つながるだけでいい
当たり前のことが当たり前でなくなっている
毎日、毎時間、わたしの知っていたアタリマエが変化している。
世界的なアタリマエが気づかないうちにどんどんアップデートされ、あっという間に想定できなかった世界へと刷新されてしまう。ぼーっとしていたら、小さなアタリマエの逆立ちを見つけられない。
安全を感じる場所をつくる
ある友人の会社では在宅勤務が始まったが、始業時に朝礼をしているという。事務所でしていた通り、オンラインでも継続するという話。
今さら朝礼するの?!
という反応もあろうが、わたしはこれ、2つの視点で良い施策だと思う。
①いつもやっていることを形を変えても継続する
②全員でコミュニケーションをとる
いま、わたしたちがいる不安定で危機的な状況。
そこに必要なのは、安心安全と感じられる環境である。
例え全員が在宅勤務に慣れていたとしても、不安が出る時期である。
少しの不安は、お互いの顔を見たり、近況を知るだけでも軽減できる。
安全と所属へ
アメリカの心理学者マズローによると、人間の欲求は5つの階層になっており、下の層の欲求が満たされると上の欲求が生まれると考えられている。
トイレットペーパーがなくなるのではないか、水やお米はどうしようか。
こうした生存の危険は、最下位の生理的欲求を生む。
ウィルスから身を守りたい安全の欲求もある。
社会的欲求は所属と愛の欲求ともいわれるもので、社会と繋がりたい、人間関係を持ちたい、どこかに所属していたいと思うもの。自分はひとりではない、社会の一員であると感じられれば満たされる。
朝礼がたとえオンラインであろうと、たとえ嫌いな上司が主催するものであろうと、そこに存在しなければならないと思えること自体に意味がある。社会的欲求を満たすことになる。
ハラスメントを受けているような場合には、安全を感じることができないため、全く逆効果になるだろうが、そうでなければ大切な役割を果たすはずだ。
雑談でよい
朝礼で話すほどの中身がないなんて、嘆く必要はない。
同じ時間に同じ場所で集まることで役割を果たす。
気の利いた発言をして誰かを喜ばせようなんて、無理しなくてよい。
すぐに何か得られることなんてなくても、誰かに会うことができた、人と話すことができた、そういうことだけで生きる希望を持てる。
いまはそれ以上のことを求める時期ではないように思う。
上位の欲求には、承認欲求、自己実現欲求と続くが、それはあくまでも安全と社会的欲求が満たされたうえでのこと。
朝礼のないあなたへ
どこの組織にも属していないケースや、所属してはいるものの、繋がりを感じられないこともある。
コミュニケーションが足りない、人との会話がない、と感じるかたがあれば、ぜひ連絡してほしい。毎夜8時からのオンラインおしゃべり会でも、わたし個人でも、話すことで安全が確保できることは経験上知っているので、役に立てると思う。
何か気の利いたことをしゃべろうなんて思わなくていい。
安全への道は、つながることから始まる。