ピンクの海の人魚姫(0419)

これは詩です、と言い張ることも日記です、と言い張ることもしたくなくて、ただ文章であるならそれでよかった、絵を書くひとや写真を撮るひととおなじように、文章を書くひとで、文章を書くかわいいひとでいられるならそれでよかった、その証明のために、あわよくば、職業を詩のひととしたかった。しあわせになりたい、と祈られた死んだ星が困っている、わたしのしあわせの、とんでもない傲慢さと矮小さについて。
 
 
わたしはあなたというひとが好きなのであって、たとえば社会が好きなのではないかもしれない、そこにあなたが含まれていても。ぼんやりとうかぶブルーのなかに自分が溺れている、わたしは、泳げません、泳げるようにも、なりたくありません、泳げるようになるまでに、しんでしまうかもしれないから、泳げるようになるために、足を落とさないといけないかもしれないから。
 
 
奪い合うのはこわいし疲れるけど奪われるだけでいるわけにはいかないから、それなら奪われないように奪うしかなくって、美学のなかに争いも負けもないから踊るだけで全部終わりにしたい、あなたひとり破滅させられるファム・ファタールにはなれない今生でも前世でも来世でもナントカ姫にはなりたくなかった、なれる身でもないんですけど、
歌をうたいたい気分、なのに声が出ない人魚姫のことをおもいだす、大抵の人魚はきっと海から出る選択をしないでしょう、彼女ほど、わたしは、うつくしかったかしら。わたしほど、彼女は、うつくしかったかしら。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 

生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。