウンとこれ以上ない順番で震えた。パリ五輪メダリストの皆さん、ありがとうございました。
後はエバースが真空に負けた時に、5年前(2019)は和牛が落ちることがドラマになった印象だったが、今年は真空が残ることがドラマになったように感じた。4度目の決勝で3位になった真空は、同じく4度目の決勝で3位になったKOCニッ社のように、5年連続の決勝進出をして欲しい。
余談ですが、令和ロマンの朝の生放送王者行脚が凄まじい。伊藤の含有量によって大野が前になる可能性あるとかイチローの下りとか決勝戦でやってない下りが増えてるし、番組の出演者に合わせた展開を作ってるのは脱帽。特にめざましテレビでの漫才はえげつなかった。
10回目とは異なり今回の成功を踏まえて来年21回目のM-1が開催されることを願います。そして、30回50回100回続く大会になって欲しい。
最後に