人を食う
目覚めはいつも空っ風
夢を引きずりホームに立つ
通過する急行電車に飛び込む灼熱の子ども
傍観者は円舞に夢中
肉片は爆ぜる
清掃を肉親に強いる
手のひらの塊に涙が混声して
弔いの報復を誓う
追い込んだのは誰
守れなかった己を責める
白々しいお悔やみと
偽善の落涙
教室で配られたアンケートは
悪罵と祝福の言葉のダンス
食われた命を反芻するのは
残された者に課された問い
置き去りにされた敬意は利己的な遺伝子ではなく悪意なき媚態と白い輝きの拝跪に至る
怨恨は色褪せることなく伝播して互酬の偏差で亀裂をいれた
悪いのは誰なのか