あなたのために書いていますと嘘をつきたかった

 
書きたいことなんてもうないのかも、そもそもはじめからそんなものあったのかなって、毎晩のように思う、書くたびに、書かずに考え込むたびに思う。
じぶんの孤独のためだったのかだれかの孤独を埋めてみたかったのか、考えたけど、両方できるって信じていただけだった、両方ともできずに、それでも、ただその孤独を抱き締めてあたためていきていきませんかって、頷きあってみたかっただけだった。

 
なんだって理由とか意味とか、ないと不安になっちゃうんだけど、大抵そんなの言葉にするほうが難しいことばっかだよね、
なんで詩を、文章を書くのかって、いつか聞かれたらわたしちゃんと答えられるだろうか、シンプルなことな気もするしあまりにも複雑な気もして、それでもやめないから単純に好きなんだってそれだけでいいかな、
だから、どうしてわたしを好きなのかも聞かないことにしよう、そんなの、たぶん、大して重要なことじゃないよ。

 

だれかと抱きしめあっても埋まらないと思っていた、お腹のおくのほうのうろ、案外単純に見ないふりできてしまうけれど、ときどき、そこから可愛いばけものが顔を出すのだ、
ねぇ、いちばんになりたいのよ、とくべつでありたいのよ、できれば、たくさんのひとにとって、泣くように叫ぶようにそういって。

彼女も最初は、きっといちばん近いひとに愛されたかっただけだったはずなのに、いちばん近いひとのとくべつでありたかっただけだったはずなのに、ずっとずっと膨れあがって、手に負えなくなってしまったの、
知っているから、彼女は、あのばけものは、ちゃんとわたしだから。





#雑記 #エッセイ

 

生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。