本当であり同時に嘘であるという本当/『ナミビアの砂漠』【映画レビュー】
映画『ナミビアの砂漠』を観た。
これほどまでに登場人物に共感した、感情移入した映画ははじめてだった。
言葉では容易に表しえないある種の感覚、感情、あるいは、感情にも至っていない”私”の中で現象しているなにか、みたいなものを映像を通して訴えられ、映画では味わったことのなかった、白昼夢を遊泳しているときのそれにも似た感覚を覚えた。
そうした映画という形式でいままで表現されてこなかった、曖昧でどうしようもない感覚的ななにかを、河合優実さんらキャストさんの神妙な演技と、空想力に富んだ