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ダイスホスピタル - DiceHospital

 ダイスホスピタル(DiceHospital)は、Kickstarter発で2018年にAlley Cat Gamesから発売されたワーカープレイスメントなゲームです。

 記事の末尾に和訳ルールと付属のイベントカードの和訳シールへのご案内を記載しております。

どんなゲームか

 ダイスホスピタルでは、各プレイヤーがそれぞれ病院を運営している状態でゲームが進行します。各ラウンドのはじめに各病院に患者が担ぎ込まれるので、各プレイヤーは病院のスタッフや設備を駆使し、効率よく患者を治療し退院させることを目指します。患者を退院させればポイントが得られ、逆に患者を死亡させてしまうとポイントが失われます。

 ゲームは全8ラウンド、この8ラウンドでより多くのポイントを獲得したプレイヤーが勝利します。

どう患者を治療するのか

 各プレイヤーは同じ内容の個人ボードを持ちます。この個人ボードには患者を入院させる病棟、治療する施設である部門、死亡した患者の数に応じてトークンが置かれる霊安室、退院した患者を置く出口があります。この内、部門が各プレイヤーが実行できるアクションの選択肢になります。ダイスは患者を表していて、入院すると病棟に置きます。ダイスの値はそれぞれの患者の現在の容態を示されていて、7以上になると退院し、0以下になると死亡します。

 例えば、病棟にいる赤色の患者を治療したい場合、このクリティカルケアユニットという部門にワーカーである看護師を置くことで、この部門の効果である”赤の患者を1段階治療する”を発動させることにより、赤の患者の値を1段階あげます。なお、各ワーカーは各ラウンド1回しか使用できず、各部門も1度しか使用できません。

 治療した患者はこのラウンド治療済みであることを記録する為に下にずらします。それはなぜか。答えはこのラウンド中に治療を行わなかった患者は容態が悪化(値を1段階下げる)させなくてはならないからです。なかなかえげつない。

病院を発展させるには

 初期の状態では看護師が3人しかいないが為にアクションが3回しか打てず、また初期の部門は患者を退院させるにはあまりにも効果が弱いものばかりです。これを解消するのが病院の改善という要素です。簡単に言えば特殊能力付きワーカーと強効果の部門タイルです。これらは毎ラウンド決まった枚数が公開されており、各プレイヤーがどちらか必ず1つは獲得できます。

 写真の緑色のワーカーは "このワーカーで緑色の患者を1段階治療したならば、その患者と同じ値の他の患者を1段階治療する" といった内容です。赤色の部門の効果は"この部門にワーカーを置くと、同値の赤色の患者3人を1段階治療する"といった具合です。文字にするとわかりにくいですが、アイコンが非常にわかりやすくなっているのでプレイはしやすい印象です。

 この改善はどれも強力なものばかりです。前述の通り全員がどちらかを必ず獲得できますが、獲得したときに即時に補充されるわけではありません。補充(というよりも再セットアップ)はラウンドの最後のクリーンナップ時です。つまり、各ラウンドで獲得する順番が遅いと選択肢が狭まるということになります。その獲得順が決まるのが、患者の入院時に選択する救急車です。

患者の入院(受け入れ)の悩ましさ

 各ラウンドの最初に各プレイヤーの病院に患者が入院します。この患者は救急車に乗ってきますが、この救急車は各プレイヤーがどの救急車を受け入れるかをスタートプレイヤーから選択できます。救急車は救急車の番号が低い方が容態の悪い患者が、そして番号が高い方が容態が比較的良い患者が乗っています。患者を退院させるゲームなので番号の高い救急車を選びたいですが、この救急車の番号が前述した改善を取る順番に直結します。つまり、容態の悪い患者を率先して受け入れたプレイヤーから、どの改善を得るかを選びます。

 どうしても欲しい改善がある場合、容態の悪い患者を受け入れる覚悟が必要ですし、自身の病院の部門によって受け入れやすい患者の色や値なども出てくるので、この患者の入院は非常悩ましい処理です。

まとめ

 インストは30分くらい、プレイ1時間ちょっとですね。このダイスホスピタルはゲームの処理のほとんどが全プレイヤー同時に行われる(アクションですら箱庭系ワープレ)のでダウンタイムは少なめです。

 ワープレというよりもパズルよりな印象ですが、部門や専門医をどう組み合わせてコンボを組むかというのを考えるのも楽しいですし、はたまたドラゴンイヤーのように気軽に患者が死亡するブラックジョークが相まって最高に面白いゲームです。オススメ。

デラックスアドオンについて

 ダイスホスピタルには、デラックスアドオンという拡張パッケージが存在します。このパッケージには追加の部門タイルや専門医カードの他に、輸血パックトークンと死亡トークンの木製トークン、ダイスタワー(紙製)、救急車のミニチュアが含まれています。基本ゲームをプレイするのみであれば必要はありませんが、救急車ミニチュアがあると雰囲気が出てより楽しめます。なお、救急車ミニチュアは彩色されておらず灰色です。

和訳ルールのご案内

 Alley Cat Gamesさんの許可をいただき、BGGへ公開しております。誤訳等ありましたらお知らせください。BGGの該当ページはこちらです。

イベントカードの和訳シールのご案内

 スペースが余っていたので勝手にファン拡張(私が勝手に考えた)分も追加しております。遊び飽き始めた頃に遊んでみてください。

2019.08.27 誤訳を修正

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