ゴールです。
心臓がバクバクして、壊れそうだ。
僕は脱兎の如く、駆けていた。
だけど、ゴールが何処にあるのか僕は知らない。
僕が走っていると、後ろから僕を追い抜いていく人がいた。
僕はその集団に付いていけない。
僕が走った距離をどんどん追い越して、彼らは遥か先頭集団に追いついて行く。
僕は追いつけない。
息が苦しい。
息は苦しいのに、一歩もゴールに辿りつける気がしない。
僕は走る歩を止めた。
心臓はまだバクバクと云っている。
僕は走るのを止めたら、いい事に気付いた。
自分のペースで走ればいいんだ。
自分のぺ―スで、ゴールを目指せばいいんだ。
僕はゴールを見つけられないでいる。
でも、僕の彼女が僕をゴールへと導いてくれる。
一緒にゴールしよう。
彼女に感謝しながら。
一緒にゴールテープを切ろう。
もう苦しくなんかない。
僕も友人も完走するんだ。
ゴールはもう少しだから。