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朝起きれた、それだけで十分な朝もある

毎朝決まった時間に起きることは、学生・ひいては会社員にとって非常に重要なスキルだったりする。当たり前だが、できなければ毎日学校や会社に遅刻してしまうからだ。

今にして思えば、よくもまぁ、学生時代は毎日学校に遅刻しなかったものだ。今日も予定より家を1時間ほど遅く出ながら、僕はそんな的外れなことを考えていた。

最近、朝早く起きるとなんだかとても肌寒い。想像に難しくないが、冬の到来を感じる。いや、それ以前から二度寝は僕の人生を力強く支える活力だったけど。
でも、それでも最近は三度、四度と布団が僕をがっちりと挟んで放してくれない。

そんな気がして、仕方ない。

「おい、布団よ。僕を開放するのだ」

そんな言葉を、意味もなく虚空に届ける。届けたい相手はどこにもいない。
虚空に消えていく。

それは、僕が僕に向けて放った言葉だったんだろうか。それとも、単なる独り言なのか。はたまた、本当に布団に向けて心の底から放った言葉だったのか、終ぞ僕には判断できない。

ちょっとしたモヤモヤを抱えつつ、僕はドタバタと今日も玄関のドアを開ける。いつしか、「行ってきます」という言葉を、虚空に向かって放つことはなくなった。

今日も朝起きることができなかった。ただ、それだけの事実。
でも、不思議と悪い気はしていない。会社に遅刻しても、今の勤務形態だと問題がないからだ。
たったそれだけの事が、とても幸せだったりする。

まぁ、朝しっかりと起きることができればとてもうれしいんだけど。
休日はオメメパッチリタイプだが、できれば平日にも来るといいな。

そんなことを思いながら、僕はテクテクと陽の光の差す道を、一人歩き始めた。

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レン_歩くエッセイスト
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