ビジネス歳時記 武士のおもてなし 第56話「和蝋燭」
偲ぶ心を託した、炎の贈り物8月は、夏休みと旧盆を兼ねて帰省する方も多い季節です。
「御仏はさびしき盆とおぼすらん」(一茶)とは、火事で焼け出されて友人宅に身を寄せることになった65歳の小林一茶が、お盆に墓参りに行けない心情を吐露した一句。
墓前や仏壇の前で、亡くなった家族や先祖を供養するお盆の行事は、地域や宗派による違いはあっても、その思いは変わりません。その時に灯す蠟燭(ろうそく)は、お線香に火をつけるためだけではなく、「私たち子孫はここに居りますよ」という、道しるべみた