SHOCK!SHOCK!SHOCK!
「あ、すいません」
「いえ、私こそ」
僕と彼女の出会いはこんな風だった。
そこは、図書館の小説コーナーだった。
一冊の小説を僕と彼女は同時に手にした。
こんな出会いって、まるで恋愛小説みたいだ。
引っ込めた彼女の手、僕は書棚の小説を手に取り、彼女にその本を差し出した。
「どうぞ」
僕は笑顔でそう言った。
「いいんですか?」
「うん、僕はあなたの後で読みますから」
彼女も笑顔になった。
「ありがとうございます」
僕と彼女の出会いはこんな風だった。
彼女とは、それ以来毎週土曜日の午後に、その図書館の喫茶店でランチをするようになった。
彼女は本の虫だった。
僕と彼女は、その喫茶店で互いの好きな本の話に華を咲かせた。
彼女はその爽やかな笑顔に似合わず、イヤミスの小説が好きだった。
イヤミス・・・、読後、嫌な気分になるミステリーの事だ。
彼女は話に熱が入り過ぎて、いつも僕がまだ読んでいない小説の結末まで話してしまう。
そんな彼女に腹を立てる事もなく、僕は彼女のその熱弁を内心、楽しみにして聞いている。
そんな彼女だから、僕は彼女を好きになったのだ。