米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿222
第221回から続く
CPIの数字に注目しながら
先日の寄稿で述べた通り、雇用統計の数字の発表前後というのは、時に、時にですが、雇用統計の数字の発表前、そして当日、そこから、週末をはさんで、前週とは異なる、また全く新しい別の週がやってきて、発表の週とは別の動きをすることがありますねと述べましたが。
それまで下げても、新しい週になって、こうやって、マーケット戻るんですもの。CPIの数字に注目しながらなんでしょうけど。
売ろうかなという誘惑に先週金曜日かられましたが、誘惑にかられただけで、留めといてとりあえずは良かったです(笑)。
マーケットの素地、素材が変っていませんからね。
クリーブランド連銀のInflation Nowcastingからの引用です。
こちらは、Amy Nixonさんがシェアしてくださったツィートとチャートです。
黄色部分、FRBがこうして2022年の3月から最速のペースで金利を引き上げてきているわけですね。この影響は、クレジット市場など、いろいろなところに出ていますね。
こちらはLance Lambertさんがシェアしてくださったツィートとチャートです~Lance Lambertさんからの引用~現在、30年固定住宅ローンの平均金利7.12%に到達。
時差をおいてでさえ、株式市場に出て来る
僕個人は、前回の寄稿や直近の寄稿で述べましたが、腰折れ、どこかで、この最速のペースで金利を引き上げてきた大きな影響は、時差をおいてでさえ、株式市場に出て来る、と思っていて。まあ、ずっとこの寄稿で昨年来述べて来た、「経済が強いんだと言っても、それにはある程度限りがある」と思っていますし。
同時に僕は、過去のこの寄稿で、ディスインフレやデフレについても述べてきました。デフレの前って、資産バブルっておこるでしょ。そんな感じにも見えますね。
だから、まあ、過去の寄稿やスペースで、何度もミンスキー・モーメントについても触れてきました。一瞬の崩落という事です。まあ、バブルというのははじけますからね。
こういう事は常に頭に入れながら見ています。
この辺の事につきましては、どうぞ第150回寄稿以降あたりをご覧になっていただけましたら。
調整でも、それ以上の下落でも、現実と乖離しすぎた時に起こるわけですから。
FRBはバランスシートの縮小を図っています。
今月も、7月19日の週、21.65billion縮小予定で、その後も週ごとに続いて行きます。
ステルスQEのような役割
同時に、デュレーションリスクを除去しています。
これまで第213回の寄稿などで述べた通り、デュレーションリスクの除去という事がパワフルな役割を果たしているのです。これはもちろんQEではありませんが、ステルスQEのような役割を果たしています。
TGAの再構築は、その約7割弱くらいがリバースレポのファシリティからですね。リバースレポそれによって、TGAの再構築がカバーされていますね。リバースレポの残高減、TGAの残高増。QT効果は今のところ相殺されています。
FRBのバランスシート縮小、TGA、リバースレポ、この三つ巴中心で見ています。
過去の寄稿で引用を用いて記しましたが、去年2022年1月から10月半ばまで、マーケットS&P500で約28%下落。そこから、その後、アメリカおよび世界的に流動性が供給されて、今につながっています。
デフレの前の資産バブルじゃないの?
僕個人の意見にすぎませんが、少し長い目で見ると、デフレの前の資産バブルじゃないの?って見えるんですね。
ただ人は、資産バブルのその最中にいる時は、それを謳歌するし、それに酔い、踊り、理屈をつけていかにそれが正しいかを説き、その正当性を主張する傾向にあります。かつて、過去の寄稿では、”ゆでガエル”についても触れました。
いっぽう、もっと短い目で見ると、フロス(泡、あぶく)は、どこまで吹くの?どの高さまで吹き上げるの?って感じがしています。
自分とは見方の異なるホンマもののアメリカの専門家のお1人が、おそるおそるというところはあるにせよ、これは新しいブルマーケットの初期段階だとお呼びになった事を、ここのところの寄稿で取り上げてきました。ベアーマーケットラリー終盤に起こっているフロスと呼ぶのか?それとも、これは新しいブルマーケットの初期段階と呼ぶのか、意見が分かれるところです。
QT効果が相殺されている中で、新しいブルマーケットを支える条件、過去の寄稿で述べた業績見通しの数字、フォワードPE、そういったひとつひとつを裏付けるファクトが、無傷でそのまま突っ走れるのか?という疑問は常々持っています。
僕は今、目先、S&P500で上、4600に向けた目線、下、4250割れに向けた目線、そういう目線で立っていますから、予想する云々ではなくて、成り行き任せ、というのが正直なところです。
以前に述べましたが、過去10回中8回のアメリカのリセッションでは、株は平均2割下がっているんですね。これは言うまでもなく、頭にあります。ただ、まあ、リセッションが来る前に株が最高値とりに行くのか、それをとりに行ったらどうするの?ってところが最近の注目点ですね。
先日第218回の寄稿で引用させていただきましたMarkets & Mayhemさんがシェアしてくださったツィートとチャートを拝見しながら。
こういう乖離を修正するようなことや、例えば、業績発表が始まって、少しつまずきが出ることなどをきっかけに、数字言うなれば、3%~5%くらいの調整、修正というものは、いつあってもおかしくないと思っていますが、仮にそれが起こったとして、その後がポイントですよね。
流動性。マーケットの素地、素材を見ておく事、これは大事だと思います。
バランスシートの縮小については、今月から来月にかけてのところで、8月の頭、8月1日の週、33.25billion縮小予定で。前述の数字のような7月の他の週から見ると、週として大きめの数字であるこの時前後、FOMC前後のところに注目しています。
でも、もちろん、1日、1日、1週、1週ですね。まずは、CPIから14日金曜日の大銀行の業績発表へ向けて。
さて、冒頭のAmy Nixonさんがシェアしてくださったツィートとチャートにもう一度目を向けますと。
今回ではなくて、前回、このチャートでは、2004~2006ですね。
僕は、この寄稿で、”後ずれ”という言葉を使用しています。考えてきたような事が”後ずれ”しているなあ~と。自分で言うのもなんですけど、タイミングやインデックスのレベルについては、これをピッタリ当たるのは僕には至難の業で、これは外れるんですけど(笑)。考え方そのものが全くダメという事ではなくてですね(笑)(笑)。
”後ずれ”とか能書き言ってる前に、マーケットが大幅に上に持って行かれたら嫌だなあと思いながら、最速のペースで金利を引き上げてきた影響は、”後ずれ”しながら、顕在化するだろうなと思っています。だから、僕は、ハードランディングのシナリオを採用しています。
市場の見方というものは、短い期間の間に、コロコロ変わって行くものですから。今年これまでそうですよね。
いにしえの昔から、バブルに酔いしれ、バブルがはじけると、様変わり。これまで、見て来た、いつか来た道です、な~んて。
ルールメーカーがルールを変えた
ルールメーカーがルールを変えたと言ってもいいのでしょう、リバースレポのファシリティ。1営業日の翌日物リバースレポは2013年から毎日実施されています。今回、債務上限問題が解決した後のTGAの再構築に際して、すでに春先から予想にはありましたし、この寄稿でもそうも記しもしましたが。
TGAの再構築に対して、リバースレポの残高減、TGAの残高増、QT効果が打ち消されている構図。ここをよく見ておきたいと思います。
QT効果丸被りになる時に、株は下落するだろう
この寄稿で述べ続けておりますのは、QT効果丸被りになる時に、株は下落するだろう、下落トレンドが出るだろうと思っております。この視点から、今は、そうはなっておりませんね。
第223回へ続く
最後に …
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私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
OUTLIERは素敵な商品です
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アウトライヤーより。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。
🍅注意事項
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②投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません。
③投資の最終決定はご自身のご判断と責任でおこなってください。
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