統計準一級 第15章 確率過程の基礎 解説
ブラウン運動
ブラウン運動とは水の中に浮かんだ小さな粒子が示す不規則な運動のこと
この粒子が時間と共に座標が変化していくと下図のように株価の変動のような振る舞いが見えることから、時系列データにブラウン運動の確率過程を応用しようとする気持ちが出てくる
下記のサイトにはブラウン運動のシミュレーションがあるので遊んでみてイメージを掴むのも良いだろう
ここでブラウン運動の確率過程を定義する
初期値$${B_0 = 0}$$なる確率過程$${(B_t)_{t \geq 0} = 0}$$は以下の性質を満たすとき$${B}$$をブラウン運動という
$${B}$$は独立定常増分過程
$${t \geq 0}$$に対して$${B_t 〜 N(\mu t, \sigma^2 t)}$$
Bのパスは連続
特に平均値が0分散が1の時は標準ブラウン運動、Wiener過程という
ブラウン運動のパラメーター推定
ブラウン運動の微小時間における差分を$${Z_k}$$と定義すると平均と分散のパラメーターは普段の平均分散の式に微小区間における差分を反映しているだけの形で表すことができる
$$
\hat\mu\Delta = \frac{1}{n} \sum_{k=1}^n Z_{k} \hArr (\mu = \frac{1}{n} \sum_{k=1}^n X_{k}をイメージ)
$$
$$
\hat\sigma^2\Delta = \frac{1}{n} \sum_{k=1}^n Z_{k} ^2 - (\frac{1}{n}\sum_{k=1}^n Z_{k})^2
\hArr (\sigma^2 = \frac{1}{n} \sum_{k=1}^n X_{k}^2 - (\frac{1}{n}\sum_{k=1}^n X_{k})^2をイメージ)
$$
ポアソン過程
過去や未来とは独立に常に一定の生起確率で同時に2件以上発生しない事象の確率過程をポアソン過程といい、$${\lambda}$$を起こりやすさを表す指標として強度ともいう
以上の性質は以下のように述べることができる
$${N_t-N_s とN_v - N_uは0 < s < t < u < v の元で独立}$$
$${P(N_{t+dt}-N_t =1)= {\lambda}dt (dt間に事象が1回起こる確率は強度に比例)}$$
$${P(N_{t+dt}-N_t \geq 2)=0}$$ (dt間に事象が2回起こる確率は0)
これを用いた指数分布の証明具体例は下記を参考に
ポアソン過程のパラメーター推定と複合ポアソン分布
ブラウン運動と同様に対数尤度関数を計算し最尤推定量は普段の期待値の式に微小区間においてのパラメーターの推定量を反映しているだけの形で表すことができる
$$
E(X_{t}) = \hat \lambda \hat p
\hArr (E(X) = \lambda p をイメージ)
$$
また複合ポアソン過程についての証明は下記のリンクが参考になるが統計準一級の範囲ではないので割愛する
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