にわ。

北海道大学文学部卒。フリーター。小説や短歌、随筆などを書いてます。 ドラマー。カナダ、オーストラリアいた。発達障害者。ファッション金欠。ベイプスモーカー。INFPとENFPを行ったり来たり。ハイパーファンタジア。犬派。右から左へ受け流すより、下から上へ受け流す派。ホヤホヤ。

にわ。

北海道大学文学部卒。フリーター。小説や短歌、随筆などを書いてます。 ドラマー。カナダ、オーストラリアいた。発達障害者。ファッション金欠。ベイプスモーカー。INFPとENFPを行ったり来たり。ハイパーファンタジア。犬派。右から左へ受け流すより、下から上へ受け流す派。ホヤホヤ。

マガジン

最近の記事

【1分小説】日曜日

 「月曜日よ来るな!!」と願っていたら、本当に月曜日が来なくなりました。毎日が日曜日です。でも、毎日腹は減ります。だから、金も減ります。しかし、稼ぎはないので、金は増えません。仕事を探そうにも、後日面接をすることになったら、その時点で終了です。後日は来ないのですから。だから、その日に見つかって、その日に働き始められる仕事を探さなければなりませんが、そんな仕事のあてのはありません。もう口座も底がつきそうです。日曜日なんてもうこりごりです。  ある日曜日のことでした。私は古いシ

    • 【1分小説】指輪

       親友と飲みに行った帰り。突如上がってきた吐瀉物の中に指輪があった。それは月光を反すようにきらきらと輝いていて、胃液の池とさっき食べた鶏の肉片の蔦とに浮かぶ一片の蓮の花みたいに綺麗だった。  酩酊した揺れる意識の中から記憶を探る。しかし、もちろん指輪を飲んだ覚えなどさらさら見当たらない。そもそもこの指輪自体にすらまったく見覚えがない。  私はアクセサリーを身に着けないから、指輪を買ったことが一度もない。だから、これは私のじゃない。だとすれば、だれかのもの?それか、だれかか

      • 【1分小説】ナイフ

        「いやぁ、、やっぱ怖くて出歩けないや、、、俺。」  彼は女装がしたいらしい。特に女に生まれたかったというわけではないらしい。むしろ性向はストレートで、彼女もいる。ただ表象的に、女性のファッションが好きで、女性らしい服装をしたいと言う。 「なにがそんなに怖いのよ?」 「いや、そりゃなんかさ、キモイって思われたら嫌だし、なんか直接言ってくる人もいるかもしれないじゃん。」 「んー、かもね。」 「うん。。。」 「じゃあさ!折りたたみ式のサバイバルナイフでも持ち歩いてみたら

        • 【1分小説】秋が殺された!?

           「秋が殺された!?」新聞の見出し。  たしかに、近年夏や冬の勢力に押されて存在が薄くなっているような気はしていた。もう立冬だというのに、先週は半袖で過ごせるくらいの陽気だったのに、数週間もすれば北海道では初雪も観測されるだろう。だから、秋いつ訪れるのだろうとは疑問に思っていた。とはいえ、まさか死んでいたとは。。  記事によると、警視庁はすでに犯人の捜査を進めているらしい。しかし、秋がいったいいつ殺されたのか、どこに死体があるのかすら特定できていないらしい。  一か月後

        マガジン

        • 1分小説
          19本
        • 短歌
          8本
        • 小説
          6本
        • 時代の潮流
          3本
        • 哲学片
          6本
        • 文学片
          8本

        記事

          本当であり同時に嘘であるという本当/『ナミビアの砂漠』【映画レビュー】

          映画『ナミビアの砂漠』を観た。 これほどまでに登場人物に共感した、感情移入した映画ははじめてだった。 言葉では容易に表しえないある種の感覚、感情、あるいは、感情にも至っていない”私”の中で現象しているなにか、みたいなものを映像を通して訴えられ、映画では味わったことのなかった、白昼夢を遊泳しているときのそれにも似た感覚を覚えた。 そうした映画という形式でいままで表現されてこなかった、曖昧でどうしようもない感覚的ななにかを、河合優実さんらキャストさんの神妙な演技と、空想力に富んだ

          本当であり同時に嘘であるという本当/『ナミビアの砂漠』【映画レビュー】

          【短歌】デート

          〈Xに投稿した短歌 2024/10/01-10/10〉 良ければフォローお願いします✧⁠◝⁠(⁠σ ⁠▿⁠ σ)⁠◜⁠✧

          【短歌】デート

          【短歌】戦争

          〈Xに投稿した短歌 2024/09/26-09/30〉 良ければフォローお願いします✧⁠◝⁠(⁠σ ⁠▿⁠ σ)⁠◜⁠✧

          【短歌】戦争

          【短歌】もっと私を失える

          〈Xに投稿短歌 2024/09/21-09/25〉 良ければフォローお願いします✧⁠◝⁠(⁠σ ⁠▿⁠ σ)⁠◜⁠✧

          【短歌】もっと私を失える

          【短歌】君の鬱ひげで感知したとき

          〈Xに投稿した「単語で短歌」で詠んだ短歌 2024/09/14-09/20〉 良ければフォローお願いします✧⁠◝⁠(⁠σ ⁠▿⁠ σ)⁠◜⁠✧

          【短歌】君の鬱ひげで感知したとき

          【短歌】アナフィラキシー

          君と食べた シロノワールは 蜜の味 はじめてのキスで アナフィラキシー 蝸篆を辿ったその先に ワンダーランドあるんじゃないかと 想像している 胃の中の 蛙が俺に 巣食うから オホーツク海でも 行ってみようか 生んだ覚えがない息子の 「オレだよ、オレ」が懐かしい  私、アルツハイマー ガラクタの 心ちぐはぐ しましたよ あなたはそちらの 世界でお待チオ 片隅で  泣いてるだけじゃ  晴れなくて だからあなたは  寂しさ作った 背景が  蕩ける夏の  残像に 糖分求め

          【短歌】アナフィラキシー

          【1分小説】聴書

           紋切型の愚痴で殷然とするカフェで、私は小説を読んでいた。上司の怠慢話、又聞きの浮気話、夫の陰口、、、どうしたらこうも綺麗にテンプレートをなぞれるのか、と思えてくるような話が四方から鼓膜へ流れてきた。私は、アイスコーヒーにささったストローを口で迎えながら、ページをいくつか進めてはまた捲り戻すのを繰り返していた。コーヒーと一緒に頼んだホットケーキを切ろうとナイフに手を伸ばしたとき、こんな一説が飛び込んできた。  「心に猟奇殺人鬼を忍ばすことができたなら、」  このとき、私の

          【1分小説】聴書

          【1分小説】好き

           私はこの街角が好きだ。パン屋と花屋が並んでいるから好きだ。「生きるにはパンだけでなく、桜がなくてはならない」という好きな言葉を思いださせてくれる。ついでに、「桜の樹の下には屍体したいが埋まっている」という好きな作家の言葉も。しかも、花屋の軒下にはつばめの巣もある。生まれたばかりの雛に食べさせるために、母が精悍に踊り狂っているのを見るのが好きだ。  だから、ここは通学路ではないけど、毎日私はこの街角を周って帰路につく。受け取った通知表の評定がすこぶる良かった日も。靴箱から上

          【1分小説】好き

          【1分小説】天使の足の裏

          「ねぇねぇ、天使の足の裏ってくさいと思う?」 「えっ?なにその質問?ww」 「ねぇ~いいから答えてよ!」 「え~~、そんなんわかんないよ、、」 「ごまかさないでよー。ねえどっち??」 「うーん、、、臭くないんじゃない、、かな?」 「へーー!どうして??」 「だって赤ちゃんじゃん!」 「天使が赤ちゃん?」 「赤ちゃんじゃないの?」 「それはサイゼリヤの行き過ぎだって~~ww」 市民の瀟洒。

          【1分小説】天使の足の裏

          旧帝大卒はなぜ最低時給でバイトしているのか?

          僕は北海道大学の文学部を卒業した。 北海道大学、通称、北大は一般的に入るのが難しい優秀な大学だと言われていて、 入試を突破するには、上位1.5%くらいの学力が必要らしい。 実際、僕の大学の知人たちも、 だれもが名前を知る超有名企業に勤めていたり、 大学で研究を続けて教授を目指していたり、 転職に成功して年収1000万突破したり、 等々、いわゆる「エリート街道」を歩んでる人がほとんどで、 同期はみんな僕のおよそ3〜5倍の給料をもらって生きている。 僕も同じ大学を出てるのだから

          旧帝大卒はなぜ最低時給でバイトしているのか?

          長編小説×1、短編小説×2、短歌×30なんとか9月中に完成させることができた! 目標達成!!あざす!!! 9月は1日の休みもなく、毎日仕事終わったあとも夜まで書き続けて、身体も心もちゃんとやられたけど、どんな形でもいいから将来につながるといいなぁ~🥹

          長編小説×1、短編小説×2、短歌×30なんとか9月中に完成させることができた! 目標達成!!あざす!!! 9月は1日の休みもなく、毎日仕事終わったあとも夜まで書き続けて、身体も心もちゃんとやられたけど、どんな形でもいいから将来につながるといいなぁ~🥹

          【1分小説】自己相似性

           数年ぶりに訪れた京都は異邦の喧噪に支配されていた。流暢な言語がそれぞれの彫りを刻みながら跳び交い、私の耳に流れ込む。知らない言葉は意味を帯びる由もなく、ただ不鮮明なノイズとして響く。ノイズはギザギザしたフラクタル模様として私の心象に映し出され、そのせいで、この目がたしかに捉えているこの京都の商店街もグリッチがかって見えた。小一時間まわった頃には、古いオーディオの電熱線みたく、私の頭は騰せていた。  ここは嫌いだ、と思った。それと同時に、自分が存在する、いる、あるというだけ

          【1分小説】自己相似性