ソコに、ソレ建てるんですね!?
先日、SNSを眺めていたら、カッコイイ平屋の建売住宅の広告が掲載されました。
外観も内観もとってもオシャレで、かなりこだわりを詰め込んだ建物でした。
「スゴイ建売がでてきたなぁ。」と思いながら読み進めていた所、住所が目に留まりました。
「こ、この土地は・・」
そう、知っている土地でした。
というのも、この土地、弊社のクライアントさんが建築地の検討をされていた時の候補のひとつでした。
そして弊社で現地を確認させて頂いた上で、候補からはずれた土地でした。
この土地は南側道路で、道路向かいに2階建ての住宅があり、更にその向こうが高い森の斜面。
日照が非常に限定的なため、ARアプリなどを用いながら、各季節の日照を確認していきましたが、真夏以外は1階の採光は午後から西日のみ。
加えて、道路向こうのお宅も南側がすぐ森のため、北側に向けて大きな掃き出しのあるリビング、北に開いた間取りの平屋です。
そんな条件の中で、この土地で気持ちの良い暮らしを考えるならどんな家にするか?
素直に考えると、2階LDKの家がいいのではないでしょうか。
家族が集まるスペースをできる限り明るく、春、秋の採光を少しでも拾うために、2階にLDK。
リビングの高さが変われば、道路向かいのリビングとも目線が外しやすいため、カーテンを開け、より開放的な暮らしになるでしょう。
ただ、弊社のクライアントさんは、日が入りにくい暮らしも嫌だし、2階リビングがイメージも希望の暮らし方に合わなかったので、別の候補地を選択されました。
土地の特徴というのは、変えることが非常に難しいです。
南側の山を削る事はできないし、向かいの平屋の窓を塞ぐこともできません。
だから、その土地の特徴をできるだけ活かせる建物づくりが必要となり、それを考え、提案するのが設計者の役割となります。
今回驚いたのは、その土地に建った建売住宅が、まさかの平屋だったということ。
そして、限られた予算を大きくデザインに振ったということ。
建築業者によって、価値観が大きく違う事がよくわかる出来事でした。
実に興味深いと感じる今日この頃。
hiroyuki