【エッセイ】世界が嫌いになったのか
役に立たない者に分別されたら、どんな気分か分かるだろうか。
賢い人と狡猾さの違いは無視されて、とにかく簡単明瞭で分かりやすさに特化した物言いだけが採用される。結果は瞬間的に決まる。勝ちと負けのふたつだけの世界。
弱肉強食は野生の掟。都会がジャングルならば二択の世界が正解なのだろう。
勝ち負けや好き嫌いのふたつの選択肢の間には無数の答えがあるし、グラデーションと考えれば答えを出すことさへ意味がなくなる。
人生も終盤になり「末期」が普通に生活に侵入してくると「末期」に馴染んでくるのは不思議な気持ちである。
「思い」は積み重なり諦念に変わる。良い思い出は皆無で嫌なことで染められている。
人との接触は無くて孤立無援で生きてきた。生きながら無になれれば本望だ。
そろそろ限界と感じる「今日この頃」である。