日本人が読むべきアメコミ3選
■何故、オススメするのか?
今回は日本人が読むべきアメコミについて3つ紹介させていただきます。
秋の夜長の読書の参考にしていただればと思います。
まず最初に、ほぼ全てのクリエイターは、同業者には
「この本オススメだよ」
「この映画、面白いよ」
と教えたりしますが、一般の方々……つまり自分のお客さんになり得る人に【本当に自分が気に入ってる作品】などオススメしません。
作り手側が「この作品、超オススメだよ!みんな見たほうがいいよ!」
と大々的に触れ回ってる人をあまりみかけないのがその証拠です。
理由は簡単で、自分が強く影響を受けたものは、必ず自分の作品に反映しますし、自分のネタのライブラリーになるからです。例えパクろうなんて思っていなくても、何らかの影響をうけてしまっていますし、実際に自分の作品に意識せず出てしまうものです。クリエイターの作るものには、その人の価値観そのものや人生そのものが出てしまうのというのは止めようのないことなので、わざわざお客さんにオススメなんてしないのです。
つまり、クリエイターにとって自分のお気に入りの作品をオススメするということは、下着姿で人前に出るのと同じようなものです。
じゃあ何故今回は、下着姿を晒してまでアメコミを紹介するのか?
それは自分がクラフトビールをオススメするのとほぼ同じ理由で、滅茶苦茶面白い作品があるのに日本ではマイナーで読んでない人が多いのは、本当にもったいないからです!
例えば、「風の谷のナウシカ」とか「AKIRA」と同じくらい面白い本を、ただ知らないというだけで読んでない友達がいたらどう思いますか?
多分オススメしますよね?(大きなお世話かもしれないけど)
■アメコミが読まれないワケ
※自宅の本棚の一部
日本でアメコミが読まれない理由はたくさんあると思います。
自分の考えるところでは
・海外のものなので、宣伝も少なく知名度が低い
・日本の漫画とフォーマットが違うので敷居が高い(読む方向やコマ割り)
・1冊の値段が高い
・サイズが大きいので読みにくい
・本屋で見かけない
・翻訳されてるか知らない
・なんかアメコミの歴史や世界が複雑そう
といったところじゃないかと思います。
確かにハードルが高いです!
ですが!
「本当に面白いものだけを読めばいい」
「2~4千円くらいで日本の漫画では味わえない体験ができるとしたら?」
「唯一無二のポップな画集を読める」
としたらどうでしょうか?
確かにハードルは高いんですが、自分が日本の漫画では絶対に味わうことがなかった体験を少しでも分かち合えたらと思い紹介します。パンツ一丁で!
ちなみに自分も最初は皆さんと同じでした。
どれ読んでいいかわからないのに情報が少ないし、翻訳されているものも少なかったので、かなり手探りの趣味でした。
ただ、最近は、映画「ダークナイト」や「マーベルユニバース」のおかげで、翻訳されているものも増えていますし、ネットの普及でかなり解説されているものも多くなってきました。
ハズレさえひかなければ、かなり満足度の高い読書ができると思います。
■オススメその①:WATCHMEN
アメコミの歴史を変えた金字塔といえるコミックです。
自分にとっては「神」ともいえる【アラン・ムーア】大先生(ストーリー原作)の作品で、数々の賞を総なめにし、ザック・スナイダー監督で映画化もされました。
※アメコミは分業が基本なので、日本でいうと「デスノート」などのように原作者と絵を書く人は別です。
ちなみに映画は、原作の内容ほぼそのままですが、個人的にかなり良かったのでコミックを読むの面倒くさいという方にもオススメです。
さらに最近では、ゲーム・オブ・スローンズで有名なHBOがドラマ化もしています。かなりディープにWATCHMENにハマった人には、こちらもオススメです。
WATCHMENに関しては、金字塔すぎて細かい解説をたくさんの人がしているので端折るとして……(ウォッチメン・解説で検索するとたくさん出てきます(笑))とにかくヒーロがそれぞれが闇やトラウマを抱えていて、人間っぽく描かれている上に、話の展開もかなりパンク且つダークな内容になっています。
近年では「キック・アス」「THE BOYS」「デッドプール」などでお馴染みになった、【ダーティーなヒーロー像】の作品が増えましたが、このさきがけとなった作品で、クズともいえるヒーローたちのストーリーを中心に、政治的な問題や、ヒーローが存在する場合の世界線の問題なども交えて、緻密で泥臭く勧善懲悪ではない大人のストーリーになってます。
日本では絶対に作られることがないであろう作風であり
間違いなくアメコミの最高傑作です。
※ちなみに我が家のWATCHMEN(見せたいだけ)
■オススメその②:KINGDOM COME
スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマンなどのジャスティス・リーグと言われるスーパーヒーローチームが、年老いて引退した後の世界の危機を描く物語です。
複雑に絡み合ったヒーロー同士が繰り広げるストーリーも滅茶苦茶素晴らしいんですが、最もオススメすべきポイントは【アレックス・ロス】大先生の絵です!一コマ一コマがまるで、ヒーローを神や天使にみたてた「宗教画」のようで、まるで「ヒーロー宗教画集」みたいになっています。
イラストを描かれている人は、キャラクターのリアルな造形や、カッコいい構図の参考にもなるのでオススメです。
※DCの公式サイトの無料壁紙を使用させて頂いています。
ストーリーは、スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマン、アクアマン、グリーンランタンなどの背景がわからないと楽しめない部分が多々ありますが家宝にしてよい1冊だと思います。
※我が家のKINGDOM COME(見せたいだけ)
■オススメその③:DARK KNIGHT
名前は同じですが映画「ダークナイト」の元になった原作ではありません。(ネタとしてはいくつか引っ張ってきてるとは思いますが)
「300(スリーハンドレット)」「シン・シティ」「WANTED」の原作でお馴染みの【マーク・ミラー】が描くバットマン作品です。
この1冊には「ダークナイト・リターンズ」という作品と、「ダークナイト・ストライクス・アゲイン」という作品が収録されており、
どちらもバットマン作品の中でも群を抜いて素晴らしい作品になっています。
まず「ダークナイト・リターンズ」ですが、年老いて引退したバットマンが老体に鞭打って、再びバットマンとして街を守るというストーリーです。
老いや時代の波と戦いながら、心と体に鞭打って正義を貫く格好いいバットマンのストーリーです。
そして「ダークナイト・ストライクス・アゲイン」はバットマン作品の中でもっともぶっ飛んだ部類の作品になっています。
スーパーマンとガチで戦ったり、かと思うとスーパーマンがワンダーウーマンと空中で超濃厚なラブシーンを繰り広げたりと、なかなかのぶっ飛び具合です。
マーク・ミラー作品は、ストーリーも素晴らしですが格好いいシチュエーションを作るのがとてもうまく、絵になるコマが多数あって読んでいて楽しい一冊です。
※我が家のバットマン(見せたいだけ)
■まとめ
解説と言うには程遠い簡単な紹介になってしまいましたが、この3つに関しては、個人的には鉄板中の鉄板といえる3つだと思います。
最初のアメコミの記事なので「初心者にオススメの!」という観点で選びたかった部分もあるんですが、初回からぬるいものを紹介したくなかったのと、最高峰をまず知っておいてもらったほうが良いかなと思い、ちょっと難易度高い部分はありますが、間違いない!と思えるものを紹介させていただきました。
ちなみに、自分はどれも10数年以上前に読んだんですが
「こんな世界があるんだ!」
「なんてすごいストーリーなんだ!」
「なんて格好いい絵のコミックなんだ!」
と、つくり手としても脳を直接ぶん殴られた気持ちでした。
(そして今読んでも全く色褪せない素晴らしさ)
今回は全てDCコミックの作品になってしまいましたが、決してMARVELが嫌いとかいうことではなく、たまたま衝撃的な3作であり大人の緻密なストーリーが多いのでこのような選出になりました。(MARVELは、アイアンマンやスパイダーマンのようにDCでよりは明るい作品が多いですよね)
さて、ここまでアメコミを紹介してきましたが、実は自分も「エキスパート」というには程遠い初心者に近いレベルなので、今後もちょくちょく自分も新しいものを読んでいきながら、皆さんに「必読」「これは当たり!」と思えるものを厳選してオススメしていければと思います。
たまには、体験してことのないものを試して、新しい読書の冒険をしてみるのはいかがでしょうか?
最後まで読んで頂きありがとうございました!
よろしければサポートを宜しくお願いします。頂きましたサポートは今後の創作活動に使わさせていただきます。決してビール代にはしませんのでご安心ください(笑)