秋風に揺れる髪を絵画にしてくれ
帰り道、金木犀のにおいがしたの、もう秋なんだなーって思ったよ、好きなんです、金木犀の香りも秋も、心地良いから。
秋になるっていうのにいつもとは違う種類のさみしさに覆われている、ううん、さみしくはないのかも、君が、わたしが生きるのが下手くそなんだってこと、たぶんあんまり分かってないんだろうってこと、お腹のいちばん奥でしゃがみこむばけものと目があったら、どうするんだろうってこと、ひとりのあいだ考えて、まぁいっかって眠るだけ。
愛、質とか量とか、疑ったってわかんないししょーがないじゃない、受け取って、せいいっぱい渡して、それしかないじゃないって、やっと気づけたのが今年のハイライト、いい意味で年々適当に生きられるようになって、こうやってのらりくらりやってけるかなぁ、って、思ったそばから打ちのめされたりするかもな、ジンセイってそんな感じじゃないですか、もっと誠実にひたむきに、刹那的でいられたらいいのに。
たぶんわたしに見栄えのいい安定などなく、そもそも望んでもないんでしょう、額縁の中で美しくすこやかに眠るひと、ほんとうは眠らされているんだって想像しただけでひどく陰惨な絵画に変わる、そう、そんなものでしょう、だから誰かから見たものなんて気にしなきゃいいのに、完璧でないこと、恥ずかしくなってしまうの、つまらない平凡すぎる感覚。
少なくとも数年前より、今の自分がずっと好きです、それだけで、十分オッケーじゃん、えらいえらいって、頭を撫でて笑ってくれれば、無責任に、笑ってくれれば。
生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。