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劣等種のひとりごと

 生物学的の世界において、子孫を残せないものは淘汰され朽ち果てていくのが通説でありそれは世界の常識としても認知されているだろう。強い種が生き残り、繁栄しまた新たな強い種が出てきて…の繰り返しで世界は回っていくことは本能が知りうるところであり遺伝子に刻まれた言わば宿命のようなもの。

 それができない種は劣等種としてみなされ静かに渡世の幕引きを待つだけになるわけだ。動物の世界はそうやって今日も飽きずにぐるぐる回っているが、人間の世界はどうだろう?生涯未婚率が昇り龍の如き上昇率を見せる中、選択肢の一つとして「ソロ」でいることも寛容されつつある流れができているが事はそう単純じゃない。選ばれない劣等種がその中に混ざっていることは明確で、そもそも選り取り見取りの優等種がなんらかの理由でその選択肢をしないという事実はあれど多くはそうでもないことは中学生でも分かりそうなものだ。

 就職、結婚と言った「古の常識」が贅沢品となりそこから脱落せざるを得なかった人間の心の叫びなど誰も耳を貸すことなどない。強がってそれに抗い自分は別の選択肢を歩むことにしたんだと言い聞かせても結局は敗北感と劣等感は重油に身を焼かれるその瞬間まで付き纏う。どこで間違えたんだろう?あの時どうすれば良かったんだろう?反芻する思考の渦中に答えなどなく、あるのはただ虚しさや悔しさや自分自身への恨みや呪いだけ。

 所詮は劣等種。そもそも選択肢などないことに気付くのは、自我が芽生えた後。抗うことすら許されないのならいっそのこと終わらせた方がマシなのだが、それすらままならない。優等種は嘲笑うように「そんなことないよ」など慰めにもならない寝言を吹っかけてくるが、割と本気でそれ以上言うなら法という足枷を無視してぶっ壊してやりたくなる衝動に駆られる。

 お前らに、持たざる者の悩みなど理解できるはずがない。

-その逆も然りで、持つものの悩みは理解できない。
井の中の蛙と言われても仕方ないような暴論ぶちまけたが、この諺には続きがあることを多くの人は知らない。
私はその続きにある、空の青さすら奪われかけた。
だからこそ抗うことで生きていることを実感していたのかもしれない。

同僚に結婚できるわけないやん絶対無理やわwwwwと言われてとりあえず勢いで書いてみたけど、そもそもそんな願望がまだ自分の中に残ってたんやなと気付いた。
とりあえず仕事は順調なので、ご心配なく。
地獄の一丁目に入ったとこやけど、こっからが勝負やで。

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