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ワイドナショーでのとろみ自動販売機へのタレントの反応について

今日のワイドナショーで、飲料にとろみを付けれる自動販売機が紹介されていました。とろみというのは、普通のサラサラな飲料ではなく、いわゆるあんかけみたいな感じのことです。この番組では、誤嚥しやすい老人の方が安心して飲むことができるということで、医療現場だけではなく、サービスエリアなど、様々なところでこの自動販売機が採用されているということを紹介していました。それで、ダウンタウンの松本人志さんと石原良純さんが実際にその自動販売機でとろみのある飲料を飲んでいたんですが、その時の石原良純さんの顔をしかめたような反応がとても寂しく思いました。

おそらく、このとろみをつけることで飲みやすくなるということは、ほとんどの人は理解できないと思います。実際、番組に出演されていたタレントさんも、「とろみを付けることで飲みやすくなる人がいる」ということを知らなかったとおっしゃっていました。僕は8年前に甲状腺がんで入院した際、2ヶ月間、口からものを食べることができず、栄養分は点滴をして補給していました。不思議と栄養分を補給すれば、お腹が空くということはなかったのですが、やっぱり、早く食べ物や飲み物を口にしたいと思っていました。そんな僕がようやく主治医の先生から、食事をしてもよい、と言われた時は、いきなり普通の食事ができることはなく、まずは、ムース状の食べ物を食べなければいけません。これがまた、すこぶる不味い。やっと食べ物を口にできるようになったのに、この不味い食事を食べるのが苦痛で仕方なかったです。このムース状の食事期間を経て、ようやく重湯のような、液体状のものを食べることができます。でも、飲み込むことができないので、すべて、とろみ剤が入れられていました。とろみがないと飲み込めないのです。一度、どうしてもお茶が飲みたくて飲もうとしたところ、むせて飲めませんでした。これは、僕にとってかなりのショックでした。プリンなら食べれるかもと思って、看護師さんに内緒で病院のコンビニでプリンを買って食べようとしましたが、やはり、飲み込むことはできませんでした。そんな僕にとっては、例えそれがおみそ汁でも、とろみがあることで普通に口にすることができて、美味しく食べれるというのは、とても幸せなことでした。普通食事ができるようになった今でも、喉に障害がある僕は、おそらく、他の人より若い年齢で、このとろみ剤のお世話になると思います。

誤解を承知で言うならば、お年寄りというのは、障がい者と同じです。僕はまだ50代なので、お年寄りのことはわかりませんが、歳をとることで、身体の至るところに若い人にはわからない障害が出てくると思います。若い人は、お年寄りは、自分たちとは違うんだ、ということを理解しなければいけないと思います。僕の母親は認知症ですが、認知症も同じです。脳の障害だということを理解しなければいけません。50代の僕でも、老眼をはじめ、記憶力も悪くなるなど、若い頃にはなかった不自由なことが増えてきています。

番組では、ジェンダーレスの話題も出ていて、こういう時代にジェンダーのこともフラットに考えないと、みたいなことが言われていましたが、お年寄りや障害のある人に対しても、もっと理解を深める必要があると感じます。

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