宝塚ステージスタジオ体験記
少し前の話だが、宝塚のステージスタジオでタカラジェンヌのメイクや衣装着用を体験をした話を書き記しておきたい。
ステージスタジオとは、宝塚大劇場内にある宝塚歌劇の衣装を着用した写真や、スターとのツーショット合成写真を撮影できるスタジオである。
大劇場の一角、ずーっと気になっていたが勇気がなくて予約するまで至らなかった。どうせ似合わないし、価格も高いし、恥ずかしいし…でも常に頭の片隅にあった。
ある日、これだけ気になっているなら本当はやりたいってことでしょ、やっちゃえ!と決意し、ついに観劇の予定に合わせて予約をした。日々歳を重ねるうちに、1日でも若いときにやった方が良さそうな気がした。
結果、やって良かった。楽しかった。もっと早くにやればよかった!
予約当日。朝イチの予約をしたので大劇場開門と同時に訪問。
私が選んだのは舞台メイクありの衣装2着コース。
衣装や背景、小物を選択し、肌着に着替えたらいよいよメイク開始!
個人差があるかもしれないが、私はメイクに大体40分くらいかかった。
ドーラン→粉→ドーラン→粉と塗り重ねていく。鏡に映る自分を見ながらえ、こんなにピンクでいいの?こんなに鼻筋くっきりしていたらおかしくない?と不安になってきたが、いやいや、撮影時は強い照明が当たるんだからこれくらいでいいのだ、と思い直し、ひたすらメイク担当のお姉さんに身を任せる。
意外だったのは、アイメイクよりも眉毛に時間がかかったこと。
普段のメイクでもそうだが、眉毛は顔全体の印象を大きく変えるポイントなのかもしれない。
衣装は手袋まで丁寧に着せてくれ、ここでもただスタッフさんに身を任せる。
スタッフさん数人がかりの撮影では、姿勢や目線、小道具の持ち方まで細かい指示が多く、何だか恥ずかしくなってきて顔も引きつってくる…が、デコルテやウエストを褒めてくれたり、撮影中も綺麗!かわいい!とひたすら盛り上げてくれた。嬉しいような恥ずかしいような、お世辞とわかっていても、口元がほころぶ。そしてとにかく楽しませようとしてくれるプロ意識に感心した。
たくさん褒めて気分アゲアゲにしてくれたスタッフさんたちに心から感謝。
月並みだけど、そして本物の衣装はもっと重かったり動きにくいんだろうけど「これ着て笑顔で歌って踊れるタカラジェンヌってすごい!」と思った。
撮影後、ベースメイクは自分で備え付けのメイク落としでオフしたのだが、全然落ちない!毎日これやってたら肌への負担大丈夫!?とやや心配になった。
自撮りの時間や撮影後のメイク落とし&セルフメイクの時間は個人差あると思うが、トータルで2時間くらいかかった。
もし自分が死んだら、この写真を遺影にしてもらおうかな…出棺のときの音楽は「さよなら皆様」か。いや、「TAKARAZUKA FOREVER」でパレード風にノリノリで送り出してもらってもいいか…そんな妄想が頭を駆け巡りながら、長年の夢が叶ってすっきりした気持ちで大劇場を後にした。
完成品は一週間ほどで自宅に届いた。
今は恥ずかしくてあまり見れてないし、人にも見せてないけれど、何年か経ったときにいい思い出だったな、と笑って見たい。
撮影した写真を使ったポイントカードが作られ、同封されていた。あの衣装も着てみたいし、ポイントカードあるならまたやろうかな、と思わせるところがすごい。
生徒が心身共に健康に毎日公演できることは当たり前のことではないということを、この4年半で私たちは思い知った。
日常生活でも、よく行っていたお店が急に閉店していたことを経験した人も多いはず。
当たり前と思っていたことは、努力や運の積み重ねの上に成り立っていて、いつでも行ける、と思うことはある種傲慢なことだとわかった。
だから、本当に行きたかったら自分が元気なうちに早く行った方がいい。
自分がやろうかどうか悩んでいるときに、色々な方の感想を読んで後押ししてもらったので、もし今悩んでいる方がこれを読んで参考になったら嬉しい。
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