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ourlyが目指す未来ー企業文化の醸成から日本社会の課題を解決する

ourly取締役COOの髙橋新平(@shimpeit0820)です。

本noteでは、ourlyと接点を持ってくださるすべての方、特に採用選考フローの中でourlyを一つの候補として考えている方に向けて、どんな未来を描こうとしているか?を書いていきます。

文字量が多いですが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。


こんなに豊かで美しい国なのに、働きがいがなく、自殺率も高いという問題

日本は第二次世界大戦の復興から驚異的な経済成長を遂げ、先進国の仲間入りをしました。僕自身は1990年(平成2年)の生まれなので高度経済成長もバブルも冷戦も歴史として学んだ世代です。
ですから、そもそも”経済成長する日本”というのを目撃したことがありません。

当時は働けば働くほど物質的に豊かになる時代だったようなので、「24時間戦えますか?」に代表されるキャッチコピーにあるように「働く = 豊かになる」という図式が成立していた時代なんだと想像しています。

ところがバブル崩壊以降、すでに物質的に豊かになった日本は経済成長が鈍化しています。とはいえ、数百円出せばめちゃくちゃ美味しい牛丼が食べられますし、千円ちょっとを支払えばストリーミングサービスで映画、ドラマ、アニメなどが見放題。とにかく豊かになりました。

そんな中で日本社会は人々が働く意味(なんのために働くのか?)を見いだせずにバブル崩壊後の失われた30年が経過している状況です。

実際に先進諸国で働きがいを感じている人の割合は最低の順位にいます。
こんなにも豊かな国で、文化的で衛生面も優れている。人の民度の高さなどで高い水準にもある。しかし、働きがいは全然感じられていない。これは大きな問題だと思っています。

出典=米ギャラップ「State of the Global Workplace 2023 Report」

また、これだけ物質的にも文化的にも豊かな国であるにも関わらず自殺率は他の国と比較して高い水準にあります。

出典:OECD

働くこと(労働)は悪なのか?

私自身、2015年に社会に出てから約10年ほど社会人生活を送っています。
キャリアの中では大企業、ベンチャー、フリーランス、企業経営と様々なキャリアを経験させてもらいました。
様々な方との関わりを通じて感じるのは、人は驚くほど働くことにネガティブな感情を抱いていること。

僕自身はありがたいことに仕事も大好きですし、新しいことを学ぶことも好きです。なので仕事を通じてのスキルの習得や成長だけでなく、新しい人との出会いや経験も含めて、本当に仕事が好きです。

仕事以上に面白いものが見つかっていないので、趣味はありますが、人生における一番楽しい趣味は仕事です。

人は頭で考え、意味を見出せる生き物である

哲学者のパスカルは「人間は考える葦である」という言葉を残しています。
意味は人間というのは弱い面もたくさん持って いるが、「考える」という特徴があるから偉大であるということです。

僕が思うのは、「働くことへの意味を人々が見い出せていないから働きがいがない国になってしまっているのではないか?」という仮説です。

実際に日本で衣食住を確保する生活をしようと思ったらフルタイムのパートやアルバイトでもある程度は生きていけると思います。
(先程の牛丼とストリーミングサービスのような話)
しかしながら、人間はそれだけでは満たされないという側面もあるということかなと思っています。

だからこそ、日本社会で働く一人ひとりが働くことの意味を見出すことができたら、働きがいが高まり、生産性が上がり、少しばかりの経済成長だって実現できるはず。

しかしながら労働法や社会的構造の観点から、人々が働くことに意味を見いだしにくい状況になっているのだと考えています。

人口減少とAIによる労働の代替という波

そんな中で更に考えないといけないことが2つあります。

  • 人口減少(特に労働人口の減少)

  • AIによる単純な知識労働の代替

労働人口は最新の統計だと2024年は70万人を割って60万人台になったと言われています。(まだ最新の2024年の統計が出ていないので)

出典:NHK

それに伴い、日本社会は大幅な労働人口の減少が予測されています。
実際に地方の企業と商談をさせていただくと、「とにかく採用ができない」と耳にします。また人口減少だけでなく、若年層が都市部に流出し、ダブルパンチで採用が大幅に難しくなっています。

2つ目のAIの台頭、普及による単純な知識労働の代替です。
経営共創基盤 IGPIグループ会長の冨山和彦さんが提言されているようにホワイトカラーは消滅の方向に進むと言われ、実際に我々も生成AIを活用して業務プロセスを改善していますが、本当に人間がやるよりAIがやったほうが良い領域が出てきています。僕自身は企業を経営する身として中途半端なホワイトカラーは仕事が無くなることを確信しています。
2025年はAIエージェントが更に進化、浸透すると予測されているので、一層この動きは加速すると思われます。

日本社会にとってチャンスが来ている!?

これらの構造的な要素をあわせて考えてみると、僕は日本の働き方、働きがいを高められる転換点(チャンス)にいると思っています。

労働人口は確実に減ります。
先進諸国で出生率を恒常的に改善できている国はほぼありません。つまり豊かな国の出生率が低くなるのはもはや必然だと捉えています。
労働人口が減る中で生産性と効率性を上げるためにAIをうまく活用していく、AIを活用することで人間が担う必要のないホワイトカラーの仕事を減らしていき、

真に人間がやるべき仕事を増やしていく

というのが日本の労働社会が目指すべき姿ではないかと思っています。

そして、真に人間がやるべき仕事をする世界において、一人ひとりが働く意味を見いだせるような、そういう仕事や会社を増やしていくことがourlyの使命だと考えています。(やっとourlyの話に入れます笑)

意味を見いだし、働きがいを日本の社会レベルで高めることができれば人口が減る中でも経済規模を維持、もしくは向上させられる可能性だってあると思います。

働きがいを変えるには人々の意識ではなく、構造から変えにいく

では、ここからどのようにして日本社会の働きがいを高めていくか?について考えを述べていきます。

社会課題を解決するために一番大きい範囲で言えば政治にアプローチをして直接的に社会構造を変えていけば良いのですが、仮に政治家になったとしても政党政治では与党になる必要がありますし、現状の日本の政治を見れば若いうちに影響力を発揮するのはかなり難しいことがわかると思います。

働く個人に影響を与えつつ、社会を変革しようと思ったら”企業”という単位にアプローチしていくことが最も効果性と効率性が良い、つまり実現可能性が高いと考えています。

幸い、人的資本経営というトレンドや人口減少により企業が働きがいが高まるような仕事、職場をつくることに意識が向いています。
この千載一遇のチャンスを逃す手はありません。

優れた企業文化を持つ企業を増やすことで日本社会の働きがいを高める

企業で働く人の働きがいを高めるために我々ourlyが着目しているのが

企業文化(カルチャー)です。

みなさんは働きがいのある会社の特徴としてどのような会社を思い浮かべるでしょうか?
パッと思いつくのは、サイバーエージェント、リクルート、メルカリなどに代表される企業文化の濃い会社です。

優れた企業文化は企業の競争優位をつくり、社員の働きがいも高める

というのが僕らourlyの主張です。

実際にマッキンゼーのレポートによれば優れた組織文化を持つ企業は長期的な収益のパフォーマンスが高いということが報告されています。
Organizational health is (still) the key to long-term performance

ですから、僕らの考えでは企業文化をないがしろにする会社は収益も得られず、社員の働きがいも高められず、人は採用できず、市場原理によって淘汰されていくと考えています。

だからこそ、僕らが市場啓蒙を行うことで企業文化に投資する素晴らしい会社を増やしていくことが重要な取り組みの一つになります。

ourly社内資料より

優れた企業文化の例として、サイバーエージェントはweb広告代理事業から始まり、現在ではゲーム、メディア(ABEMA)などを運営していますが、稼ぎ頭のweb広告代理は既存の巨大プレーヤーである電通、博報堂がおり、web広告分野でもセプテーニ、オプト、アイレップといった競合がひしめき合う業界の中にいても高い生産性を誇っています。

そして、これらは優れたサイバーエージェントカルチャーが競争優位を生み出しています。

我々ourlyは自社の理想やビジョンを実現するための優れた組織文化を醸成することを「カルチャーマネジメント」と定義し、企業文化の醸成をサポートしています。

ourly社内のカルチャーマネジメント資料より

2021年にサービスをスタートした当初は”web社内報”というシンプルなプロダクトで始まりましたが、
現在は3つのSaaSツールとコンサルティングを通じて、大企業から中小、ベンチャーまで様々な企業の文化醸成の支援をしています。

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2025年1月現在

企業文化という抽象度が高く、分かりにくいものを科学してマネジメントする面白さ

インターネットやWEBが登場したことで、これまでわかりにくく、抽象度が高かった企業文化を、科学的に計測、分析することができるようになっています。
計測、分析できるということは改善したり、変革しやすくなっているということです。

この1~2年の期間に多くの企業が我々ourlyの思想に共感してくださり、導入を決めてくださいました。

特に大企業のクライアントが増えたことで、少しずつではありますが日本社会の働きがいに影響を与えられる可能性も感じています。
更にはourlyのサービス開始直後に契約いただき、3~4年の運用で着実に働きがいや生産性が高まっている事例が出てきています。

↓↓ourlyの導入事例一覧

現在ourlyを活用してくださっている方は13万人程度(2025年1月現在)ですが、これは日本の全労働人口7,000万人のたった1.8%です。

少しでも企業文化に投資する会社を増やし、それを誠心誠意サポートすることで収益も働きがいも高める企業を増やしていくことが我々ourlyの使命です。

そういった企業が増えれば増えるほど、日本社会に優れた企業文化を持つ会社が増え、社会的な働きがいが高まると確信しています。

優れた企業文化をつくっていくための機能やサービスを開発していく

ここまで書いてきた通り、僕らは自社の収益を拡大することが第一目的ではなく、

優れた企業文化を持つ会社を増やす

これが僕らのミッションです。

ですので、機能を横展開で増やしていくというよりは、優れた企業文化をつくる方法を科学し、それに必要な機能やサービスを開発していくことを主軸に置いています。

まだまだ企業文化を科学しているような事例は世の中に多くないので、実験や失敗を繰り返しながら取り組んでいくことが必要です。

確実に儲かる領域でもないですし、市場があるかもわかりません。
でもなんだか最近、色々な企業が思想に共感してourlyをご契約してくださっているので、僕はすごく可能性があると確信に近いものを持っております。

このチャレンジは簡単ではないですが、世の中簡単じゃないから面白いんだと思っています。

このチャレンジを一緒にしてくれる方は、是非お話ししましょう!
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