終点で降りてもあえないひとは
ずっと住んでいるまちの小さな路線、ずっと降りたことのなかった終点、もう知らない駅じゃなくなっちゃった、
乗り換えのためにぽんと降りただけでその町のことなんか全然知らないし、なんなら、住んでいるまちのことだって大して知らないんだけど、
もう、はやく、このまちを出ていってしまいたいような気がした、いつだって、勝手に窮屈になるのは自分なのに。
からだも、こころも、あたまも、一個じゃ足りなくって、自分をいくつもにわけてしまいたいような、もうわかれてしまっているような気分、生活の錆びた歯車を不器用に回すわたしなんて見ていてほしくなくって、ロボットになってしまいたい、生活するあなたは、彼らは、あの子は、こんなに愛おしくてうつくしいのに。
どれがただしくて本当にこころのままの自分かなんて、考えるだけ無駄なんだろうな、ぜんぶぜんぶ自分の一部でしかなくて、愛してあげるしかないんだと思う、
できるかぎり、できるかぎりの理想に近づいて、できるかぎりの自分を誇らしく思えるようになるしかないねって、堂々めぐり、後ろを向いては前を向き直ったりして、そうやって、ずっといきているの、いつになってもそれだけはただしい姿だって、思ってやまないから、
だから、あなたも。
生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。