受容。
死海―――。
中東にある塩湖。西側はイスラエル、東側はヨルダンに接する湖。
そこでは、海の塩分濃度が約3パーセントだとすると、死海の湖水の塩分濃度は30パーセントある為、湖に体を浸すと、体が湖面に浮かぶのである。
僕は今、その死海にいる。
湖面に浮かんでいる。
プカーン・・・・。
気持ち良い。
僕は目を瞑り、太陽が顔に当たっている感覚に身を浸した。
気持ちいい・・・。
僕は湖面に浮かんだ自分の全身の浮遊感を楽しんだ。
浮き袋も何も要らない。
只、浮遊感を楽しんでいるだけ。
悪い事じゃない。
心の平穏を取り戻しているだけ。
周りは驚くほど静かだ。
僕はその静けさに日常のざわついた気持ちを置いて来る。
この湖に浮いている僕からは、日常など無縁のような気がしてくる。
湖に浮かぶ僕。
目を瞑っても、太陽の光を感じる。