世界が終わる夢のはなし

 
寝ぼけながらiphoneのメモ帳でぱちぱち書いていたお話のつづき、はっと起きたら半分くらい消えちゃっててちょっとだけ絶望しました。寝かけにキーボードのバックスペースキー、触っちゃってたんだと思う。
もう一言一句同じは無理だしさ、ショックだったけど、前より良くなっちゃったりしちゃえばいいから、また書きます。
ハーゲンダッツ食べる夢見てよろこんでる場合じゃなかった。
  
最近はあんまり悪夢を見ることがなくなったなと思う、なんの変哲もない夢か、しあわせな夢が多くて、起きた時にさみしくなったりする。
ちっちゃい頃は何回もおんなじ怖い夢を見たりしたんだけど、その中でもものすごく印象的な夢があって、それは、“世界が終わる”夢だった。
 
 
その夢のわたしは中世のヨーロッパのお城みたいなところで、毎日違うドレスを着て、たくさんのひとたちと暮らしていた。中でもとびっきり仲がいい同じ歳くらいの女の子がいて、その子と色んな話をして、色んな遊びをして、いつも一緒にいたんだ。
そんな生活を続けていると、ある日から、お城のひとたちが少しずつ少しずつ減っていった。話したこともない大人の人も、かわいいメイドさんも、厳しいけれど好きだった執事も、みんな、ひとりずつ、いなくなっていってしまう。原因はわからない。
どんどん静かになっていくお城がおそろしくって、それでも、仲良しの女の子のおかげでなんとか毎日を過ごしていた。
 
その日も、わたしの部屋のふわふわのベッドの上でふたりで話をしていた。ふと、わたしがいなくなった人たちのことを呟くと、隣に座っていた彼女がにこ、と笑って、ゆっくりとわたしの首に手を伸ばす。
伸びてきた両手に首をぎゅっと絞められて、驚きと苦しさで暴れるわたしに馬乗りになって押さえつけると、彼女は首を締める力をゆるめることもないまま、楽しそうにこういうのだった。
 
 
「ねぇ、世界って、こうやって終わっていくのよ」
 
 
 
夢の中のわたしが気を失ったところで、現実のわたしは目を覚ました。
首を絞められているときの苦しさも、下から見たその子の表情も、幼かったわたしには衝撃的で、今でもはっきりと覚えている。(衝撃的すぎて、脚色されているからかもしれないけど)
 
遊園地のどうぶつの着ぐるみたちに車がビュンビュン走ってる高速道路に連れて行かれそうになったりとか、カレンダーの中の反転世界に吸い込まれるとか、真っ白の部屋に大きな男の人がぽんて立ってたりとか、振り向くたびに家族が分身するとか、覚えてる怖い夢、たくさんあるんだけど、そのなかでもこれは本当に怖かったなぁ。起きてからもしばらくドキドキしてたような気がする。
 
悪夢、見たくないよねぇ、疲れるし。
今日はいい夢見れるといいな。もちろん、みんなも。








生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。