季節の変わり目。
季節の変わり目は何かとイライラしたり、落ち込んだりする僕です。
周りの人とすれ違ったり、円滑な人間関係が図れなかったり、そんなチグハグな日がありました。
そんな時に限って、いつも相談している姉とは連絡が付かない。
どうしたんだろーと、不安と苛々は募るばかり。
そんな時もあってもいいのでは?
自分で考える時間があってもいいのではないか。
季節の変わり目には、皆が苛々を募らせているのだろう、と僕は思った。
不安なのは、きっとみんな一緒で、その原因は冬から春に季節が移り替わろうとしているからだと思うのでした。
そんな季節の変り目を思った一日でした。
* * * *
「今度のお前の誕生日は絶対お前の欲しかったニンテンドースイッチを買ってやるからな!」
私のお父さんは、私が言うのもなんだけど、遊び人だ。
浮気が一年間に3度続き、お母さんの堪忍袋の緒が切れて、とうとう二人は離婚した。
私はお父さんに引き取られていったが、お父さんは働かないばかりで、私が新聞配達のアルバイトをして、一家の大黒柱となっている。
そのお父さんが私の誕生日にニンテンドースイッチを買ってくれると言う。
時計を見るともう夜の11時を回っていた。
その頃、父親はパチンコ店から出て来るところだった。
その顔はしょげ返っていた。
彼は黄色の長財布の札入れを見た。
札入れには、何も入っていなかった。
彼は金運に恵まれるようにと、黄色の長財布を使っていた。
そして金運が下がらないようにと、財布の中には要らないレシートなどのごみを入れないでいた。
「悲しむだろうなー、きっと」
父の背中を項垂れて、その背中は丸まっていた。