フリーランスを夢見るみなさんへ
年末です。
今年もMidjourney で年越しそばを生成してみました。
あれ?なんか劣化していますね。
生成AIは未だ発展途上であり、昨年末に書いた無人化の時代が到来するのは、もう少し先の話になりそうです。
とはいえ、世界は絶えず変化しています。現在の当たり前にいつまでも執着していると、時代に取り残されてしまいかねません。
今年最後の投稿では、2024年に起きた変化についてふりかえってみます。
フリーランス、会社員への転職5年で3倍
会社員に戻りたいフリーランスが増えているそうです。
人材大手のリクルートとパーソルキャリアによると、2024年4~9月のフリーランスから会社員への転職は5年前の3倍近くに達しています。
そもそも収入が不安定なところへ、昨今の競争激化と物価高騰が重なって、安定収入が見込める会社員への揺り戻しが起きているのです。
また、企業の働き方改革が進み、会社に籍を置きつつ副業・兼業できる環境が整いつつあることも影響しています。
独立というリスクを冒さなくとも、会社員でも好きなことをして生きていくことができる世の中になってきたのです。
企業とフリーランスをマッチングするランサーズも、フリーランスから正社員への転職を支援する新サービス「フリーランス転職」を、今年の4月から展開しています。よほど大きな潮流なのでしょう。
会社勤めかフリーランスか…といった二択でキャリアを考えなくても、働き方はいくらでも柔軟に選べる時代なのです。いいですね。
在宅フリーランス予備軍の台頭
ただ、競争が激化していることからもお分かりのように、離脱するフリーランスが増えるいっぽうで、フリーランスの総数は増加傾向です。
総務省統計局が2023年に発表した「基幹統計として初めて把握したフリーランスの働き方」によると、日本の有業者の中で本業がフリーランスの人の数は209万人となっています。
上記に加えて、副業フリーランスが存在します。前述の調査の数字から推測すると、およそ82万人の副業フリーランスが存在する計算になります。
ざっくり300万人超のフリーランスが、仕事を巡り争っているのです。
さらに、在宅フリーランス予備軍という表現が適切かどうか分かりませんが、オンラインスクールで学びたて&実績がない方々が加わります。
在宅フリーランス予備軍は、その多くが子育て世代の女性です。
今はフルタイムで仕事ができないけれど、ご自身の将来のキャリアを見据えて、在宅ワークでスキルアップを目指し奮闘されている方々です。
実は、リモートで仕事が提供できる企業にとって、在宅フリーランス予備軍は非常にありがたい存在です。
フルタイムで働くことにこだわりがなく、報酬より経験を優先される傾向にあります。本業フリーランスよりも圧倒的にお仕事を依頼しやすいです。
本業フリーランスの競合は、間違いなく在宅フリーランス予備軍です。
フリーランスを量産するオンラインスクール
そして、フリーランスの増加を猛烈に後押ししているのが、SNS主体で集客している新進気鋭のオンラインスクールです。
特に、2019年以降に立ち上がった人気のスクールには、下記のような共通点があります。
SNS(特にX)が主戦場
現役クリエイターが発起人
基本的にはオンラインで完結
既存のスクールよりも低価格で受講できる
添削を伴う実践的な課題が多い
プロがメンターとして学習をサポート
制作だけではなく営業手法なども学べる
受講生限定の会員制コミュニティが存在
これらのスクールは玉石混交です。
どこで学ぶかというのは重要な選択ですが、未経験から学び始める方がスクールの良し悪しを見定めるのは至難の業でしょう。
ひとつだけアドバイスするとしたら、「簡単に稼げる」と謳うメンターには気をつけたほうがよいと思います。
簡単に稼げるスキルを身に付けたのにも関わらず、なぜわざわざメンター業務に時間を割いて、その方法を教えてくれるのでしょうか?
そっちのほうが、競争に巻き込まれることなく「簡単に稼げる」からです。
フリーランスのクリエイターとして仕事をするよりも、フリーランスを目指す人に稼ぎ方を教えるほうが儲かるというわけです。
裏を返せば、フリーランスとして安定して稼ぐのは、なかなかに難しいということです。
フリーランスを夢見るみなさんへ伝えたいこと
2024年は、フリーランスの皆さんからたくさんメール営業をいただき、面談させていただいたおかげで、フリーランスを目指す方々を取り巻く現状を知ることができました。
ビジネスの世界には「マイニング・ザ・マイナーズ(採掘者を採掘する)」という戦略があります。
1849年にアメリカのカリフォルニアでゴールドラッシュが起き、一獲千金を狙って大勢の人が押し寄せました。そのとき一番儲かったのは、スコップやツルハシなど金を掘る道具を売る人たちでした。
今のクリエイティブ界隈は、ツルハシ売りが儲かるフェーズになっており、賢明な先駆者は会社員へ回帰しているような状況です。
それでも、あえてフリーランスのクリエイターを目指すとしたら、どんなメリットが考えられるでしょうか?
お金儲けでないのは確かです。
私は、率先して手を動かすのが好きで、人の役に立つことに喜びを感じる、自利利他志向のクリエイターと一緒に仕事がしたいなと思います。
2025年も、そんな人たちと出会えるのを楽しみにしています。
では、良いお年を。