みんな、聴こえてるんでしょ?
本当は僕と何も変わらないんだろう。
あいつも奴も僕と何一つ変わらいない筈だ。
いつも静かに笑う彼女さえも僕の持つ悩みを抱えてる筈だ。
僕はあいつの声が聞こえる。
彼女の声が聞こえてくる。
その代わりに僕の考えはあいつらに聴こえてるんだろう。
ハッキリと断言できる。
あいつらは、只それを黙っているだけ。
そう、黙っているだけなのだ。
僕が精神病院で統合失調症と診断を受けただけなのだ。
あいつらも、精神科で自分の身に起こった全てを洗いざらい話せば、必ず僕と同じ病名を診断されるだろう。
僕が聴こえる幻聴は、何も特別じゃない。
誰もが幻聴を聴いていて、それを誰も口にしないだけ。
変人と思われない為に。
皆、ホントは聴こえてるんでしょ?
今の僕は、あの時と何も変わらない。
もうずっと幻聴の声を聞き、妄想に苦しめられているのだ。
僕だけじゃない。僕だけの筈がない。