学びほぐして進化する
思うとろこがあって、コーチングの勉強を始めました。
まずはクライアント側を体験したかったので、コーチとして活動されている方に依頼して、90分のセッションを受けてみました。
そのコーチが資格を取得されたスクールを教えてくださったので、早速体験受講へ申し込み、150分の講座を受講してみました。どちらもオンラインで受けることができたので、つくづく良い時代になったなと感じています。
昨今、リスキリングという言葉をよく耳にするようになりました。経済産業省の資料によると、リスキリングは以下のように定義されています。
近年は特に、社会のデジタル化や企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)戦略のなかで、新しく生まれた仕事に順応するための職業能力再開発という文脈で使われることが多いようです。
以前もスキルについて投稿を書きましたが、リスキリングが指し示すスキルは、後天的に身に付ける職能などを意味します。さらに、そのスキルはソフトスキルとハードスキルのふたつに分類することができます。
ソフトスキル=人間力
ソフトスキルとは、仕事をこなすうえでベースとなるスキルのことです。 具体的にはコミュニケーション能力、問題解決力、創造性などが該当します。「人間力」と言っても良いかもしれません。いま私が勉強しているコーチングも、ソフトスキルに該当します。
ソフトスキルは経験を通して学習していくもので、座学だけで身に付くものではありません。もちろん知識も必要ですが、ワークショップや業務のなかで、とにかく実践の場数を踏むことが大切です。
ソフトスキルは汎用性が高く、時代や環境が変化しても役に立ちます。一方で、評価の尺度を定義しづらいため、定量評価が難しいです。あえてポジティブに表現すると、一生勉強し続けられるスキルであると言えます。
ハードスキル=専門性
それに対して、ハードスキルは仕事に必要な専門性の高いスキルのことです。デザイン、プログラミング、マーケティング、会計など、客観的な評価や識別が可能なスキルが該当します。
習得方法が体系化されているものが多く、教育や研修を通して習得することができます。また、資格や検定などによって熟練度が確認でき、定量的な評価がしやすいという特徴があります。
ハードスキルは、時代の変化とともに陳腐化しやすい傾向にあります。特に近年は、テクノロジーの導入によりオートメーションが加速し、人間の雇用が失われるといった事態が起きています。
オックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授は、2013年に発表した論文のなかで、今後10~20年でアメリカ国内の雇用者の約47%が自動化される可能性が高いと述べています。
このような現象を技術的失業(Technological Unemployment)と呼びます。技術的失業を回避するために、リスキリングが必要となってくるのです。このとき、新たなスキルを身に付けるのはもちろんのこと、時代遅れになったスキルを手放していくことも求められます。
アンラーニング=スキルの断捨離
いま身に付けているスキルの中から、時代に合わなくなったものを捨てて、代わりに新しい知識・スキルを取り込む行為のことをアンラーニング(学習棄却)と呼びます。「学びほぐし」「学び直し」などとも表現します。
必要とされるハードスキルは、時代と共に変化していきます。特に歴史に残る大転換の時代においては、それまでの習慣や価値観が一気にひっくり返るということを、私たちはこの3年間で学びました。
旧来の価値観やルーティーンに縛られていては、時代の変化に順応することができません。私たちのスキルセットも、時代に合わせて進化させていくことが求められます。手持ちのスキルに固執し過ぎたあまり、気が付いたら時代に取り残されていた…といった事態は避けたいものです。
変わらないために変化する
ソフトスキルとハードスキルは、どちらがより優れていると比較するものではなく、両輪で伸ばしていくことが望ましいです。ソフトスキルは汎用性が高く普遍的であるのに対して、ハードスキルは時代とともに陳腐化しやすいので、適時アップデートしていく必要があります。
変化には不安が付きまといますが、それでも一歩を踏み出すための勇気をもって、自分のスキルをアップデートしていくことが大切です。そもそも時代背景が変化していくなかで、自分だけ不変で居続けることは困難です。
むしろ、自らが積極的に変わり続けていくことが、結果的に自分が心地よい状態を持続させる秘訣ではないでしょうか。時代の波に乗って、一緒に進化していけたら嬉しいです。
では。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?