![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/171710159/rectangle_large_type_2_39c11aaed84512d9c9469a70c722752e.png?width=1200)
さようなら、マスメディア
テレビ局の話題が世間を騒がせています。
事の真相は公にされていませんが、相変わらずの旧態依然とした対応に、批判が集まっているようです。
SNS上での批判を鑑みて、75社以上のスポンサーがテレビCMの出稿を差し止めるという、前代未聞の事態が起きています。
個人の発信力が飛躍的に向上した結果、世論が大企業の屋台骨を揺るがすほどに、影響力を持つようになりました。
個人がマスメディア以上に影響力を持つ時代
かつて、情報の発信源といえばテレビ、ラジオ、新聞、雑誌といったマスメディアが主役でした。
マスメディアはマスコミュニケーションという手法を用いて、不特定多数の大衆(マス)に向けて大量の情報を伝達しています。
マスコミュニケーションでは、送り手と受け手が固定されており、情報は一方的に伝達される仕組みです。
マスコミュニケーション(英: mass communication)あるいは大衆伝達(たいしゅうでんたつ)とは、マスメディア(具体的にはテレビ、ラジオ、インターネット、新聞、雑誌、書籍など)を用いて、不特定多数の大衆(マス)に大量の情報を伝達すること。対義語としてのパーソナル・コミュニケーションとは異なり、時間的、空間的距離を置いて間接的に行われるコミュニケーション手段である。マスコミュニケーションにおいては、送り手と受け手が固定されており、情報は一方的に伝達される。
「何を伝えるか」や「どのように伝えるか」はマスメディアが決定しており、一般大衆がその選択に関与する余地はほとんどありませんでした。
しかし、SNSとスマートフォンの普及によって、個人が自由に情報を発信できる時代が到来しました。
ブログやSNS、YouTubeなどのプラットフォームを通じて、誰でも手軽に自分の意見を世界中に発信できるようになったのです。
この変化によって、個人の視点から生まれる多様な情報がリアルタイムで、かつ双方向に流通するようになりました。
さらに、SNSで多くのフォロワーを持つインフルエンサーや、特定の分野で知識を共有する専門家YouTuberなど、影響力のある個人が次々と登場しています。
その影響力は、ときに企業やマスメディアを凌駕することすらあります。
都合の悪い情報を隠し通すことはできない
今回の一件を見ていて、古い体質とビジネスモデルが立ち行かなくなっていると感じています。
古い体質とは、人権を侵害するような対応と、それを隠蔽できると高を括る昭和的な思考です。
個人の発信力が高まった現代において、批判に値するような言動は、過去に遡ってまで公開処刑されます。
東京オリンピック・パラリンピック開会式の作曲担当を任命されたアーティストが、過去に雑誌でいじめを自慢していたとして炎上。発表からわずか数日で辞任したことは、記憶に新しいところです。
SNSの登場により、誰もが自由に情報を発信し、共有できるようになり、社会全体の透明性が格段に向上しました。
悪事千里を走るという諺があるように、不正行為などの物議を醸す話題ほど拡散され、炎上しやすいものです。
たとえマスメディアであろうとも、情報を意図的に操作することは難しい時代になっているのです。
マスメディアのビジネスモデルの終焉
古いビジネスモデルとは、広告枠を販売してコンテンツを発信するというマスメディアの手法です。
実は今回の一件以前から、テレビCMを止めて広告をデジタルシフトする大手企業は増えています。
資生堂は2020年第二四半期の決算説明で、媒体費に占めるデジタル比率を2023年には90〜100%に拡大すると宣言しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1737873372-QKR3PxrS7nhfidsIml8BOMjc.png?width=1200)
衣料品チェーン大手のしまむらも、2021年2月期の決算説明会で、テレビCMをゼロにして、動画広告をはじめとするデジタル広告へシフトすることを発表しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1737873748-wS8IrUp2o7blOJYT56jD9nWc.png?width=1200)
Web広告のプラットフォームは、これまで広告代理店が担っていた運用や分析を、自動で最適化できるツールを提供しています。
その結果、広告の制作から運用までを自社で手がける企業が、急速に増加しているのです。
おそらく今回の騒動でテレビCMを差し止めた企業のうち、少なくない数の企業がデジタルシフトに舵を切るでしょう。
今後、企業のマスメディア離れは加速すると予想しています。
これから何が起きるのか?
渦中のテレビ局およびグループ会社の国内取引先数は約1万社あるそうで、一連の問題は大規模に波及する可能性もあります。
また、これまでテレビCMの費用対効果に懐疑的だった企業は、これを契機にデジタルシフトしていくでしょう。
そうなると、すべてのメディアに影響が広がります。
この騒動はテレビ局一社だけの問題に留まらず、制作会社や広告代理店なども巻き込み、産業構造をひっくり返す大きな渦に発展するかもしれません。
ひょっとしたら、これが2024年2月4日からの20年で起きる、終わりの始まりなのでしょうか。
きかっけはフジテレビ…お後がよろしいようで。
では。