地域を変える第一歩、 踏み出した先に見えるもの
両親が経営する商店。父親が亡くなり
母を手伝うため、1人のサラリーマンが立ち上がるところから、物語は始まります。
今回は「地元がヤバイ…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門」のご紹介。
そして都市経営プロフェッショナルスクールで、
挑戦を続ける方々に、また迫りたいと思います。
地域再生への入門書
今回の本、まちづくりや商業関係の仕事をするにあたって、最初とっても読みやすいです。
失敗しながらも前に進む主人公から、
誰もが始め「凡人」で、いま輝いている人も、積み上げた延長戦上にいることを教えてくれます。
まちに染み込んだお金の流れ
本編では、補助金で衰退するまちの役所や地元にどんなことが起こっているか描かれています。ただただ、リアルに。
地元も役所も頑張っている。だけど、いまだに
国からの交付税や交付金を頼る方向に、「分かっていつつも」体が動いていないでしょうか。
これからは地元で生み出したお金、エリア外から地元に落としてもらったお金を、地元に再投資する。そんな自立した地方が、豊かになっていきます。
自分で考え、歩いてみる
1954年に地方交付税制度が定着した歴史からも脈々と続く巨大な流れを変えることは難しいと思います。
与えられたものを消費することに慣れすぎて、
「自ら生み出して与えること」から少し離れてしまったのかもしれません。
そんな状況を打破するはじめの一歩とは。
地元を変えていくため、今回もチャレンジしている方にフォーカスしたいと思います。
ケーススタディ(3) 新たなビーチカルチャーへの挑戦
宮崎県宮崎市 青島ビーチパーク
まず、なんとステキなところ!
国の指定文化財である「青島」。そして青島神社はパワースポットとしても人気がありますが…
①青島のピンチ
そんな青島神社、100万人以上の観光客を迎えていた1990年をピークに減少を続け、2006年にその数は半分以下になったそうです。さらにビーチに泳ぎに来る人も以前より少なくなった。
周辺エリアの再生に向けて、宮崎市でも青島地域活性化基本計画を2007年に策定されています。
②ピンチをチャンスに
その後、観光客の回復に大きな成果をあげたのが
2015年からスタートした「青島ビーチパーク」
海水浴じゃなく、ふらっと立ち寄りたくなるビーチカルチャーを目指した社会実験。
お洒落な飲食店や物販店が5店舗ならび、仮設テントで休憩もできる。
この海岸は国・県・市が所有する公有地が混在し、建物が建てられないエリアですが、店舗をコンテナハウスにすることで、建築基準などをクリアしてます。
ちなみに青島は観光客数が回復し、2018年には100万人を超えたそうです。プロモーションが凄く洗練されている印象ですね。
③今後の展望
まず期間限定ではなく、青島ビーチパークを常設のスポットにすること。
そしてこの後に控えた旧橘ホテルの跡地の再開発を成功させること。
まさに今、青島エリアは「まちの価値」を少しずつ高めることで、より大きな民間投資を呼び込もうという段階ですね。
ケーススタディ(4) 持続する豊かな日常づくり
千葉県佐倉市 佐倉家守舎「mochiyoruより」
京成電鉄 京成佐倉駅から徒歩3分ほどにある
商店街エリア。
写真は毎月第一金曜日、仕事も食事も趣味も、持ち寄って交流できる日常空間をつくる試み。
①解散した商店街
このエリア、実は商店街が解散していて、空き店舗もチラホラで、夜は真っ暗になるそう。
また船橋のららぽーとなど近隣に強力な商業施設があり、佐倉市で買い回りをする人が少ない。
そこで、この商店街エリアを拠点に200m圏内で新たな地域産業をつくる取組を始めます。
②佐倉家守舎
この挑戦を続けるのは、民間の方2人に市職員が加わり3人で結成した一般社団法人「佐倉家守舎」。
行政では難しいスピード感、柔軟性、マーケティングを強みに、中長期的なまちづくりを実践。
ヒト・コト・モノを紡いで、まちに変化を起こすため、このmochiyoruは、その試みの一つです。
そして素晴らしいのは皆さんのチームワーク。
さらに、地元イタリアンの有名店をはじめ、ハンドメイド作家の皆さん、イオンタウンの方と、家守舎以外にも心強いメンバーが、活動を支えてくれています。
③今後の展望
今は第一段階のフェーズとして、まちのあらゆるものを紡ぎ、まちの価値を高めている段階。
今後は、mochiyoruによるマーケティングを活かして、空き店舗を活用した取組や広域エリアでの公民連携事業に繋げていく。
そんなワクワクする展望を伺いました。
これはmochiyoruの雰囲気。金曜日にやってるとついフラッと寄ってみたくなりますよね。
佐倉家守舎さんの詳細は、スクール同期の記事が分かりやすいので参照ください!
まとめ 踏み出して見える景色
今回、佐倉家守舎の榊田さんにmochiyoruを始めて感じた「まちの変化」を伺いました!
不定期開催ではイベントとして、知人や同僚が来ることが多かったのですが、毎月開催にしてから夕ご飯を食べにくる感覚で来てる近隣の方が少しずつ増えてきていて、生活の一部として浸透していきているのが、今のところ変化として感じています!まだまだ小さい変化ですが、これがまちの期待値を上げていくことなんだと思ってます!
こうした事例から共通していたことは
・信頼できる地元資本の仲間をつくる。
・地域でお金を生み出す、未来のあり方を共有。
・良質な民間投資を呼ぶマーケティングを実践。
そして私が感じたことは、
榊田さんの周りに魅力的なメンバーが集まっていること。たとえ小さくても、まちの変化を信頼できる仲間と一緒に見られること。
これは、踏み出した人にしか見えない景色で。
さらに小さな変化を起こせるからこそ、大きな変化も起こしていける。
そんな地に足のついた力強さを佐倉家守舎、佐倉市の皆さんから感じました。
せっかくの人生なら、そんなメンバーと歩んで行けたら最高ですよね。
佐倉市の皆さん、読んでくださった皆様
今回もありがとうございました!
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