技術研修に行ってきた!
先週から2週間ほど実験の見学や手伝いなどを目的として研究所へ技術研修に行ってきた。その研究所とは僕の教授の前の職場であり、共同研究している機関である。今年の秋に教授が開発した装置を導入するために何日かまとまった期間が必要だったのだが、教授が大学の予定などで忙しく、まとまった期間が確保できないため、代わりに僕がその期間研究所で装置の導入と実験をすることとなった。
だが、秋にいきなり初めての場所で研究を行うとなると大変だと考えてくれた教授がちょうど大元の実験装置が未完成で人手が欲しかったことも相まって僕を本番前に派遣することを決めたらしい。
それを僕が聞いたのは2ヶ月前の研究室MTGで教授から
「秋に僕の代わりに研究所で測定してくれないか?」
と言われた時であった。多少なりとも余裕があったと感じていたので、2つ返事で了承した後、教授から
「行き方わかるよね?」
と聞かれた。しかし僕はそこの研究所に行ったことはない。
「初めてなので、ちょっと不安ですね」
すると教授に、同期に、後輩に
「行ったことないんですか?」
と驚きとも取れる言い方をされた。どうやらどこかで僕はその研究所に行ったことがあるとされていたようだ。僕の研究はそこの研究所との共同研究に近い研究であり、実際同じプロジェクトに入ってもいる。
それに加えて同期や後輩はそこまで関係のない研究なのにも関わらず行ったことがあるらしい。どうやら僕の同期は半分が研究所に行ったことがあるらしい。
何が目的で研究所に行くんだよ。
それから数週間後の研究室MTGで最初に書いた理由から2週間の技術研修に参加することになった。月曜の朝にいき、金曜の夜に帰ってくるのを2週間行った。
そしてここから参加した感想となる。
まずめちゃくちゃ広い。どのくらい広いかというと研究所内に宿泊施設があり、そこに泊まったのだが、その宿泊施設から技術研修を行う部屋、実験棟に行くまでに歩いて20分かかった。そのため、宿泊施設で自転車のレンタルを行っており、晴れている日はそれに乗って通勤していた。
次に一つ一つの機器が高い。平気で数千万越えの装置がいくつもある。大元の実験装置だけでいくらするんだという話だ。僕が使っている大学の実験装置の中で最も高い装置はせいぜい500万程度である。ただでさえそれには慎重に扱っているが、そんな桁が違う機器がゴロゴロあると大学に戻って感覚が麻痺してしまう。
そしてこれが1番の感想となるのだが、研究所の職員がタフすぎる。
僕は9時から5時の12時から1時間休憩という形で行っていたのだが、慣れない環境ということもあり、バテバテであった。昼休憩となると飯を食べてその後ずっと休憩していた。しかし僕の指導してくださった研究所の職員は電車で1時間かけて通勤しているのにも関わらず、9時よりも早く僕が帰宅する5時半よりも遅く研究をしていた。
それは社会人になったのなら当たり前であり、実際大学では9時から始めて8時半ごろまでは必ずいるので大したことではない。では何がタフなのかというと昼休みの1時間休憩である。
例えばその職員は昼飯を爆速で食べて、そこから休憩終了2分前までどこかに行っている。どこで何をしていたのか聞いて見ると、
「今日は30分ランニングしてました」
「今日は施設で筋トレを」
「今日はランニングを」
「今日は軽いミーティングを」
「今日は筋トレを」
と平日の5日のうちミーティングを除いた4日間運動していたのである。
「マジか、小学生の昼休みかよ」
そんなことを他の職員は不思議に思っているのではないかと思った。しかし、その昼休みに飲み物を買いに部屋から出るとたくさんの職員が昼休みに運動しているのである。近くにテニスコートがあり、テニスをしている人やゴルフの素振りをしている人など様々である。
ちなみに僕の指導職員はウィンタースポーツに向けて体力作りをしているらしい。どうやらその人はもう十年以上冬場にまとまって有給休暇をとり、年によっては海外までそのスポーツをするために行くらしい。
そして最後に僕自身が学んだことを少し話す。
僕がこの2週間で学んだことは技術的なものよりも自分が今後働く上で1人だけを参考にしていくのはやめた方が良いということであった。僕は今まで教授の考え方を真似て物事を行っていくことが最善の進め方としか考えていなかったが、それだけでは不足だということを実感した。同時に在籍していた経験が教授と指導職員との間にはなかったが、所属している、していたグループは同じである。だとするのであれば、大体は物事のアプローチの仕方や考え方は似ているのかなと思ったが、似ている部分は少なかった。ただどちらの考え方も正解だと思う方法だった。
もしこのまま技術研修などを行わずに教授の考えだけで社会に出ていき、どこかで自分の中で限界がくる場合がきたとき、それ以外の方法が思いつかなくなり、自分がダメになるかもしれないということに対してのある種の改善案もしくはそれ自体が僕のベースになるのかもしれない。
この2週間でそれを学ぶことができた。
それを知ることができた、学生ではまず体験することのできない実験装置の立ち上げ、研究所に慣れた、ということだけでも今回は良い収穫となっただろう。
大学に来週から戻るがまた頑張る。