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タイトル通りの、曖昧な日々を綴ったものをまとめています。
みずみずしいキュウリを縦に割り、細かく刻む。 あればネギ、大好きなみょうがも同様に。 そこにもずく酢と塩昆布を適当に入れる。終わり。 山形の「だし」をベースにした、「食べる和え衣」「食べるドレッシング」「飲むサラダ」といったところか。 数年前にその存在を知り、出来合いのものを購入したり、ドはまりして以来、さっぱりしたものが食べたいとき、不摂生が続いている時などに、その時あるもので適当にアレンジを加えて大量に作っている。 オーストラリアにいた時、テイクアウェイの店やス
自分が最も幸せを感じる1の事にたどり着くまでの、 99がすごく辛い。 滅多に来ないその1を追い求めなければ辛くはないのだけれど、 99をこなす速度を緩めれば 最大の喜びは二度と現れないかのごとく遠ざかる。 自分の手からなにかを作り出すことを選んだ者の宿命なのかもしれない。 でも、その苦しみに耐え続けるしかないなら、 私にはきっと、向いていない。 何度もそう思いながら、騙しだまし、 いつくるかわからない1を諦められないでいる。
ホットの飲み物が入ったカップであちち!となって、 異国で出会った青年を思い出す。 カフェで出された現地の甘いコーヒーに紙ナプキンを二枚巻き付けて、 どうぞと渡してきた年下の人。 コーヒーがこぼれたのかな?と不思議に思ったけど、 後になってこういう気づかいもあるのかと感心した。 普通のグラスで出されるあっつあつのコーヒー。 特に何があったという仲じゃなかったけど、 そうした何気ない優しさが 時間が経ってもほんのり心を温めてくれる。 元気にしているだろうか?
学生時代を振り返って、ふと思う。 あの頃はただ混乱して、行くあても帰る場所もなく、 やみくもに走っては傷つき、混沌とした毎日を送っていた。 短くはなくなってきた人生の時々で、 「戻れるとしたらどの時代に戻りたい?」 などと聞かれることが幾度かあったが、いつも答えは同じだった。 「人生で多分、今が一番幸せだと感じるから、どこにも戻りたくはない。」 少ないけれど友達もいるし、望んだ仕事にも就いた。 自分には到底できないであろうと思っていた、 誰かと暮らすという事
気ままな暮らしを始めて、もうすぐ二か月が経とうとしている。 いや、正確には、「さらに」と言った方がいいだろうか。 少しは稼がないとなぁとぽつぽつ仕事を始めてからは半月。 いまだ週の半分はブラブラしている。 話題の店に連れ立っていく友人もなく、 流行りの服で自分を飾り立てようという欲もなく、 繰り返し着るためのお気に入りの服を洗濯し、 眠くなれば朝夕構わず好きなだけ眠り、 たまの労働の後に安い居酒屋なんかで一杯飲めれば幸せという なんとも省エネな生活。 だか
その日私は、はしゃいでいた。 指定された、”カラフルな” しばらく着てなかったお気に入りのスカートを引っ張り出し、 自分の定番の黒のトップスと合わせた。 足元は買ったばかりのヒールの高いブーツ。 シンプルだけど地味すぎない自分らしいコーディネートだ。 長めのスカートの裾が、一歩踏み出す度ふわりと揺れるのが楽しくて、 待ち合わせ場所に向かう足も弾む。 そしてその足取りと比例するように、 いやそれより多めに、緊張していた。 到着後いくらかの言葉を交わした後に撮ら
就活をしていた。 基本的にもうずっと長い夏休みの最中のような私は、当然のように職もなく今いるところへ越してきた。 多少の情報は先にこの街に住んでいる友人から聞いていて、 とりあえず派遣会社に登録して、しばらく食いつなぐかなと思っていた。 身を寄せようと思っていた宛が外れたので、急遽この友人宅にお世話になることになった。 二つ返事で受け入れてくれたのは、高校の同級生だった。 二日目の昼食に二人で入った店で分かったのだが、彼と会うのは五年くらいぶりだったらしい。お互い
彼とは路上で知り合った。 ぼんやりした約束をして、結局現れなかった友人に待ち合わせ場所を去る旨を知らせようと携帯の画面を見つめていた時だった。 「あの、ちょっとすみません…」 顔を上げると、そこには品のいい紳士がいた。 紳士という言葉を使ったのは、文字通り礼儀をわきまえた大人の男、 若者ではないという事を強調したかったからだ。 これが今どきのガタイの良いお兄ちゃんだったら、深夜の路上で話など聞かなかっただろう。 趣味で写真を撮っているという彼の用件は、私に被写体
街中で何かを目にした時、香りを感じたとき、 誰かや何かを思い出したりする。 そういう時、私は自分の思考や妄想の世界に体ごと持っていかれるような感覚になる。 時々妄想が過ぎて、それが過去、現実に起こったこととして記憶してしまっていることもあって、以前は本当に現実との境がわからなくなって困ったりしたほどである。 大人になって公の場ではずいぶんコントロールできるようになったが、 久しぶりに頭の中の世界に強く引っ張られた。 化粧品屋の一角で、好みの香りを見つけて目を閉じて
人には話さなかったことを今書き留めよう。 ここ数年はめっきり減ったが、周りの人たちに比べて、 私はふと物思いや妄想にふけることが多かったように思う。 周りで起こっていることに気づかないくらい、 どっぷりと深い思考にのまれるように。 最近環境がガラリと変わった。 私は今無職である。 とりあえず登録だけしに行った派遣会社へ向かう道のりで、 後で立ち寄った化粧品屋で、久しぶりにそれは起こった。 いや、多分本当はそんなに久しぶりでもないように思う。 でも、書き残そ