米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿191
第190回から続く
第191回寄稿は、第190回寄稿の補足として、記します。
現在は、まだ債務上限が引き上がっておらず、債務上限問題が解決しておりません。
TGAからのドローダウンは引き続き継続
TGA(米財務省一般勘定口座)からのドローダウン(お金の引き出し)は引き続き継続しており、これがFRBによるQT効果を相殺している期間です。ドローダウンそのものは景気刺激的ですから、この4月、5月、僕は何もしていません。
売り目線、弱気スタンスでいる期間は次の期間です。
・債務上限が引き上がる、すなわち、債務上限問題解決を見る時。
この時、もうTGAからのドローダウンの必要はなくなります。景気刺激的ではなくなります。ここで、大切なポイントは、ドローダウンがいつまで続くのかという事です。この寄稿で述べました通り、イエレンさんのハッタリもあれば、6月初旬8日、9日までという見方もあれば、6月30日までという見方もあります。僕は、後者、6月30日という試算モデルを多分に頭に入れています。
第190回の寄稿で、BofA(バンクオブアメリカ)ストラテジストのマイケル・ハートネット氏がおっしゃっていた「6月下旬に再びリスクオフが強まると予想している」というコメントに同調しますと述べましたのも、この6月30日が理由です。
・そして、債務上限問題がいったん解決を見たら、今度は、逆にTGAを再構築しなければなりません。再構築というのは、TGAにお金を戻すことです。口座にお金を戻すために、イエレンさんが、米国債、米国財務省証券、T-Bills(国庫短期証券・割引債)などを、膨大な金額、強烈に売ることによって、お金を口座に戻すという事です。現在、イエレンさんは8月を目途に口座を再構築するのであろうとアメリカの専門家の間で言われています。この時、イエレンさんはマーケットの流動性を削減せざるを得なくなります。この時、今でいうならリバースレポの窓口に行かざるを得ない、マネーマーケットファンドからのT-Bills(国庫短期証券・割引債)に対する需要は多分にあるでしょう。この需要でまかなえるのかどうか。差し引きネットでタイト(引き締まり、QTもろかぶり)になる状況であるか、ネガティブな状況であるかを注視する必要があります。言葉でなるべく正確に述べるとこうなのですが、この時期(イエレンさんが口座再構築のために、米国債、米国財務省証券、T-Bills(国庫短期証券・割引債)などを、膨大な金額、強烈に売る時期)、いくつか、さらに米地銀など、銀行が倒れる可能性がありますね。それくらいの事だと認識しています。
この寄稿で述べておりますように、前回一番直近で、TGAを再構築しなければなら勝った時期は、2021年12月中旬から2022年6月を通しての期間でした。この間、株は約2割下落しました。
2011年の時は、債務上限問題が解決を見た後、S&P500は、約18%下落しました。
それが回復するのに、約半年の期間を当時要しました。
今回のポイントは、リバースレポの窓口に行かざるを得ない、マネーマーケットファンドからのT-Bills(国庫短期証券・割引債)に対する需要がカギを握っています。それでまかなえるのかどうか。僕は、流動性について、この時期、ネットでネガティブだと、現時点で思っています。
ですから、上記の期間、それはもう、警戒しますし、目線を売り目線、スタンスを弱気に置きます。
さて、とっても、とっても、大切なこと~米国債市場に流動性が供給されるかどうか。これが、全てといってもいいくらいの事なのです。
米財務省は、TGAの再構築も多分に意識してか、第190回寄稿で述べました、とんでもなく大切なこと、その時期。~(米債券市場のホンマものの専門家からの引用)
「米国財務省によるソブリン債市場への介入」
「債券のQE時代がやってくる」
「23兆ドルにのぼるアメリカのソブリン債マーケットへの介入であり、流動性の供給」
「2024年初頭からその先にかけて、米財務省が、米国国債の買戻し(バイバック)を、主導する。最後の買い手として、ディーラーの役割を果たす」
国債の買戻しは、これは、リスクアセットにとって追い風も追い風。
そこからは、強気転換
ですので、上記、売り目線、弱気スタンスでいる期間、8月を目途にしてのTGA再構築期間が終わったら、その前後も踏まえて、そこからは、強気転換、強気目線への変更の可能性、これはもう可能性として、大であると考えております。
第192回へ続く
最後に …
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笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。
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