見出し画像

確かに、普通に考えたらおかしいよね?

先週の見学会への沢山のご予約とご来場ありがとうございました。

また、毎度予約が埋まるのが早く、枠がとれなかった皆様、大変申し訳ございません。

次回見学会は、私の自宅のオープンハウスとなります。

近くホームページにアップしますので、ご予約いただけますと幸いです。


さて、先週の見学会に来場されたご家族と話していた時に頂いた、

「どうして○○は営業さんがプラン描くんでしょうか?設計さんスタートじゃない事に驚いた。」

という質問。

○○はご想像にお任せしますが、住宅メーカーです。


スゴイことに気が付いちゃいましたね。

そう、これ、シレっと行われていますが、実はメチャクチャな話です。

「家は3回建てないと・・」なんて昔の話で、ほとんどの方が、家づくりを一生に一回。

家づくりの流れなんて、何が普通で何が普通じゃないかわかりません。

でも、ここに気が付けたのは、このご家族が地に足が付いているからでしょう。


確かに、普通に考えると不思議なことですよね。

設計担当でない営業担当者が、要望の聴き取りを行い、カタチにする。

これ、もちろん私が昔所属していた大手住宅メーカーでも、当たり前に行われていました。


さて、ナゼこんな事をするのでしょうか。

「設計するなら設計専門の人がやった方がいいじゃないか!」

その通りです。

もちろんその方が、良いプランがかける筈です。

でも、そうしないのには理由があります。

それは「コスト」です。


基本的に建築士の固定給与は営業担当者よりも高く設定されています。

例えば私が昔いた大手メーカーの当時の状況を例にすると、

栃木県中北部で展示場が5カ所。

各展示場に営業が5~6名。

それに対して、設計担当は3名だけ。

各営業所ではありません。

栃木県中北部で、3名です。


だから、新人営業の頃は何とか手伝ってもらいますが、設計さんの都合つけるのが大変なので、営業自身が描かざるを得なくなります。

私がいたメーカーはとりあえずラフを描いたら、海外のプラン作成部署にFAXして清書してもらって、戻ってきたもののイミフな箇所を訂正していくスタイルでした。

もちろんプラン製作部署は現地人の方(もちろん設計資格は持っていない)を雇っているとの事でした。

で、打合せ時のみ数回、設計担当がお客様前に出てくる感じです。

営業担当によっては、「私が描いた方が良いプランになりますので、私が最後まで対応します。」なんて人も複数いました。

設計担当よりお客様の要望を、ただまとめるのがうまい方でしたが、今思うと・・・

外観等も本人は得意げでしたが、私からすると・・・

おっと、過去のストレスがぶり返してしまいましたので方向転換します。


残念ながら、この営業がプランを描くケース、比較的大きい規模の建築会社に多いです。

とにかくお客様を大量に回すことが求められる経営形態なので、営業担当の割合が大きくなります。

その人員を活用するために、描かせます。

家を建てる方にとっては一生に一度の住まいの設計図を専門ではない人間が描きます。

専門的な知見無しに描きます。

当たりはずれ設計担当以上にメチャクチャ多いです。

まあ、型式適合認定とってるケースがほとんどなので、設計ルールでガチガチなのでたいしてプランに自由なんて無いですが。

型式適合認定とは同一の型式で量産される建築設備や、標準的な仕様書で建設される住宅などの型式について、一定の建築基準に適合していることをあらかじめ審査し、認定します。
型式適合認定を受けていれば、個々の建築確認時の審査が簡略化されます。(一般財団法人 日本建築センターHPより)

型式認定さえ取得せずにやってたら、更にヤバヤバかもしれません。


営業担当はお客様の窓口となる役目なので、とても話やすいし、「ずっとこの人が寄り添ってくれるなら、全部まかせてもいいかな。」なんて乙女な思いに駆られてしまうのも分かりますが、

住宅において、プランは、構造、空間、温熱、意匠、すべてを決定する超重要な要素です。

当り前ですけど。

これを誰が描くのかによって、住んでからの快適性は大きく変わります。

プランを作成するのは誰なのか、過去にどんなプランを作ってきたのか。

本当に納得のいく住まいを建てたいのであれば、地に足つけて検討しましょうね。



hiroyuki

いいなと思ったら応援しよう!