藤野ゆき

趣味:観劇、散歩、読書

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最近の記事

北村薫著「街の灯」を読んで

戦前の帝都を舞台に、社長令嬢の花村英子と、お抱え運転手の別宮みつ子(ベッキーさん)が様々な謎を解く「ベッキーさんシリーズ」の第一弾。 宮部みゆきの「蒲生邸事件」を読んで同じく二・二六事件を扱った小説が読みたくなり、ベッキーさんシリーズ最終章「鷺と雪」を知った。まずはシリーズ第一弾、この「街の灯」から。 シリーズは二・二六事件の4年前、五・一五事件が起きた1932年(昭和7年)から始まる。 「ベッキーさんシリーズ」というからには主人公はベッキーさん?と思いきや、物語は英子目線

    • 宝塚ステージスタジオ体験記

      少し前の話だが、宝塚のステージスタジオでタカラジェンヌのメイクや衣装着用を体験をした話を書き記しておきたい。 ステージスタジオとは、宝塚大劇場内にある宝塚歌劇の衣装を着用した写真や、スターとのツーショット合成写真を撮影できるスタジオである。 大劇場の一角、ずーっと気になっていたが勇気がなくて予約するまで至らなかった。どうせ似合わないし、価格も高いし、恥ずかしいし…でも常に頭の片隅にあった。 ある日、これだけ気になっているなら本当はやりたいってことでしょ、やっちゃえ!と決意

      • 宮部みゆき著「蒲生邸事件」を読んで

        雪が降るような寒い頃から、桜の咲く時期に読みたい一冊。 1994年、浪人生の孝史は時間旅行ができる能力を持つ男・平田と共に1934年の二・二六事件真っ只中の帝都にタイムトリップし、蒲生邸での事件に巻き込まれていく。SF、歴史、ミステリー、少しの恋愛(?)ありのまさにエンターテインメント。 事件が進むにつれてワクワクすると同時に、日本の歴史、特に戦争についても考えさせられる。 二・二六事件が起きた当時の民衆に思いを馳せる。この中で描かれているように野次馬をしたり、批判をした

        • 森下典子著「いとしいたべもの」「こいしいたべもの」を読んで

          「日日是好日」を読んで、季節を大切に生きる著者に惹かれてこの食べ物に関するエッセイを購入。「いとしいたべもの」の続編が「こいしいたべもの」である。部屋でゆっくり、お茶を飲みながら味わいたくなる話だった。 テーマのほとんどは身近な、一度は食べたことのある料理やお菓子、食材。それでも食べたことのない有名店の和菓子や、久しく食べていないメーカー品は思わず食べたくなって検索したり、実際に買ったりした。 水ようかんにカレーパン、おこわ、鳩サブレーに芋きんが特に食べたくなったけど、次

          原田マハ著「常設展示室」を読んで

          美術館の常設展示室にある名画にまつわる6つの物語。 読み終えるごとに、これはどんな絵なのだろう?と調べていた。 アートはそれほど詳しくはないが、美術館に行くのは好き。でもどんな楽しみ方をすればいいのか。ただ作品を見て「すごーい」と感じるだけでいいのか。何かヒントがあるような気がして、キュレーターである著者のこの作品を読んでみた。 人生の分岐点に立つ6人の女性たちは、絵画を鑑賞することでそれぞれの人生を変えるきっかけを掴んでいく。 「デルフトの眺望」は亡くなった親のことを

          原田マハ著「常設展示室」を読んで

          自己紹介

          文章を書くのが好きだった。 ジャンルにとらわれず色々なことを書きたい。 Twitterじゃ短すぎるし、日記でもないからブログも違う気がする。 自己満足でいいから、自分が考えたことを記録したくて、noteを始めることにした。 まずは自分のことを書こうと思って、自分を表すこととして一番に思い浮かんだのが宝塚だった。 宝塚に出会ったのは高校1年生のときだった。 高校受験も終わり、まだ人生経験が乏しく「趣味」と言えるようなこともないときに出会ったのが宝塚だった。 それからは宝塚