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ラジオになぜこんなにハマってしまうのだろう

今日もラジオが私に話しかけてきた。いつもの通勤電車で笑い声が耳から聞こえてくる。
私がイヤホンを外せないのはこの声があまりにも魅力的だからだ。

ラジオのZ世代の人気は2020年のコロナ渦をきっかけにラジオを聴く人が増加傾向にある。radikoの登場でいつでもどこでもスマートフォンでラジオが聴けることが要因のひとつではないだろうか。

毎週話せる友達

そもそも私がラジオを聴くきっかけになったのは、2017年から2022年にかけて放送されていた「菅田将暉のオールナイトニッポン」である。
サボり癖のある私はテスト勉強を夜中から朝方にかけて一夜漬けで挑むという生活だった。この日もいつも通り25時頃から勉強を始めていたのだが、無音が妙に寂しくなりYouTubeでBGMを流すが集中できない。カフェのように人の声があると集中できると思いradikoをタップして再生ボタンを押した。このときの衝撃を今でも鮮明に思い出せる。

聞こえてくる声は、私が大ハマりしたドラマ「3年A組 -今から皆さんは、人質です-」で何度も聞いた声だった。
聞き始めるとトークの内容、リスナーとの掛け合いがまるで友達と深夜に中身のない話をしている時のような気分になった。

学校や職場では決して出会えない、一方的にこちらに語りかけてくる面白い話をしてくれる友達。勝手ながら私はパーソナリティをそう呼んでいる。

ラジオでのトークは楽しかったこと、悲しかったこと、ムカついことを話してくれる。そこにパーソナリティのリアルな感情をリスナーが追体験でき、一緒にその場にいたように感じられる。
また、修学旅行の夜を思い出して欲しい。普段はあまりしないような話をしてしまう不思議な空気があの空間には流れている。そんな空気がラジオにも流れており聴いているみんなで秘密の共有をしているような感覚になる。
撮影の裏話を聴いたりしたら「これは内緒な」と言われた気がしてしまう。

やる気スイッチOFF

深夜にテスト勉強や作業をしていると無性にラジオを聞きたくなる。
効率は悪くなるのだが心地が良い。特に二人で話しているラジオは盗み聞きをしている気分になる。
話のトーンに気だるさがありこちらも力を入れずに聞くことができるのだ。

「オードリーのオールナイトニッポン」は深夜に一人でファミレスに行って隣の席から聞こえるおもしろい二人組の会話を聞いているようだ。
大きな出来事を切れ味のいいナイフのようにスパスパっと切ってしまう「すべらない話」のようなものではなく。小さい出来事をハサミでゆっくりとチョキチョキ小刻みに切っていくそしてパーソナリティもリスナーも思ってもいないような方向に刃が進んでいき最終的に唯一無二の型が出来上がる。
毎週それが楽しみでしかたないのだ。若林さんが話の流れの中で気になったところを深掘りする嗅覚が抜群に良くこちら側も「あれ、これは確かに気になるぞ」となって聞いてしまう。放送を聞き終わると毎週「今週もおもしろかったな」となんとも味気のない感想をしかし最高級の賞賛の言葉を毎度のごとく言ってしまう。

積立radio

近年よく耳にする「積立nisa」というのがある。ラジオも同じで「積立radio
」があると私は思う。初回の放送ではそこまでおもしろい展開になることはあまりなくある意味型通りだと感じる。しかし10回、20回、30回とやればやるほどスタイルが確立されていきパーソナリティの良さが染み出すような気がする。

それはリスナー側も同じで「はがき職人」と呼ばれる方はコーナーメールのスタイルを確立させるのに奮闘する。そして、スタイルが決まると一気にネタメールの質が変わってくる。番組によっては番組の色を決めてしまうかもしれない。これほどまでに受け手側が番組に関与できるのもまたラジオの魅力だと思う。

そしてみんなで作り上げたラジオが続いていけばいつの間にか「歴史」ができるようになる。これはラジオでは非常に大事なもので振り返ると自分の成長とラジオの成長を重ねてしまう。
先日行われた「オードリーのオールナイトニッポンin東京ドーム」のようなイベントは15年という月日があったからこそあそこまでの感動が生まれたのだと思う。

終わりに

最後に私は中学3年生のあの日にあのラジオを聞いていなかったとしたら朝支度、通勤、入浴、就寝前はなにをしているのだろうか。
あなたもきっとラジオを聴いてしまえばここから抜け出せなくなり沼にハマってしまうだろう。



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