ニューライフ

夜の駐車場にカラカラカラと金属音が反響している。
アスファルトと金属バットが擦れ合う音。

下げた右手に金属バットを持った男は真っ直ぐな視線でたった今成し遂げたことの余韻を楽しんでいた。

恨みや憎しみの溜まりきった過去を清算した。犯罪を犯してでもこれからの人生は自分自身の手の内に入る。

バットの描く赤い線がかすれ始めたごろ、地下駐車場の出口に到着した。 

黄色い太陽が眩しい。