【口語自由詩】作り笑顔が固有名になったら

割り切ったつもりの仕事と本心は

いつの間に判別がつかなくて

ふたりの合間に滲出してきた泥濘のよう

気づかれないように気を遣い

癒やしさから遠ざかる

気のおけない思いが停止して

不協和音が戯けてる

道草の裏道で出逢った行きずりに魅せられる

愛しさの意味を忘れて

馴致する与太話が開花して

帰り道も忘れてしまう

酔いに任せた風来坊