鏡の中のニヤケ顔。

僕は鏡を見た。
鏡の中には、だらしのない顔をした僕が映っていた。
僕の顔は傷だらけだった。
だけど、僕はニヤケ顔。
初めての喧嘩。
まだ仲直りはしていないけど、清々しい敗北。
会社の同僚の女の子と、スマホでLINEをしながら、パソコンでLINE通話をしていたのが、バレたのだった。
どうしてバレたのか?
それは彼女がビデオ通話中に、鼻の穴を広げて、白目になったのに、僕が同僚の女の子とのチャットに夢中で、反応しなかったからだ。
他の女と、私に隠れて何喋っとんねんと、ギャギャッと爪を立てられた。
まるで漫画原作の映画のコメディのよう。
僕と彼女の喧嘩で金が稼げれば、大したもんだが、実現不可能なドラマだろう。
だけども、これがドラマでなくてよかった。
僕と彼女の関係は、やはりドラマや映画じゃ語れない。
喧嘩しながらも、楽しみながら、彼女とは付き合わせてもらっている。
僕のタイセツな彼女。
他には居ない存在。
彼女は時代劇好き。
僕は韓ドラ好き。
どちらも干渉はしない。
それが二人の決めたわけじゃない二人のちょっとした決め事の一つ。
この顔の傷は二人の勲章。
こんな昭和な言い方も、二人のちょっとした口癖。


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