月のあかり。
この試合を観た後に、青木選手の準決勝の相手が決まりました。
佐藤光留選手です。
僕にとっては、佐藤光留選手は『パンクラス』のイメージが強かったのです。
ジョシュ・バーネット選手や鈴木みのる選手に対戦要望したりした時は燃えた。
言い方悪いですが(この選手はプロレスわかってる!)と思いました。
で、DDTプロレスさんに参戦したりで、ハードヒットです。
正直当時は(今更UWF?)って思いもありました。
でも、しっかりとハードヒットのお客さんを作られた。
僕も欠かさずニコ生などで見ています。
鈴木秀樹選手もハードヒットのリングに上られてる。
そこには何かがあるのでしょう。
華やかさではなく、地道に己の道を歩む。
毎日のように色んなリングに上がる。
女子選手との試合も関係ない。
そこに『佐藤光留』の美学があると思います。
LIDETUWFができた時は、田村潔司選手にもケンカを売っていた。
それが僕には本当に嬉しかったのです。
現在進行形の『UWF』
佐藤光留選手には誇りがあるのでしょう。
だが、佐藤光留選手というか『ハードヒット』や田村潔司選手は月の人なんですよ。
夜になって、その灯りで救われる人もいる。
華やかさではないが、無いと意味のないモノになる。
『プロレス』という形式が眩しい太陽なら『UWF』や『ハードヒット』は月なのです。
その月の灯りに救われるファンも多いはずなのです。
この当時の週刊プロレスの表紙にどれだけ救われたか。
新日本プロレスvsUインターの対抗戦に背を向けて、K1のリングでバーリトゥード・ルールに挑戦する田村潔司選手。
僕の田村潔司選手への想いは半端じゃなかったのです。
青木真也選手も『月』の人です。
勝手に思っています。
華やかなリングやケージで闘われていますが、青木選手の試合は哀愁・情念がある。
僕達に生きるうえでの影響を与えてくれているのです。
月の灯りとして。
真っ暗闇中で灯される。
そこに僕は救われている。
その二選手が対戦。
『月』と『月』が、重なり合う。
決まった時は、感触深いモノがありました。
その時は、四月の勤務シフトも決まっていなかったのですが、無事にお休みをいただけました。
チケット購入。
この日の為に働いた。
試合数日前、青木選手がノートを更新されました。
感情が爆発する。
これを読んで(見たい!)と思われた方も多いはず。
僕も読んで、引き込まれましたから。
格闘技選手としてデビューされた二人が、UWFルールで闘われる。
一寸先はハプニング。
こちらでも書かせていただきましたが、すべては『プロレス』なのです。
UWFであろうとプロレスです。
だからこそ、感情を揺さぶってほしいのです。
さて、話が飛びますが、那須川天心選手のボクシングデビュー戦の時にGLEAT所属のエル・リンダマン選手がツイートされていた。
すごくガッカリしたのです。
伝えたい気持ちがあるんでしょうが、こんなの書かなくって良い。
劣等感丸出しです。
僕達は『プロレス』に救われているんだ。だから観戦に行くんだ。
堂々としてほしいんです『プロレスラー』の皆さんには。
ボクシングにおもしろさを感じない僕には、そう思ったのです。
何度でも書きます。
堂々としていれば良いんだ。
10日の朝から11日の朝まで24時間勤務でした。
また夕方から緊急オペが始まって、搬送の繰り返し。落ち着いたのが早朝の5時過ぎだった。
9時に勤務が終わり、急いで身支度の準備。
10時30分のバスに乗って淡路島から新神戸・東京に向かおうとしたら・・・。
ダイヤ改正の為に、新神戸行きのバスが11時発になっている!
10時30分発のバスは三宮どまり。
痛恨のミス!
13時前の新幹線を予約しているから、遅れてはまずい。
三宮行きのバスに乗り、三宮から電車で新神戸へ。
そこからまた難題があった。
初めてスマートEXで予約したのだが、これをしてみたかった。
アップルウォッチで改札を通る。
52歳のオジィには難しい。
でも、きちんと紐付けはできたはずだ。
ドキドキしながら改札でアップルウォッチをかざす・・・。
ピッ!と、通れた!
一安心。
新幹線にも間に合い、席に座ってお食事。
新幹線の中は、インバウンドの方で本当にいっぱいだった。
日常が戻ってきてるんでしょう。
東京に到着。
疲れていたのでしょう。もう21過ぎには横になっていました。
爆睡。
12日、5時過ぎに目が覚めた。もうオジィちゃんです。
夕方、後楽園ホールへ。
今年 初ではなかろうか。
外は人でいっぱい。東京ドームではプロ野球があるからだ。
聖地はいつも輝いている。
第四試合。
佐藤光留選手の入場。
そして、バカサバイバーが鳴り響く!青木選手の入場だ!
もう動画見てください。
研ぎ澄まされた緊張感。
選手は動かない。
サムゴーばりの重い左ミドルの連打。
青木選手のノートを読んでいなくてはわからないアンクルホールドの攻防。
グランドコブラ(ツイスター)の攻防。
そして、サイドからの肩固め。
最初から最後まで、緊張感のある試合だった。
僕は思い出していたのは、パンクラスで最初で最後の船木誠勝選手vs鈴木みのる選手戦だった。
試合タイム・スタイルは違えど、緊張感の試合。
そして二人の『物語』
キーワードは、パンクラス。
『プロレス』だったパンクラスだ。
今はもう『プロレス』でも何でもない。
ここでパンクラス旗揚げ当時の鈴木みのる選手の言葉を。
「オレは『プロレスラー』ですよ。『パンクラス』は『プロレス』です。プロレスと言わなかったら誰もオレたちの試合みにきてくれませんよ!」
パンクラスの源流も、UWFであり『アントニオ猪木』であったのだから。
そういえば、青木選手は入場時 観客を見渡して、格闘技戦のルーティンをしてリングに上がったのだった。
それが、すべてではないのだろうか。
賭ける想いが伝わってきたのだった。
勝ち名乗りを受けた青木選手は最後は礼をして帰っていった。
佐藤選手は、担架に乗らずに引き上げていた。
そこに『プロ』を見た。
佐藤選手は負けたが、明らかに上がった。
ここからどう転がすのか。
青木選手がGLEAT・LIDET UWFでの一番の試合だった。
素晴らしかった。
この日の昼間には渋谷でシン・仮面ライダーを観てきました。
SNS上で賛否両論ある。
それがおもしろい。
ないものなんか、おもしろくもないんだから。
原作も読んでいたから(なるほどなぁ)って展開でした。
この映画を観た時に庵野秀明監督の言葉を思い出した。
シンは『新』でも『真』でも『芯』でなんでも良い。
読み手の問題です。
でも、造り手にすれば、そこに発信したい事がなければ意味が無い。
(ここだけは譲れない!)という強い信念です。
僕は、今回の試合でも それを思い出していた。
青木選手の言葉を借りるなら『思想・信念・主義・主張』である。
ユニバーサル・プロレス時代から追いかけてきた。
老害であろうと、僕はUWFは『格闘芸術』というよりは『プロレス』なのだ。
一歩踏み込んだ。
その先に『プロレス』の強さを信じたのだ。
格闘技に強いってだけではない。
造られたモノじゃなく、滲み出てくる。
感情を動かしてくれる。
競技では産み出されない。
それが『プロレス』なのだから。
だからこそ『プロレスラー』は誇ってほしいのだ。
何度も書く。
堂々としてください。
『月』と『月』の試合には感じるものがあった。
来て良かったと本当に思った。
観なきゃわからない。
伝えたいモノを感じたいから。
侵略者が救世主となるのか。
LIDET UWFの大いなる可能性を感じた日だった。
さぁ、優勝戦は青木選手が2022年の年末に素晴らしい試合をされた伊藤選手との再戦です。
青木真也選手にはベルトを巻いて欲しい。
また、応援に来よう。
シン・仮面ライダーでの一文字隼人の言葉。
「何がなんでもやってやるよ!」
期待しています。
夕方は曇り空だった空は、夜には少しだけ月の光が照らされていました。
それで良い。
僕は、また淡路島に帰ってからも頑張れる。
そう思ったのでした。
『私は決して朝型の人間にはならないだろう。月と私はとても愛し合っているから』(クリストファー・ポンデクスター)