BB小説家コミュニティの活用術
はじめに
株式会社BookBaseが主催する「BB小説家コミュニティ」という、オンラインの創作コミュニティがあります。かれこれ3年半近く続いているので、名前くらいは聞いたことがある、という人もいるのじゃないでしょうか。
中には、興味はあるのだけど、その中で何をやっているのか、どう活用すればいいのかわからない、ということで申し込みまで至らない人もいるかと思います。
または、いざ参加してみたはいいけど、何をすればいいのかわからない、という方もいらっしゃるかと思います。
そういった人達に向けて、非公式ながら、3期からずっと入り続けている私が、「BB小説家コミュニティの活用術」ということで紹介したいと思います。
https://community.bookbase.jp/
ちなみに、こんな記事を書いているから、私のことをBookBase信者じゃないかとか、そういう疑いを持たれる方もいるかもしれません。
私は、ぶっちゃけて言うと、そこまでBookBaseにのめり込んでいるほうではないです。社長のオタクペンギンさんの語る内容には、五割賛同、五割疑問、といったスタンスですし、BookBaseのオリジナルレーベル「ダンガン文庫」の行方についても俯瞰的に見守っている状況です。
ただ、BB小説家コミュニティには、本当に、いっぱいお世話になっておりますし、カクヨムのDiscordサーバも合わせて様々な創作コミュニティに所属している中で感じたのは、BBコミュは創作をするのに特化したとてもよい場所である、ということです。
それでは、BB小説家コミュニティに参加するところから、どのような感じで進んでいくのかを、説明します。
BB小説家コミュニティで使用するツール
まず、申し込みは公式ページのGoogleフォームから行います。
ページ最下部に応募フォームへのリンクがあるので、そこをクリック!
申し込んだ後は、運営からメールが届きますので、その内容に従って進めていけばいいですが、ここで、ひとつ知っておく必要があるのは、BB小説家コミュニティでは二つのアプリを使う、ということです。
一つは「Slack」。もう一つは「Discord」です。それぞれ各「期」毎にサーバが立てられ、そこにアプリを通してアクセスする、というイメージです。
Slackでは主に、運営からのお知らせや、感想サービスのやり取りを行います。感想サービスについては後述。
Discordは、執筆の作業部屋が設けられており、その他にも会員同士での交流をはかる場でもあったりします。
イメージとしては、Slackはあまり動きが大きくない場所ですが、Discordは毎日誰かしらがスレッドに書き込んでいたり、トーク機能を使ってお喋りしていたり、と活発に動いております。
コミュニティの「期」は、3ヶ月限定。その後、1ヶ月のインターバルを置いて、次の「期」が始まる感じですが、Slackはずっと残っています(ただしSlackの仕様で無課金だと90日で内容が見られなくなります)。その「期」だけの参加で、次の「期」からは申し込まなかったとしても、Slackにはアクセス可能です。
一方で、Discordは3ヶ月の期間が終わると、数日でその「期」のサーバは消されてしまいます。その「期」限りの場であるということに注意してください。
ともあれ、初めての人は、まずはメールの案内に従って、SlackとDiscordをインストールしましょう。そして、メールに記載されているURLから、その「期」のサーバにアクセスすることで、準備完了です。
説明会が終わった後まずは何をするか
「期」の最初の2日間くらいは、BB小説家コミュニティの使い方についての説明会があります。初めての方は、必ず参加しましょう。
特に気をつけて聞いておきたいのは、禁止事項です。この禁止事項を破ると、運営から注意や警告を受けるだけでなく、あまりにも酷いと最悪BANされることとなります。
これまで、まず見かけたことはないですが、参加者同士の作品の読み合いや批評は絶対ダメです。これを許してしまうと大変なことになります。大手コミュニティでもトラブルの種になっているので、ここは非常にコミュ運営のほうも警戒しているところです。自作の宣伝はもちろんダメです。自作を色んな人に読んでもらいたい、という人は、別のコミュニティを探したほうがいいです。
さて、説明会が終わってから、じゃあ、何をするか……です。
ここで、初参加の人は、急にポーンと放り出されたような気分になるでしょう。でも、心配は要りません。過去からのリピート参加者がいるので、彼らの真似をすればいいのです。
Discordのサーバ内の動きを注視していてください。
雑談部屋でリピーター同士がキャッキャッウフフとじゃれ合い始めると思います。まあ、ここは放っておいていいです。いきなりその輪の中に入るのは気が引けるでしょう。他の参加者との交流は、気が向いたら、で大丈夫です。
初めましての方は、「新人さんがつぶやく部屋」というスレッドが用意されているので、そこにまずは挨拶を書き込むのもいいでしょう。それとは別に、自己紹介用のスレッドもあるので、そちらも忘れずに(簡単でいいので)。
たくさんあるスレッドの中で、「執筆部屋(おしゃべりok)」と「集中部屋」というものがあるかと思います。ここの🔊マークがついているところは、いわゆる「音声チャンネル」です。この音声チャンネルが、BB小説家コミュニティで最も活用することとなる、執筆作業部屋となります。
使い方は簡単です。🔊マークがついているどこかのチャンネルに入って、執筆を開始するだけ。
とはいえ、いきなり一人では実感が湧かないでしょう。
大丈夫。コミュ開始と同時に、さっそく執筆部屋や集中部屋を使い始める人達が出てきます。その人達に続いて、自分もその部屋に入り、執筆を始めるだけです。
これは、その作業部屋にアイコンを置いて、「私はいま作業していますよ」ということをアピールするだけの行為でしかありません。でも、けっこう効果があるんです。特に他の人のアイコンが見えている=他の人も執筆していることが可視化されている状態だと、一緒に執筆活動をしている実感が得られて、驚くほど筆が進むことと思います。
まず最初の半月~1ヶ月ほどは、執筆部屋か集中部屋でひたすら書き続けるだけでもいいと思います。そこからまずは馴染んでいきましょう。
感想サービスの活用※スタンダードプランのみ
会費26,400円のスタンダードプランに入った方は、感想サービスを使うことが出来ます。
この感想サービスとは、BookBaseの編集者が、基本、冒頭1万字を読んで感想を送ってくれるものです。月に2本まで感想をお願いすることが出来ます。ちなみに、本文の代わりにプロットを読んでもらうことも出来ます。(プロットの場合1000字まで)
感想に出せる作品がある人は、ぜひ、このサービスを活用してみてください。ココナラとかですと、感想サービスの相場は、1万字でだいたい5,000円くらいでしょうか。「期」の間、合計で6本読んでもらえますので、ココナラの場合は30,000円はかかるところ、会費26,400円で済んでしまう。これはかなりお得です。
しかも、実は、1万字×月2本×3、だけではないのです。
「期」3ヶ月の間に、1回だけ、最大10万字の長編を読んでもらって感想をもらうことが出来るのです。
これはもう、活用するしかないでしょう。
とは言え、「BookBaseなんて会社として規模は大きくないし、そこの編集といっても素人に毛が生えたような人達でしょう?」と疑う人もいるかもしれません。まあ、実際、5chみたいなところでは悪し様に批判している人達もいますけど、そういう雑音は聞かないに越したことはないです。
考えてもみてください。これまで累計で1000名以上の参加者がいて、その人達全員が感想サービスを使っていないにしても、1人MAXで1万字×6本分+10万字×1本は、感想依頼を出しているわけです。この3年半ほどの間で、何百本もの作品を読んで、感想を書いてきた、という実績を考えれば、それだけの経験豊富な人達に読んでもらうことの意義は、十分にわかるかと思います。
論より証拠で、公式ページに感想サービスのサンプルが載っているので、参照してみてください。
他の参加者との交流について
正直、これに関しては、人それぞれスタンスがあると思いますので、一概にどうこうしたらいいとは言えません。
ROM専で、みんながワチャワチャ楽しんでいるのを見守っているだけの人もいますし。
まあ、これだけ長いコミュニティともなると、過去の「期」の人達ですでに出来上がった人間関係があって、馴れ合った感じでやり取りしている、それが鬱陶しく感じる人も少なからずいるかと思います。
私も気を付けているつもりですが、やはり昔から仲良くしている人達を相手に素っ気なくすることも出来ないので、結局内輪な感じで盛り上がってしまうことは避けられないです。
それでも、せっかくの機会だから創作仲間を増やしたい! と思っている方は、ぜひ輪の中に飛び込んでみてください。
あるいは雑談部屋で、他愛もないことを書き込むだけでもありです。
幸いなことに、ある「期」から、話題別のスレッドが設けられるようになっています。「純文学部屋」とか「ライトノベル部屋」とかありますし、歴史系であれば「前方後円墳」というスレッド、政治系であれば「国会議事堂」というスレッドがあります。こういった話題別の部屋で、自分好みの話題があれば、飛び込んでみるのもいいかと思います。
ちなみに余談ですが、Discordの機能で、スレッド別にミュート設定が出来ますので、自分が聞きたくない(スマホに通知が出てくると鬱陶しい)話題の部屋は、ミュートにしておくことをオススメします。私は、コミュの人達とは政治的な思想信条が合わないので、毎回「期」が始まる度に、「国会議事堂」は秒でミュートにしています。軍事系も不愉快なので、「ミリタリー部屋」もミュートです。こういう風に、自分が過ごしやすいように設定をカスタマイズするのが、3ヶ月間BB小説家コミュニティを楽しむためのコツとなります。
余談は終わり。
創作に限らず、色々な人生経験を積んでいる方が、コミュには集まっています。そういった人達の話を聞くのも、自分の創作活動において大いに刺激になります(もちろん、コミュ内で聞いたことは秘密ですので、外部に漏らさないように!)。
特に、ライトプランの人は、感想サービスが使えない分、ひたすら執筆するか、交流するか、の二択になってくるかと思います。執筆だけでは物足りなくなったら、ぜひ交流してみてください。
注意したほうがいいこと
公式ページで、しっかりと「こういう人は向いてないです」というのが書かれているので、まずは自分が該当しないか、注意したほうがいいです。
以下は、公式の転載です。
自作の宣伝目的で参加する方
「コミュニティ内では、自作を公開したりするのは禁止しています。PV数を稼ぎたい方は来ないでください。」
他の人の実績を見て自己嫌悪したり、落ち込んじゃいがちな人、ネガティブな方
「コミュニティ内では商業で活躍されている方などもいらっしゃいます。コンテストなどで結果を出される方もいますので、そういう人を見て落ち込む方は向いてないです。」
他人を尊重できない人、自分の意見を押し付ける人
「コミュニティは議論をする場ではありません。また創作のスタイルなどに正解はありません。アドバイスを求められた際に『自分はこうしてるよ』っていうのはOKですが、持論を押し付けたり、相手を否定したりする方は来ないでください。」
自作宣伝のことは、すでに書いた通りですが、問題は二つ目の内容です。
まず、コミュニティ内に、「お祝いごと」というスレッドがあるのですが、そこには「投稿サイトで日間1位を取った!」とか、「コンテストで受賞した!」とか、そういった輝かしい実績が書き込まれます。
これが、実際、上手くいってない人にはしんどい。おーみがまさにそうなので、この「お祝いごと」部屋もミュートにしています。それだけでも、だいぶ気は楽になるかと思います。
でも、交流する中で、強い実績を持つ人と出会ってしまうこともありますし、やり取りしている中でその人がいかに凄いのかを思い知らされることもあります。そこで落ち込むような人は向いていない、と公式では書いていますが、まあ、個人的には、落ち込んでもいいとは思います。仕方がない。それは止めようがない。私も毎回、毎回、気持ちが沈んでいますので。
ただ、その結果、自虐的な発言をコミュの中で書き込んだり、他人に噛みついたりするようになったら、これは危険信号です。場合によっては、運営から注意が入りますし、あまりに度を超すようでしたら退会を促されることでしょう。
もっとも、おーみも、自虐的なことをつい書いてしまうことあるので、これは自分への戒めでもありますが……。
あと、三つ目「他人を尊重できない人、自分の意見を押し付ける人」は、たまにコミュ内に湧いてくることがあります。どうしても100名近くいると、色んな人がいますので、絶対に困ったさんがいない、とは言い切れないこともあります。
ただ、このBB小説家コミュニティの場合、運営がしっかりと見守ってくれているので、タイミングよく運営サイドの人間がいれば待ったをかけてくれますし、あとリピーターはみんなちょうどいい塩梅を理解しているので、上手いこと仲裁に入ってくれたりします。
どうしても困った時は、率直に運営(オタクペンギン社長)にDMで、相談するといいです。オタペン社長は冷静なので、まずは双方の言い分などを確認した上で、適切な対処を施してくれます。
この運営に守ってもらえるという安心感は、何気に、このBB小説家コミュニティ最大のオススメポイントかもしれません。
ただ――一応、バランスを取るために言っておきますと、過去にコミュニティにいたけれど、周りからのクレームがあって抜け出た人や、あるいはオタペン社長の方針と合わずに離れていった人、そういう人達とも私はいまなお交流していますので、どっちが正しいとか間違っているとか、それは簡単には論じることが出来ないな、と考えています。
決してBB小説家コミュニティだけが居場所ではない、ということを理解した上で、参加することをオススメします。
だから、このコミュニティは合わないな、と思ったら、次の「期」からは参加しなければいいのです。他にも有志で作っている創作コミュニティはいっぱいありますし、どこかに落ち着いて創作できる安住の地があることでしょう。ここが最後の駆け込み寺!みたいな気持ちで臨まないように注意してください。
その他のサービスについて(個別編集、壁打ち)
・個別編集サービス(1000文字/440円)
・小説企画壁打ち(1時間あたり4400〜8800円)
・ライトノベルレベルアップ講座(7700円⇒コミュ参加者は半額で受講可能)
これらは、追加費用を支払うことで利用できるオプションです。おーみは個別編集サービスは使ったことがないのですが、名前の通り、編集者がその作品に対して編集を行ってくれるもので、感想サービスよりもさらに突っ込んだアドバイス等が得られるものとなります。
壁打ちは、1時間みっちり、企画書をベースに壁打ちが出来るというものです。こっちはおーみも使ったことがありますが、最初はぼんやりとしていた企画書の内容が、1時間のやり取りを通すことで解像度が上がっていきますので、お金に余裕があれば一度はやってみることをオススメします。
ライトノベルレベルアップ講座は、榊一郎先生等を講師に迎えて実施している、超実践的な講座となります。榊先生自体が大学で講師をやったりしていますので、その教え方は実に丁寧。密度の濃い内容を3~4時間にわたって行ってくれますので、ライトノベルを書いている方で、お金に余裕があれば、ぜひ受けてみてください。
コミュの活用例(あくまで一例!)
BB小説家コミュニティでは、サービスだけ置いてあって、あとはどうやって活用するかは個々人に委ねられているところがあります。
なので、自分で創意工夫できる人はフル活用できるでしょうし、そうでない人はなんとなく3ヶ月間を過ごしてしまうことになるでしょう。
後者のような「なんとなく」になるのはもったいないので、ここで、コミュの活用例(スタンダードプラン)を。
1ヶ月目
上旬:2本、プロット(1000字)を作る。
中旬:プロット2本を感想サービスに出す。(1ヶ月目の2枠使い切り)
下旬:フィードバックをもらう。プロットを見直す。
(一度出したプロットは改稿しても、もう一度出せないので注意!)
2ヶ月目
上旬:2作品の1万字冒頭を書き、感想サービスに出す。(2ヶ月目の2枠使い切り)
中旬~下旬:フィードバックをもらう。2作品の内、どちらの作品で10万文字を書くか決める。10万字の執筆に着手する(3000字~4000字/日のペース)。
3ヶ月目
(最終月は、だいたい20日頃で感想サービスの受付を締め切るので、注意!)
・10万字の作品を感想に出す。(3ヶ月間での10万字枠1枠を使用)
・余裕があれば、新たに2本、プロット(1000字)を作り、感想サービスに出す。(3ヶ月目の2枠使い切り)
こういう感じで感想サービスを使えば、フル活用できていいかと思います。
また、人によっては、コミュが始まる前からすでに書き上がっていた10万字の作品を、コミュ開始直後に感想サービスへ投げる、という方もいます。
とにかく、「これこれこう活用しなければならない」という決まりはない分、自由度が高くて、何をすればいいのか最初は戸惑うと思いますが、そこは自分で上手に組み立てて使いこなしていく必要があります。
同時に、その過程を経ること自体がまた、作家としてのあり方を学ぶ貴重な機会となっていると言えましょう。
最後に
おーみは、なんだかんだで、脳直で次の「期」を申し込むことなく、悩んだ末に継続して参加しております。
結局のところ、BB小説家コミュニティという場所は、自分にとって有益なところだと考えているからです。
それが、全ての人に当てはまるとは、もちろん思いません。
入ってみた結果、ああ損した、と思う人も中にはいることでしょう。
でも、迷っているのなら、まずはエイヤと飛び込んでみることをオススメします。少なくとも、何らかの刺激は得られるはずですから。
創作は孤独な作業です。だからと言って、独りぼっちで完結させれば偉い、というわけではありません。そんなこと言ったら、編集なんて仕事は必要なくなります。
一人では限界があるところを、色々な人の助けを得られて、有意義に創作活動が出来る。それが、BB小説家コミュニティの最大の魅力と言えます。そのことをいいな、と思った方は、ぜひ、参加してみてください。一緒に3ヶ月間、創作ライフを満喫しましょう!
逢巳
※カクヨムでただいま連載中! よろしければぜひ読んでみてください!
https://kakuyomu.jp/works/16817330651542543113
https://kakuyomu.jp/works/16817330666912283231
https://kakuyomu.jp/works/16817330667993273398
https://kakuyomu.jp/works/16817330667827542044
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