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期待値を追えるマインドセット

Q. 相場が想像した値動きにならず、自暴自棄になったことはありますか?

A. 私は自暴自棄になった経験があります。



値動きに対する「個」の感情


市場参加者は、値動きを想像してポジションを持ちます。
しかし、値動きが想像通りにならず、ポジションに対して相場が逆行して、自暴自棄に陥った経験がある方は多いはずです。

客観的に考えると、関連性のない事象「想像した値動き・相場の値動き・損益の発生」を勝手に関連付けて、投げやりになるなんて不思議な話です。

しかし、この行動がトレードの期待値を大きく狂わせ、さらに資金を全て失う可能性もあるので、根本的な原因の解決が必要です。


相場「全体」の値動き


相場では市場参加者の総意が値動きとなります。
ダウ理論によれば「平均はすべての事象を織り込む」とあります。

経済指標や天災、地政学リスクなどあらゆる事象が織り込まれます。
それらの事実が平均値となり、連なることでチャートが形成されています。


「個」と「全体」は因果関係にある


「個」の想像という要因があり、「全体」の総意という結果が生まれます。
逆は成り立たず、一方通行の関係(因果関係)にあると言えます。

双方向の関係にないのでコミュニケーションは取れません。
つまり、「全体」の総意をコントロールすることはできません。

「全体」から「個」へのコミュニケーションがないため、「個」が否定や肯定されるものでもありません。


「すべての事象」の一部であるという感覚


相場というコミュニティに所属感を感じ、ダウ理論でいう「すべての事象」の一部になることができれば、自暴自棄になることはない。ロジックに基づき、期待値を追い続けることができると考えています。

この考え方は、アドラー心理学の「共同体感覚」によるものです。殺伐とした現代社会を生きる上で、すごく大切な考え方だと思っています。
「共同体感覚」について、書籍で解説されていますので、以下に引用しています。

【自己受容】  自己受容とは「ありのままの自分を受け入れること」。先ほどの「全体論」でも述べた「長所も短所もそれもすべて自分なんだ」とまるっとぜんぶ受け入れることです。共同体感覚とは、他者との関わりであるので、自己受容が出来ていないと到達することはできません。  私は個人的には、この自己受容が共同体感覚を得るための最初の土台になると考えています。

【他者信頼】  他者信頼とは、周りの人を仲間だと認識し、受け入れることです。他者のありのままを受け入れるのです。自己受容が出来るようになってくると、自然と自分と似た人と近しい存在になり仲間意識が生まれます。そうすると「周りの人は仲間だ」と思えて、安心感を得られるのです。常に「周りには敵しかいない」という認識でいる人は、まずはそう判断している自分の解釈(認知のメガネ)を見つめ直していきましょう。

【自己信頼(他者貢献)】自己信頼(他者貢献)は、 自己受容が出来てありのままの自分を受け入れられ、そして周りの人と仲間意識が生まれて他者信頼が出来るようになったあとに得られる感覚です。自分を満たしてから、仲間に対し貢献していきたいという気持ちが生まれます。これが自己信頼(他者貢献)となります。

【所属感】自己受容、他者信頼、自己信頼(他者貢献)が出来てくると、「このコミュニティにいていいんだ」という所属感が生まれます。これらすべてが満たされると「共同体感覚」を得られるのです。アドラーはこの共同体感覚が人類の目指すべき最終ゴールだとしています。「自己受容」「他者信頼」「自己信頼(他者貢献)」そしてその結果得られる「所属感」。この「所属感」こそ「共同体感覚」なのです

『アドラー心理学を実生活に取り入れてみた アドラー心理学を実践で学ぶ』小泉健一著


相場というコミュニティ


相場をコミュニティと捉えると、値動きに対する感情が変わってくると思います。コミュニティ内で自暴自棄になんてならないと思います。

【自己受容】【他者信頼】【自己信頼】【所属感】がどういう気持ちか、ぜひ考えてみてください。

信頼(見返りを求めず無条件に信じる)することを心掛けてください。

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