ヤヌスワード:全く反対の2つの意味を持つどう考えても矛盾した言葉
言葉というのはとても不思議だ。時として全く合理的でないと感じる言葉もある。その1つが「ヤヌスワード」だ。
「ヤヌスワード」は、ローマ神話の神ヤヌスに由来している。ヤヌスは1月1日の神とされ、ヤヌスの像には,それぞれ反対側を向いた二つの顔があり、ヤヌスが過去と現在の両方を見ていることを表わしていた。英語の「January」の語源になっている。
全く相反する2つの顔を持つヤヌスと同じく、全く相反する意味を持つ言葉がこの地球には存在するのだ。
適当
まずは我々にとって馴染みの深い「適当」だ。「適当にやっておいて」と言われたときあなたもどのようにすべきか迷うのではないだろうか。私が学生のときにテストで「適当なものを選びなさい」と書かれていて、適当に選んで不合格になったことがある。辞書を開くと…
となっている。まさにヤヌスワードである。
他にも私達に馴染み深いのは、「結構」や、「やばい」といった言葉が挙げられるだろう。
overlook / oversight
次に英単語を見てみよう。まず、オーバールック(overlook)と言う言葉だ。この言葉には、「監視する」という意味がある。それとともにもう一つの意味がある。それが「見逃す」である! 全く反対の意味である。これでは用意に誤解を招いてしまうだろう。
安心してほしい、英語にはもう一つの言葉がある。それが、オーバーサイト(oversight)だ! oversightは、「見逃す」と言う意味がある。これでよかった、じゃあ見逃すのときは、oversightを使おう! しかし…
oversight のもう一つの意味は、「監視する」である! どうして同じややこしい単語を2つも作ってしまったのだろう! どちらかを「監視専用」「見逃し専用」にしないのだろうか?
サンクション sanction
サンクション sanction と言う言葉も興味深い。承認という意味を持ちながらもう一つの意味は制裁と言う意味を持つ。これは本当に困るだろう。承認を与えるのと制裁を与えるのでは、意味が全然違うのだから。受け入れてくれるのかと思ったら、捕まって罰を受けてしまうのかもしれないのだ!
慊焉
ここで私は今のあなたの気持ちを言い当ててみたいと思う。このNoteを読んであなたはきっと「慊焉」であるに違いない!
そんな、人の心なんてわかるわけ無いだろうと思うかもしれないが、私のこの予想は100パーセント当たっているはずである。
「慊焉」は「けんえん」と読む。りっしんべんに「兼ねる」と言う漢字、そして「終焉」の「焉」と言う字が続く。
意味を辞書で調べると……
「え? 嘘だろ?」って思うはずである。不満足な状態と満足している状態の両方を意味するなんて、どういうことだよ!でも結構便利かもしれない。あなたもわたしもみんな「慊焉」!
特に「慊」という字そのものが問題なんじゃないかという気がする。この字が「飽き足りる」と「飽き足らない」という2つの意味を持っているのだ。「焉」はそれにくっついているだけ、って感じだ。つまり、「慊」が悪の根源なんじゃないだろうか。
私も、ヤヌスワードの理解を深めて、今本当に「慊焉」な気持ちでいっぱいだ。
結論
ヤヌスワードは言葉の曖昧さを象徴する存在である。この曖昧さに戸惑うこともあるが、それが言葉の豊かさや奥深さを感じさせる。
もし読者が知っているヤヌスワードがあれば、ぜひ教えてほしい。言葉の表と裏を探る旅を、一緒に楽しみたいと思う。