星の王子様。
これまでに真剣に怒った事がある?、と彼女に言われた。
これまで生きてきて、真剣に怒った事か・・・、僕は取り敢えず考えてみた。
中高大学一貫型のエスカレーター式の学歴の僕だった。
一番勉強したのは、中学受験の時。
一番練習したのは、部活でも絵画の授業でもなく、面接の練習。
そんな僕が大人になって、出来上がったのがろくでもないこんな自分だった。
何がやりたいという訳でも無く、大人になっていき、僕は夢という壁にぶつかってしまった。
小学校の時に読んだサンテグ・ジュペリの「星の王子様」。
その中には、僕がまだ理解出来なかった大人の社会に現われた穢れを知らない王子様の物語があった。
あの星の王子様は、最後どうなったんだろうか。
ちゃんと自分の星に帰り、美しいたった一つのかけがえのないバラの花と再会が出来たのだっけ?
物語の結末はいつも覚えていない事が多かった。
自分の最期を誰が覚えていてくれるのだろうか。
僕は君と最後に会った時の事を忘れていないよ。
あの時のさよならの言葉は、本当に最後になってしまったね。
バイバイ、星の王子様。